概要
- マイケル・バーリーはビッグテック企業がデータセンター機器の耐用年数を人為的に延ばして減価償却費を過少計上していると指摘した。
- 減価償却が実際より過少に反映されればエヌビディアとビッグテック業界は資金余力の低下やAI需要の減速など直接的な打撃を受ける可能性があると述べた。
- 一方でビッグテック企業は旧世代GPUの多用途利用を挙げ、5〜6年の耐用年数は妥当だと反論していると伝えた。
『ビッグショート』のマイケル・バーリーが火を付けたAI投資減価論争
毎年新製品…既存機器の価値が『ガクッ』
グーグル・MS、耐用年数を3年→6年に延長
"人為的に寿命を伸ばして損失を隠している"
"空売り勢力の臆測にすぎない"という主張も
"クラウド・科学シミュレーションなど
AI半導体は他用途にも使われる"
2008年の金融危機当時に大規模な空売りで有名になったヘッジファンド投資家マイケル・バーリーは10日(現地時間)、ビッグテックが人為的にデータセンターの耐用年数(会計上の使用期間)を延ばして減価償却費を歪めていると主張した。最近エヌビディアを空売りしている彼が今回はエヌビディア半導体の主要顧客であるビッグテックを標的にした形だ。
◇"耐用年数を3年に戻せば時価総額1100兆ウォンが消える"

バーリーはこの日、グーグルの親会社アルファベット、アマゾン、オラクル、マイクロソフト(MS)、メタの5社が最近5年間に公表したネットワーク・コンピューティング機器の耐用年数の変更を示し、"耐用年数を人為的に延ばして減価償却を下げることは現代社会で最もよくある詐欺の一つだ"と批判した。グーグルとMSは2020年に3年だった耐用年数を今年6年に、メタは3年から5年6か月に延ばした。バーリーはこれを根拠にして"これらは2026〜2028年の間に減価償却費を1760億ドル(約256兆ウォン)過少計上するだろう"と診断した。
これはエヌビディアが毎年人工知能(AI)チップの新製品を投入することで既存機器の価値が急速に低下する現実を狙ったものとみられる。エヌビディアは昨年から従来の最新グラフィックス処理装置(GPU)投入周期を18〜24か月から1年に短縮した。今年は『ブラックウェル・ウルトラ』を投入し、来年は『ルビン』、2027年に『ルビン・ウルトラ』、2028年に『ファインマン』などとアップグレードする計画だ。演算速度はブラックウェル(10ペタフロップス)からブラックウェル・ウルトラ(15ペタフロップス)へ移行すると1.5倍、ルビン(50ペタフロップス)にアップグレードされると3.3倍に改善される。投資業界関係者は"機械装置等の減価償却を製品の投入周期と必ずしも連動させる必要はない"としつつも、"バーリーの主張は技術サイクルの速い産業で減価償却の延長を過度に適用すると利益の過大計上リスクが大きいことを強調したもの"と解釈した。
◇"旧世代GPUも十分に活用できる"
バーリーの主張どおり減価償却が反映されればエヌビディアはもちろんテック業界に直接的な打撃が避けられない。最近資金が不足して社債を発行し、ベンダーファイナンシング(VF)まで活用しているビッグテックの資金余力が縮小する可能性があるからだ。エヌビディアを頂点とするAIバブルが需要減速でしぼむ可能性があるというわけだ。
先に英バークレイズ銀行はアルファベット、メタ、アマゾンの3社のネットワーク・コンピューティング機器の耐用年数を3年に戻すと1株当たり利益(EPS)が5~10%減少すると予想した。続いてエコノミスト誌も同じ基準をオラクル、MSまで含む5社に適用して年間税引前総利益が260億ドル(約38兆ウォン)、時価総額は7800億ドル(約1100兆ウォン)減少すると分析した。
このような論争はAIチップ供給者であるエヌビディアと需要者であるビッグテックの利害が対立し得ることから生じた。オープンAIもこのような懸念に共感を示した。サラ・フライヤー オープンAI最高財務責任者(CFO)は5日にあるイベントで"我々は常に最先端のチップを望むが、今はコンピューティング資源が限られており6〜7年使われた(エヌビディアの)A100レベルのAIチップを使用している"とし、"開発サイクルが短くなると資金調達がはるかに難しくなる"と述べた。現在赤字状態のオープンAIはエヌビディアから資金を受け、再びエヌビディアのAIチップを購入する契約を9月に結んだ。
しかしバーリーの主張が空売りを実現するための臆測だという反論も出ている。ビッグテックはAI学習以外にもGPUを多用途で活用するため5〜6年の耐用年数が妥当だという理由からだ。演算性能に優れたAIチップはAIモデル開発のための『学習』に使われた後、実運用での『推論』に再利用されるケースが多い。
技術投資家リチャード・ザックはこれを"ゲーム用ノートパソコンを家族に回してメールなどの文書作業に使わせるのと同じだ"と比喩した。またグーグル、アマゾン、MSなどは旧世代GPUをクラウドデータベース、科学シミュレーション、ビデオのトランスコーディング(ファイル形式変換)など自社事業の多様な用途に活用している。
シリコンバレー=キム・インヨプ特派員 inside@hankyung.com

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