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米国「GENIUS法」成立間近…ステーブルコイン時代が本格始動か

JOON HYOUNG LEE

概要

  • 米国議会で「GENIUS法」可決の可能性が高まる中、ステーブルコインの制度圏編入が本格化すると伝えられた。
  • GENIUS法とあわせて「CLARITY法」が可決されれば、仮想通貨が機関投資対象に本格的に組み込まれる可能性が高いとされた。
  • 最近のクリプトウィーク期待を背景に、ビットコイン価格が史上初めて12万ドルを突破し、さらなる上昇の期待も高まっていると分析された。

今週の米議会「クリプトウィーク」

「GENIUS法」成立への期待高まる

成立すればトランプ氏が即署名の見通し

「ステーブルコイン重大なマイルストーン」

米ワシントンDCにあるアメリカ連邦議会議事堂
米ワシントンDCにあるアメリカ連邦議会議事堂

米議会の「クリプトウィーク」を迎え、「GENIUS法(ステーブルコイン法)」制定への期待が高まっている。GENIUS法が議会で可決されると、仮想通貨業界が新たな歴史を刻む可能性があると見られている。

16日(現地時間)、業界関係者によると、ドナルド・トランプ米大統領はこの日ホワイトハウスの大統領執務室オーバルオフィスでGENIUS法に反対していた一部下院議員らと会談した。トランプ大統領は自身のSNS「トゥルースソーシャル」を通じて「短い議論の末、彼ら全員が明日(17日)賛成票を投じることで同意した」と明らかにした。

17日(現地時間)に予定されているGENIUS法の米下院本会議での採決は、今週のクリプトウィーク最大の注目ポイントとされている。これに先立ち、米下院は最近暗号資産関連法案の集中審議のため、今週をクリプトウィークと定めた。

米下院は今週GENIUS法のほか、「CLARITY法(暗号資産市場構造法)」や「反・中央銀行デジタル通貨(CBDC)監視国家法」の本会議採決も予定している。この日、法案審議のための手続き採決は否決されたものの、近日中に手続き採決を再開する方針だ。

年内成立確率「95%」

業界ではGENIUS法の可決可能性が最も高いと見られている。同法はステーブルコインを包括的に規制する法案で、先月米上院を通過している。既に上院ではステーブルコインの制度圏編入に超党派合意が形成されており、大きな変数がなければ下院可決も問題ないと分析されている。世界最大のベッティングサイトPolymarketでも、GENIUS法の年内成立確率は同日基準で95%を記録した。

世界最大のベッティングサイトPolymarketでGENIUS法の年内成立確率は16日基準95%を記録した。写真=Polymarketキャプチャ
世界最大のベッティングサイトPolymarketでGENIUS法の年内成立確率は16日基準95%を記録した。写真=Polymarketキャプチャ

トランプ大統領のステーブルコイン育成への意欲などを踏まえると、GENIUS法可決後は直ちに大統領署名へと進む可能性が高い。この場合、GENIUS法は史上初となる仮想通貨分野の米国連邦法となる。

グローバルブロックチェーン企業Animoca BrandsのOmar Elassarグローバル戦略的パートナーシップ統括は「GENIUS法は機関の(ステーブルコイン市場)参加を可能とするだけでなく、参加を必須とすることになるだろう」とし「アラブ首長国連邦(UAE)などでは明確かつ目的に即した(暗号資産)規制が機関を誘致することが既に証明されている」と述べた。その上で「(GENIUS法は)ステーブルコイン政策の重大なマイルストーン」であり、「ステーブルコインのイノベーションと規制の実質的な調和がグローバルな規模で始まる契機となる」と語った。

GENIUS法制定による伝統的金融(TradFi・トラッドファイ)への影響も大きいとみられる。Altan Tutra MoreMarkets CEOは「(GENIUS法が成立すれば)ステーブルコインの採用が拡大するだろう」とし、「ステーブルコインを支えるために米国債や財務省短期国債(Tビル)の需要も増加する可能性が高い」と見通した。さらに「これは伝統金融システムの運営方法はもちろん、マクロ経済的要因に影響する構造自体に根本的な変化をもたらす可能性がある」とも指摘した。

「制度圏編入が本格化」

「CLARITY法」まで成立すれば、今回のクリプトウィークの波及力は「地殻変動」級になるとの評価も出ている。CLARITY法は「明確性(Clarity)」という法案名の通り、暗号資産規制の空白解消を目指すものだ。先月、米下院農業委員会と金融サービス委員会の「マークアップ(markup)」を次々と通過したことで、CLARITY法の成立可能性も低くない。実際PolymarketでCLARITY法の年内成立確率は同日基準57%となっている。

GENIUS法とCLARITY法が同時に下院を通過すれば、ステーブルコインにとどまらず仮想通貨全体が機関の投資対象に本格的に組み込まれるとの分析もある。分散型取引所(DEX)VOOIのWill K CEOは「GENIUS法とCLARITY法は機関・個人投資家が仮想通貨と伝統金融の間を行き来して活動できる規制基盤になる」とし、「ビットコイン、ステーブルコインなど暗号資産が株式、コモディティ、為替取引など現代投資ポートフォリオに組み込まれることを意味する」と述べた。

クリプトウィークの結果がビットコイン価格に与える影響にも注目が集まる。ビットコインは最近、クリプトウィークへの期待感から勢いよく上昇し、史上初となる12万ドルを突破した。Crypto Dan CryptoQuant寄稿者は「ビットコインが最近新たな局面に入りつつあるものの、オンチェーンデータ上では市場はまだ過熱状態に達していない」とし、「過去の短期高値局面と比べて過熱レベルが大きく低いことは、ビットコインが今年後半も大幅上昇し史上最高値を再度更新する可能性を示唆する」と分析した。

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JOON HYOUNG LEE

gilson@bloomingbit.ioCrypto Journalist based in Seoul
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