最高値から30%下落したビットコイン、『節税手段』として急浮上

仮想資産（暗号通貨）の大本命ビットコイン（BTC）が年中最高値から30%近く下落する中、一部の投資家がビットコインの弱含みを税負担軽減の機会と見ているとの見方が出ている。

26日（韓国時間）、ブルームバーグ通信は「ビットコインが年高値比で約30%下落した一方、同期間にスタンダード・アンド・プアーズ（S&P）500指数は約18%上昇し、株式と仮想資産の間で収益率の差が大きく開いた」とし、「株式投資で利益を上げた投資家がビットコインを損切りして税金を減らそうとする動きが増えている」と報じた。

これは「課税損失確定売却（tax-loss harvesting）」と呼ばれる戦略で、価格が下落した資産を売却して損失を確定し、それによって株式など他の投資で得た利益に対する税金を減らす方法だ。

特に仮想資産の場合、課税損失確定売却は株式よりも容易で、多くの投資家がこれを積極的に活用できる。株式と異なり仮想資産にはまだ『ウォッシュセール』等の規定がなく、投資家はビットコインを売却した後に同日に再購入しても税務上損失が認められる。

今年のビットコインの価格変動性により、このような戦略を実行する投資家がさらに増える可能性があるとの見方も出ている。ウィル・コン米コーネル大学サミュエル・カーティス・ジョンソン経営大学院金融学教授は「（ビットコインの）年高値比で30%の下落は、最近市場に参入した投資家に年末の損切りの機会を与える」と述べ、「このような価格の流れは歴史的に年末の売り圧力を強めてきた」と説明した。

ただし来年からは仮想資産に対する税務管理が一層強化される見通しだ。2026年から米国で取引所や仲介業者が仮想資産の売却情報を税務当局に直接報告する制度が導入される予定だからだ。