概要
- クラリティ法案のステーブルコイン利回り(yield)禁止条項が、米国のドルの国際競争力を弱めかねないと批判された。
- 同条項は米国内のステーブルコイン発行体とプラットフォームによる利回り提供を制限し、中国のデジタル人民元との競争で不利にするとされた。
- 暗号資産業界は、銀行預金との競争遮断による銀行業界保護策とみており、イノベーションを抑制しかねないと指摘した。

米国の暗号資産(仮想通貨)市場構造法案であるクラリティ法案(CLARITY Act.)に盛り込まれたステーブルコインの利回り(yield)禁止条項をめぐり、ドルの国際競争力を損ないかねないとの批判が出ている。
19日(現地時間)、コインテレグラフによると、スカイブリッジ・キャピタル創業者のアンソニー・スカラムーチ氏はクラリティ法案に関連し、「利回りを提供するステーブルコインを禁じることは、米ドルを中国のデジタル人民元との競争で不利にする」と指摘した。さらに「銀行はステーブルコイン発行体との競争を望まず利回りを封じているが、中国は利回りを提供している。新興国はどの決済インフラを選ぶのか」と反問した。
中国人民銀行は今年1月から、商業銀行がデジタル人民元の預金に利息を支払えるよう認めた。これによりデジタル人民元は、事実上の利回り型中央銀行デジタル通貨(CBDC)として機能し始めたとの見方が出ている。一方、クラリティ法案は米国内のステーブルコイン発行体やプラットフォームが利用者に利回りを提供する仕組みを制限する方向で設計されている。
コインベースのブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)も、この条項がドルの競争力を弱めかねないと警告した。「ステーブルコインの報酬は銀行の融資構造を変えないが、世界の外国為替市場における米国ステーブルコインの魅力度には大きく影響する」とし、「森を見ずに木ばかり見ている」と述べた。
暗号資産業界では、ステーブルコインの利回り禁止は銀行業界を守るための措置だとの批判も出ている。業界関係者は、この条項が既存の銀行預金との競争を遮断するために導入され、結果としてイノベーションを抑制しかねないとみている。
一方、伝統的な金融業界は大規模な資金流出の可能性を懸念している。バンク・オブ・アメリカ(BoA)のブライアン・モイニハンCEOは最近の決算発表で、「ステーブルコインが普及すれば最大6兆ドルの銀行預金が流出し得る」とし、「これは銀行の融資余力を大きく損なう可能性がある」と警告したことがある。





