米連邦準備制度理事会、'スキニー・マスターアカウント(skinny master account)'導入を検討…意見公募

米連邦準備制度理事会（Fed）はフィンテックや仮想資産企業の中央銀行アクセスを認め得る新しい決済口座制度の導入を検討し、意見公募を開始した。いわゆる「スキニー・マスターアカウント(skinny master account)」と呼ばれる当該案は、既存の銀行とは異なる形態の制限付き決済口座を想定している。

22日（現地時間）コインテレグラフによると、連邦準備制度理事会は最近「スキニー・マスターアカウント」導入に関して一般公衆と業界の意見を求めたと発表した。クリストファー・ウォーラー(Christopher Waller) FRB理事は「新しい決済口座は決済システムの安全性を維持しつつもイノベーションを支援できる」と述べ、「支払決済産業の急速な変化と新たな金融ビジネスモデルを反映する必要がある」と説明した。

ウォーラー理事は10月にも、一部適格な金融機関を対象に取引清算と決済機能のみを行う専用口座の導入を検討すべきだと提案した。彼は、決済口座は既存のマスター口座より機能が制限されるため、決済システム全体のリスクを低減し、審査手続きも簡素化され得ると付け加えた。

ただし、連邦準備制度理事会内からは懸念の声も上がっている。マイケル・バー(Michael Barr) FRB理事は「マネーロンダリング防止(AML)やテロ資金供与防止(CFT)に関する明確な安全策が整備されない場合、FRBが直接監督しない機関に口座アクセスを許可することは危険になり得る」と指摘した。

市場では、決済を中心とする仮想資産企業が当該口座の主要な候補となり得るとの見方が出ている。サークル(Circle)、コインベース(Coinbase)、クラーケン(Kraken)、ブロック(Block)など米国拠点の仮想資産決済企業が連邦準備制度の決済網と直接接続される場合、伝統的な金融と仮想資産の結びつきが一層強化され得ると評価されている。