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AI投資を拡大するメタ・OpenAI…複雑化する資金調達構造 [拡大するAIバブル論争]

ソース
Korea Economic Daily

概要

  • メタ、OpenAI、xAIなどはAIインフラ投資拡大のために 複合型金融構造過度の借入 および 債券発行 を活用していると伝えた。
  • 投資家は 賃料ベースの収益 や資産価値上昇の期待など様々な方式で収益を追求しているが、こうした構造の複雑性と債務増加は将来の 市場の負担要因 になり得ると指摘した。
  • 専門家らは現在の AI投資ブーム が過度の バブル につながるリスクがあり、AIブームが収束した場合、関連資産と金融市場が最初に揺らぐ可能性があると警告した。

メタ・OpenAI・xAI…AI投資のためにフランケンシュタイン型金融を披露

過度の借入と債券発行は将来負担になる可能性も

写真=Mijansk786/シャッターストック
写真=Mijansk786/シャッターストック

米ウォール街は人工知能(AI)インフラ投資ブームの中で、これまでにない資金調達手法を次々と打ち出している。メタ、OpenAI、xAIなど巨大テクノロジー企業がAIデータセンター建設に数十億ドルを注ぎ込むなか、投資銀行やプライベートエクイティはリスク分散と収益最大化を同時に狙った「複合型金融構造」を設計している。しかし複雑な金融構造と過度の借入や債券発行は、AIブームが終息した際にAI関連企業や金融市場に負担として返ってくる恐れがあるとの懸念も出ている。

賃貸と保証を組み合わせた「フランケンシュタイン金融」

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は11日(現地時間)、メタ、OpenAI、xAIらがAI投資のために複雑な資金調達構造を受け入れている点を集中報道した。

最も目立つ例はルイジアナ州で建設中のメタの超大型データセンター「ハイペリオン」プロジェクトだ。この事業はプライベートエクイティ(PE)、プロジェクトファイナンス、社債を結びつけた複合金融構造で、市場では「フランケンシュタイン金融」と呼ばれている。

メタはすでにAI投資拡大で債務が急増している状況で、直接借り入れる代わりに合弁会社「ビニェ・インベスター」を設立して資金を迂回調達した。

ブルーオウル・キャピタルは約30億ドルを投じて80%のプライベート持分を取得し、メタは既に投入した13億ドルで20%の持分を維持した。

この合弁会社はその後、2049年満期の債券270億ドルを発行し、そのうち180億ドルをピムコが買い入れた。債券利率は年6.58%で、メタの一般社債より約1%ポイント以上高い。

肝心なのは賃貸(リース)構造だ。メタは当該データセンターを「賃借人」として使用し賃料を支払い、その賃料で債券の利息・元本および投資家への配当が支払われる。しかしメタは4年ごとに契約を解除できる権利(オプション)を保有していた。

その代わり、契約を早期終了した場合は投資家と債権者の損失をすべて補償しなければならない「保証条項」が付いていた。つまり会計上は賃借人のように見えるが、実質的にはメタが債務を間接保証する構造だ。

ブルーオウルはこの構造を「債券のような安定的な収益(固定収益リスク)に、株式のような高い利益可能性を組み合わせた投資モデル」と評価した。ブルーオウルはメタの安定した賃料を基に利息収益を得つつ、データセンターの価値上昇時には株式型の収益も期待している。

賃料が貸出返済の原資

2つ目の事例はチャットGPT開発企業OpenAIとオラクル、そして孫正義が率いるソフトバンクが共同で推進する「スタゲート」データセンタープロジェクトだ。この事業の金融取引名は「ジャカード」と呼ばれる。すなわち、スタゲートがデータセンター事業名、ジャカードがその建設資金調達(ファイナンス)取引名である。

データセンター開発・運営専門会社のヴァンテージ・データ・センターズがテキサスとウィスコンシンにそれぞれ380億ドル規模のデータセンターを建設しており、オラクルはここに15年の長期賃貸契約を締結した。最終的な使用者はOpenAIだ。

しかしOpenAIは直接借入能力が不足しており、オラクルもビッグテックの中では信用格付けが低い方だ。

そこでJPモルガン・チェースと三菱UFJ(MUFG)が取りまとめ役を務め、銀行団がヴァンテージにプロジェクトファイナンス貸付を提供した。オラクルはヴァンテージに賃料を支払い、ヴァンテージはその資金を銀行団の貸付返済原資として使用する。つまり「オラクルの賃料 → ヴァンテージ → 銀行団(債権者)」という順で現金が流れる構造だ。

今回の取引には30行以上の銀行が参加し、規模が大きすぎるため一部の銀行はリスク分散のために貸出持分を投資家に再販している。金利は約年6.4%で、オラクルの類似満期の社債より約2%ポイント高い。JPモルガンはこの貸付について比較的小規模な評価会社「クロー」からBBB評定しか得られず、貸出債権担保証券(CLO)組み入れは難しい状況だ。

チップ購入費まで民間信用で賄う

イーロン・マスクが率いるxAIの2つ目の超大型データセンター「コロッサス2」も別の複雑な金融構造が適用された事例だ。

マスクはOpenAIを凌駕することを目標にSpaceXなど他社の現金を動員しているが、NVIDIAチップ30万個を購入するには約180億ドルが必要だ。しかし新興企業であるxAIはこの資金を一度に調達するのが難しい。

そこでマスクはプライベートエクイティのバロ・エクイティ・パートナーズとプライベートクレジット運用会社アポロ・グローバル・マネジメントに協力を要請した。両機関は特別目的会社(SPV)「バロ・コンピュート・インフラストラクチャー」を設立し、この法人が代わりにチップを購入し、xAIはそのチップを一定期間賃借する構造に設計された。

チップの法的所有権は投資家側の法人にあり、xAIは賃料を支払ってこれをデータセンター運営に使用する。この賃料が投資家らが貸付元利金と利子を回収する原資となる。

つまりxAIはチップを所有せず借りて使い、チップを担保とした金融構造が資金調達の核心となったわけだ。

xAIがこのような「チップ賃貸型資金調達」を選んだ理由は、現金流動性確保、資産リスク回避、会計上の利点の三つだ。投資家が代わりにチップを買い、xAIが借りて使えば初期の現金負担を大幅に減らせる。GPUは技術進化が速いため数年後に陳腐化する可能性が高い。

チップ価格が下落すれば損失はチップを所有する投資家側が負担し、xAIは賃料だけ支払えばよいためリスクを外部に移転できる。xAIがチップを直接購入すれば大規模な債務として計上されるが、賃貸方式にすれば会計上は運用費用として処理され、財務諸表上の負債比率が低く見える。

xAIは現金負担とリスクを軽減し、投資家はチップ資産の希少性とAI市場の成長性に賭ける形になる。

ただし一部の専門家は「NVIDIAとその顧客間の循環投資構造がAI資産市場のバブルを育てている」と指摘している。

「AIバブルがはじけた場合、最初に揺らぐだろう」

AIインフラ建設のための超大型金融取引が相次ぐ中、ウォール街には強い興奮と同時に不安も共存している。ピムコのダン・イバスチン最高投資責任者(CIO)はWSJに対して「我々は長期間景気後退を経験しておらず、こうした環境では複雑性と安易さが同時に拡大する」と述べ、「現在市場に流れ込む債務取引の規模は過去の信用サイクル時よりはるかに大きい」と警告した。

ニューヨーク=パク・シニョン特派員 nyusos@hankyung.com

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