概要
- スコット・ベセント財務長官は政策金利が1.5〜1.75%P下がるべきだとし、これは現在の市場予想を大きく上回る下げ幅であることを強調しました。
- トランプ大統領や次期Fed議長候補の発言などでFedへの圧力が高まり、利下げ期待が一層強まっています。
- こうした利下げ期待を受け株価は最高値を更新したとのことです。

ホワイトハウスによるFedへの揺さぶりが一段と強まっています。昨日、トランプ大統領はパウエル議長に対し訴訟もあり得ると脅しました。「Fedの建物工事を管理する中で見せた無能な処理のために、その件について大規模な訴訟を進める方向で検討している」と述べました。
これに先立ちトランプ大統領は7月末にFedを訪問した際、工事過程に詐欺がなければパウエル議長の任期を中断しない方針を示唆していました。当時は任期を守る意図と解釈されましたが、今では逆に詐欺容疑をかけようとする動きと受け止められています。本日トランプ大統領は記者団との会見で「新しい議長を早めに指名する考えだ」とし、「議長候補を3〜4人に絞った」と語りました。
スコット・ベセント財務長官は政策金利が今より1.5〜1.75%は低くあるべきだと述べました。そうなれば政策金利は2.75〜3.0%水準まで下がることとなります。現在市場で見込まれている9月FOMC利下げ予想値はわずか0.25%ポイントです。大きなギャップがあります。もちろん、トランプ大統領が「3〜4%ポイントさらに下げるべきだ」と語ったほど急進的ではないものの、市場の期待よりは踏み込んでいると言えます。Fedへの圧力を強める発言に見えます。利下げ期待が高まり、株式市場は再び最高値を更新しました。
次期Fed議長候補者らの発言もFedに揺さぶりをかけています。これまで候補とされたクリストファー・ウォラー理事などに続き、今回はジェームズ・ブラード前セントルイス連邦準備銀行総裁が登場しました。昨日CNBCに出演し、トランプ大統領の経済政策を称賛し「関税は長期的に物価を押し上げない」と述べました。そして今後Fedが9月から1年間で1%ポイント金利を下げ、その結果中立金利に近づくとも指摘しました。ブラード前総裁はかつて市場で大きな影響力がありキャスティングボートを握る人物でした。こうした人物がトランプ大統領側についたことで、パウエルの立場が次第に狭まっている状況です。
Fedの判断の根拠となる雇用統計自体にも揺さぶりの動きが市場の懸念を呼んでいます。今月1日、労働統計局(BLS)が7月の非農業雇用者増加数を発表し、5月・6月の増加分を大幅に下方修正したところ、トランプ大統領は「捏造だ」と主張し現局長を解任、後任に忠誠派であるヘリテージ財団チーフエコノミストのE Jアンソニーを指名しました。
これに先立つエイドリアナ・クグラーFed理事が任期を5か月残して辞任し、その空席にスティーブン・マイロン経済諮問委員会委員長を登用したのもFed揺さぶりの一環です。クグラー理事は労働経済のプロフェッショナルで雇用指標の解釈に関与してきたため、彼女を追い出しマール・ア・ラーゴ協定のアイデアを示したマイロン委員長を採用したことは、Fedの今後の利下げ寄りの動きへ舞台を整えたという見方もできます。
ワシントン=イ・サンウン特派員 selee@hankyung.com

Suehyeon Lee
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