トランプ "パウエル 無能だ…次期 Fed 議長は来月発表"

"パウエルの解任を望む…訴訟も可能"

候補にハセット・ワーシュ・ウォラーが挙げられる

ドナルド・トランプ米大統領はジェローム・パウエル米中央銀行(Fed)議長の解任の可能性を再び示唆し、圧力を強めた。関心が集まっていた次期 Fed 議長の候補は来月発表すると述べた。

トランプ大統領は29日（現地時間）、フロリダ州マー・ア・ラゴでベンヤミン・ネタニヤフイスラエル首相と会談した後に開かれた共同記者会見で「その人（パウエル）はただ無能だ」と述べ、「彼に対して訴訟を起こすこともできる」と語った。さらに「彼（パウエル）を解任したい」とし、「まだそれはできる」と述べた。

パウエル議長が政策金利の引き下げに消極的である点に不満を示してきたトランプ大統領は、Fedの建物の改修費が過剰だったとして昨年8月にも訴訟の可能性に言及していた。これは金利引き下げに積極的な後任を、パウエル議長の任期が満了する来年5月より前に就けようとする意図とみられる。

トランプ大統領はこの日「次期 Fed 議長の候補を来月発表する」とも明らかにした。次期 Fed 議長候補にはケビン・ハセット米ホワイトハウス国家経済会議(NEC)委員長、ケビン・ワーシュ前Fed理事、クリストファー・ウォラーFed理事らが挙げられている。この中で有力候補と見なされるハセット委員長は「(Fedは)金利をもっと早く下げるべきだった」と述べ、トランプ大統領と類似の主張を展開してきた。

ただしホワイトハウス内では「大統領と近すぎる」という理由で反対意見も出ていると伝えられる。物価抑制に必要な金融政策の独立性を維持する上で限界があるとの懸念だ。

ベッティングプラットフォームのカルシによれば、当日時点でハセット委員長の Fed 議長指名の可能性は42%と集計された。ワーシュ前理事は33%、ウォラー理事は12%を記録した。

イム・ダヨン 記者 allopen@hankyung.com