米連邦最高裁の相互関税判断はなぜ長引くのか…内部に「意地」があるのか[イ・サンウンのワシントン・ナウ]

出典
Korea Economic Daily

概要

  • 米連邦最高裁が、ドナルド・トランプ政権の代表的な経済政策である相互関税フェンタニル関税の根拠となった国際緊急経済権限法(IEEPA)について判断を示していないと伝えた。
  • トランプ大統領がグリーンランドに近い国々に追加のIEEPA関税を適用し、最大25%関税を予告したことが、関税権限の拡大をめぐる「滑りやすい坂」への懸念を強めていると伝えた。
  • 裁判所が大統領の関税賦課権限について判断しても、関税還付など救済策を具体的に示さない可能性が取り沙汰され、還付手続きで大きな混乱が生じ得るとの懸念が示されたと明らかにした。

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米連邦最高裁は、ドナルド・トランプ米政権の代表的な経済政策である相互関税やフェンタニル関税などの根拠として国際緊急経済権限法(IEEPA)を用いたことについて、いまだ判断を示していない。いつ判断が出るという予定があったわけではないため、これを「遅れた」と解釈することはできないが、なお結論が出ていないことをめぐり見方が分かれている。

米連邦最高裁の判断内容を最もよく追っているのは、「SCOTUSブログ」と呼ばれる「最高裁ウォッチャー」に当たる媒体だ。SCOTUSは米連邦最高裁の英語略称に由来する。この媒体は、最高裁の主要判断はもちろん、裁判官の意見書や判断日程などについて、先例や傾向を踏まえた詳細な分析を提供している。

相互関税をめぐる判断はトランプ政権の中核政策であり、米国の三権分立の根幹に関わる判断でもあるだけに、米国内でも関心が大きい。この日、関税判断を前にSCOTUSブログが開いたライブチャットに参加した媒体関係者やウォッチャーの評価によれば、今回の関税判断は「技術的に非常に複雑な事案」と受け止められている。下級審の判断文だけで127ページに及ぶことから、法的争点が多いという。

ある参加者は「争点が激しく、多数意見と少数意見の間で修正作業が繰り返されている可能性が高い」とし、「裁判体の中で、別個の同意意見(concurrence)や反対意見(dissent)を通じて各自の立場を明確にしようとする動きがあり得る」と評価した。韓国でも裁判官が主要判断を出す際、補足意見などで「別の見方」の余地を残し、法的観点の多様性を示すのと似ている。

予想より判断が遅れていることからみて、全会一致ではない可能性が高いと同媒体関係者はみている。最高裁の判例の大半(42%)は全会一致だが、今回の事件はそうは見えにくいという。

トランプ大統領がグリーンランドに近い国々に対し追加のIEEPA関税を適用できると発表したことが影響している可能性があるとの見方も出た。トランプ大統領は、英国やフランスなどデンマークに派兵した8カ国に2月1日から10%関税(追加関税と解釈)を課し、6月からこれを25%に引き上げ、グリーンランドを完全に買い取るまで維持すると明らかにした。

スコット・ベッセント国務長官はこれを「国家非常事態を防ぐための国家非常事態」という論理で正当化した。これに関連し、ウォッチャーらは「反対側が懸念していた『滑りやすい坂(slippery slope、過度な権限拡大のリスク)』の主張を、むしろ裏付けるものではないか」との意見を示した。

昨年11月の口頭弁論では、保守派の判事でさえも、行政府の権限を過度に認める出発点になることを懸念していた。過去の統計によれば、口頭弁論後の判断文作成過程で「現場の事実関係の変化」により判事の投票が変わるケースが約10%あったと、SCOTUSブログ側の関係者は説明した。こうした状況変化が、裁判所に判断を急がなければならないという圧力を強め得るとの見方だ。

裁判所が大統領の関税賦課権限について判断しても、救済(remedy)まで具体的に示さない可能性も取り沙汰された。関税還付の問題が核心だが、裁判所がそれを直接扱うかは不透明だという。口頭弁論当時、エイミー・コニー・バレット判事は、還付手続きで大きな混乱が生じることを懸念していた。トランプ政権が過度な障壁を設け、実際の還付が起きることを行政的に阻む余地もあるということだ。

判断がいつ出るかについては、トランプ政権の構成員でさえ全く把握していない状況だ。最高裁が今年に入って最初の主要判断を9日に予告した際、ケビン・ハセット国家経済会議(NEC)委員長は、前夜に対応策を協議するため主要閣僚の会議(「ビッグ・コール」)が開かれたと伝えた。

取材記者も同様だ。20日午前、最高裁の記者室は「いつも来る記者だけが来る静かな雰囲気だった」と同媒体の記者らは伝えた。訴訟当事者も事前に耳打ちされるといったことはない。今回の訴訟で原告側を代理するニール・カティヤル弁護士もSCOTUSブログのライブチャットに参加し、判断がどのように進むのかについて取材記者らの見方を確認した。次の判断公表日がいつになるかは、まだ知らされていない。

ワシントン=イ・サンウン特派員 selee@hankyung.com

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