トランプがブラックウェル輸出を阻止したが…ジェンセン・フアン「中国はAI競争で米国を上回るだろう」

ソース
Korea Economic Daily

概要

  • ジェンセン・フアン(エヌビディアCEO)は米国のAIチップ輸出統制にもかかわらず中国がAI競争で米国を上回るだろうと述べた。
  • 中国はエネルギー補助金と規制緩和により企業が低コストでAI開発を行え、AI特許や論文被引用数などでも米国を上回っていると伝えた。
  • 専門家は米国のビザ規制とともに中国のAI研究者およびオープンソースAIモデルの成長が製造業との結合などで相乗効果を生むと見ている。

「西側は技術に対して冷笑主義に陥っている」…英『AIの未来サミット』で警告


米国の規制・輸出統制を明確に批判

「中国企業は補助金を受けて電気が無料

中国のチップは性能が低くてもコスト優位」


中国は特許・論文被引用でも米国を上回る

AI学習の規制が少なくディープラーニングが容易

『オープンソースAIモデル』で強みを示す

学者の数も米国との差が縮まっている

AIと製造業の結合で相乗効果を期待

ジェンセン・フアン(エヌビディア最高経営責任者(CEO))は「中国が人工知能(AI)競争で米国を上回るだろう」と警告した。エネルギーコストと規制緩和の面で中国が有利だという理由からだ。米国が先端AIチップの輸出を統制しても、中国との技術格差は大きくなく、逆転される可能性があるとジェンセン・フアンCEOは懸念している。中国は最近、AI関連の特許数や論文被引用数などで米国を上回っている。

◇ 「我々にはもっと楽観論が必要だ」

ジェンセン・フアンCEOはこの日、英国ロンドンでフィナンシャル・タイムズ(FT)主催の『AIの未来サミット』で「米国や英国をはじめとする西側が技術発展に対して『冷笑主義』に陥っている」と述べた。

彼はAI技術に対する米国の過度な規制を指摘した。ジェンセン・フアンCEOは「米国の各州が推進中のAI関連規制は多いところでは50件にも達する」とし、「我々にはもっと楽観論が必要だ」と強調した。また「(中国では)電気が無料だ」と述べ、「中国が技術企業に支給するエネルギー補助金のため、現地の技術企業はエヌビディアのAIチップの代替品をはるかに安く運用できる」と語った。

一般にエヌビディアの高性能AIチップは演算能力と電力効率の面で中国製チップより優れている。しかし中国がエネルギー補助金を支給すれば、企業が中国製チップを使用してもエネルギーコストが下がるため、エヌビディアチップの利点が消えるということだ。

この発言は、ドナルド・トランプ米大統領が最近習近平国家主席と首脳会談を行った後、エヌビディアの先端『ブラックウェル』チップを中国に販売しないと発表したことの後に出た。米国のAIチップ規制がかえってAI競争で米国を中国に後れさせる結果を招く可能性があると指摘したものだ。

今年に入りジェンセン・フアンCEOは「米国のAIモデルは中国の競合に比べて大きく先んじてはいない」とし、中国が米国技術に依存するほうが望ましいと主張してきた。3月の年次開発者カンファレンス(GTC)では「世界のAI研究者の半分は中国出身だ」と述べている。

◇ 「米国のビザ規制で中国のAI研究者が増えるだろう」

専門家は中国がAI技術で米国シリコンバレーを追い越す可能性を指摘している。米国など西側諸国と異なり、中国はAI学習時のデータに関する規制がほとんどなく、社会全体の資源をAI開発に投入できる。米スタンフォード大学の「AIインデックス」報告によれば、2023年時点で中国は世界のAI論文被引用件数の22.6%を占める一方、米国は13%にとどまった。2014~2023年の生成AI関連特許件数も米国は6276件、中国は約3万8000件に上る。

AI研究分野の学者数の差も米中で縮まっている。ホワイトハウス国家経済諮問委員会(CEA)によれば、世界最高水準のAI研究者の米国内比率は2019年の59%から2022年には42%に低下した。トランプ政権の外国人規制政策によりこの比率はさらに低下する可能性がある。米国の専門職(H-1B)ビザ保有者規制により、米国内の中国出身AI研究者が中国に戻るという見方もある。

中国が既に『オープンソース(開放型)AIモデル』で米国を追い越したという分析もある。ベンチャーキャピタルのエアストリートキャピタルの報告によれば、中国は今年に入りアプリ市場でのAIモデルダウンロード数が累計5億4000万件で米国(4億7000万件)を上回った。DeepSeekなどが人気を集めた影響だ。

中国のAI技術は今後、中国の強力な製造業と結びついて相乗効果を生む可能性がある。中国の電気自動車メーカー、シャオペンは6日、独自開発したAIチップを搭載したロボタクシー(無人タクシー)やヒューマノイドロボット、フライングカーなどを来年に発売すると発表し、自社の自動運転機能がテスラ車より優れていると述べた。

ドイツのフォルクスワーゲンは自動運転機能の高度化のため、自社のAIチップを中国のソフトウェア企業ホライズン・ロボティクスと共同で開発することにした。

キム・ドンヒョン/イ・ヘイン 記者 3code@hankyung.com

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