概要
- ドナルド・トランプ米大統領は、カナダが中国と協定を結べば、カナダ製のすべての商品に関税100%を課すと述べた。
- カナダは中国と戦略的パートナーシップを宣言し、中国製EV関税の緩和、カナダ産キャノーラ関税の引き下げなど各種貿易政策で合意したと伝えた。
- トランプ大統領の関税の脅しが現実化すれば、対米輸出依存度の高いカナダのエネルギー・自動車・アルミニウム産業と北米経済全体が大きな打撃を受けると見通した。
反米連携をけん制するトランプ
加・中接近に関税カードで圧力
トランプ「カーニー知事は誤り」嘲笑
カナダ経由の中国迂回輸出に警告
カーニー「戦略的自律性を確保すべき」
中国製EV輸入の障壁を緩和

ドナルド・トランプ米大統領は、中国との貿易関係を改善したカナダに対し、「カナダが中国と協定を結ぶなら、米国に入ってくるすべてのカナダ製の商品・製品に直ちに関税100%を課す」と述べた。
◇「中国はカナダをのみ込もうとしている」
トランプ大統領は24日(現地時間)、トゥルース・ソーシャルに「『カーニー知事』が、カナダを中国が米国へ商品や製品を送る『積み替え港』にできると考えているなら、それは大きな誤りだ」として、こう警告した。『カーニー知事』はマーク・カーニー・カナダ首相を指す表現だ。トランプ大統領は最近、カナダ併合への野心をにじませ、「米国の51番目の州」という意味で、カナダ首相を「知事」と呼んできた。
トランプ大統領は「中国はカナダの企業や社会構造、全体的な生活様式などを完全にのみ込み、カナダを生きたまま食い尽くすだろう」と強調した。別のSNS投稿でも「世界が最も望まないのは中国がカナダを掌握することだ」とし、「それは起きないし、起きる可能性すらない」と述べた。
トランプ大統領のカナダへの警告は、カナダが米国の関税政策や西半球での併合の脅しに対抗し、中国との接近を強める動きが注目される中で出た。カーニー首相は14〜17日、カナダ首相として9年ぶりに中国を訪問し、習近平・中国国家主席と首脳会談を行った。この場で両首脳は「新たな戦略的パートナーシップを始めよう」とし、数年にわたる対立の末に関係正常化を宣言、各種の貿易政策で合意した。
合意の骨子は、カナダが自動車市場の障壁を一部緩和する一方、見返りに農産物の輸出ルートを確保した点にある。カナダ政府は2024年、米国と歩調を合わせて中国製EVに課してきた100%の懲罰的関税を緩和する方針を示した。カナダは中国製EVを年4万9000台まで、6.1%の最恵国待遇(MFN)関税率を適用する方針だ。北米のエントリー級EV市場では、中国車の販売が増えると見込まれている。
◇中国・カナダが手を組む理由

中国がカナダ農家の長年の懸案を解決したとの評価が出ている。両国は来る3月1日から、カナダ産キャノーラ種子にかかる合算関税を、従来の約84%から15%へ引き下げることで合意した。中国向け輸出量は年40億カナダドル(約4兆2488億ウォン)規模まで増えるとの分析が提起されている。
この合意は、周到に計算された実利と生存の産物と解釈される。カナダ経済はここ数年、高金利と低成長、「米国第一主義」に基づく米国の強力な保護主義的圧力の下で孤立してきた。カナダの対米輸出比率は全体の70%超だ。
カーニー首相は最近、世界経済フォーラム(WEF・ダボス会議)で「規範に基づく国際秩序が消えつつある」とし、「米国の覇権が提供してきた公共財が失われる時代に、戦略的自律性を確保しなければならない」と強調した。
中国にとっても今回の合意は切実だったとの見方だ。内需低迷と不動産危機、西側の技術制裁で詰まった経済の血路を開くため、米国市場への迂回路であり資源大国でもあるカナダを攻略したというわけだ。
トランプ大統領の関税の脅しが現実化すれば、北米経済全体が大きな打撃を受けるとの見通しが出ている。対米輸出依存度の高いカナダは貿易で直撃弾を受ける。カナダの主力輸出品であるエネルギー、自動車、アルミニウム産業などが影響を受けるためだ。カナダ製品の遮断は、米国製造業のコスト上昇につながりやすい。
キム・ジュワン記者 kjwan@hankyung.com

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