米議会、2026年に仮想資産の包括法案が可決される可能性50～60％

米国議会が2026年に仮想資産（暗号通貨）市場全般を規律する包括的な法案を可決できるかどうかに関心が集まっている。業界では可決の可能性を半分程度と見ているが、上院での審議の進展が重要な変数になると見ている。

現地時間24日、仮想資産専門メディアのThe Blockによると、業界は当該法案が2026年に制定される確率を50～60%と評価している。共和党と民主党の間で議論が続いている点はポジティブに評価されているが、依然として解決すべき争点が多いとの分析だ。

ケビン・ワイソッキ（Kevin Wysocki）アンカレッジ・デジタル政策総括は「議会の構成員が党派を超えて活発に対話しているという点は非常にポジティブだ」としつつも「銀行法、証券法、商品法をすべて包含する複雑な法案であるため調整は容易ではない」と述べた。

現在上院では銀行委員会と農業委員会がそれぞれ仮想資産市場の構造に関する法案を作成している。銀行委員会の草案は証券取引委員会（SEC）と商品先物取引委員会（CFTC）の管轄を分け、証券ではない仮想資産を区別するための「付随資産（ancillary assets）」の概念を導入する内容を含んでいる。農業委員会はCFTCの権限を拡大する別の法案を提示しており、両法案を調整する必要がある。

当初は年内に上院銀行委員会での採決の可能性が取りざたされたが実現せず、委員会側は2026年初めのマークアップを目標に協議を続けていると述べた。ただし、ステーブルコインの利息支払いを許可するかどうか、DeFi（ディファイ）に対する規制方法、SECとCFTCのどちらが最終判断主体となるかを巡る論争が主要な争点として残っている。

さらにドナルド・トランプ大統領の仮想資産事業に関する利益相反の問題やCFTC委員の欠員問題も協議の変数となっている。特にCFTCは今後の仮想資産規制で重要な役割を担う可能性が高いが、現在は委員長を含む単独委員制で運営されており民主党側の反発が大きいという説明だ。

業界関係者は、上院の法案が委員会を通過した後に上下両院の法案調整を経る必要があるため手続きが複雑だと見ている。また、中間選挙や連邦政府の予算協議、シャットダウンの可能性が重なれば立法の勢いが弱まる懸念も出ている。

業界は来年上半期、特に第1四半期と第2四半期が事実上立法の核心期になると見ている。もしこの期間内に上院での審議が進展しなければ、仮想資産市場の構造に関する法案は再び長期課題に移る可能性があるという見方も示されている。