概要
- 英国議会の7つの常任委員会の委員長らが、政界における暗号資産による献金の全面禁止を求める公式書簡を政府に提出したと伝えた。
- 英国政府は2025年7月から暗号資産による政治献金の禁止を検討してきたが、近日公表される選挙法改正案から関連条項が外れる可能性が高いとした。
- リフォームUKがビットコインなどの暗号資産による献金やビットコイン準備資産の導入、キャピタルゲイン税の引き下げを掲げ、海外在住の暗号資産投資家から900万ポンドの献金を受けた事実が論争を拡大させたと伝えた。

英国議会の7つの常任委員会の委員長らが、政界における暗号資産による献金を全面的に禁止すべきだとして、政府に公式書簡を提出した。
12日(現地時間)、The Blockが引用した現地メディアの報道によると、英国議会の7つの常任委員会の委員長らは、政界の暗号資産(仮想通貨)による献金を禁止すべきだとする公式書簡を政府に提出しており、今回の要請は、暗号資産が英国の選挙資金の透明性と追跡可能性を損なう恐れがあるとの懸念が高まったことを受けたものだ。
書簡には、リアム・バーン(Liam Byrne)ビジネス・貿易特別委員会委員長を含む計7人の委員長が名を連ねた。委員長らは、暗号資産による寄付が資金源を不透明にし、開示基準未満の少額献金を大量に可能にするとともに、海外勢力による政治介入のリスクまで高め得ると指摘した。バーン議員はガーディアン紙とのインタビューで、「選挙管理委員会も、現在の技術環境ではこうしたリスクを管理するのは極めて難しいと警告してきた」と述べた。
今回の動きは、すでに議論が進んでいる政府内の検討作業に圧力を加える契機となっている。英国政府は2025年7月以降、暗号資産による政治献金の禁止の可能性を内部で検討してきたが、制度設計の複雑さを理由に、近日公表予定の選挙法改正案には関連条項が盛り込まれない可能性が高いと伝えられている。
論争は、昨年、保守系政党のリフォームUK(Reform UK)が英国で初めてビットコインなど暗号資産による献金を受け入れると宣言したことで本格化した。同党代表のナイジェル・ファラージ(Nigel Farage)はこれを「暗号資産革命」の一環と位置づけ、政権獲得時にはビットコイン準備資産の導入とキャピタルゲイン税の引き下げを公約に掲げた。同党はその後、英国で初めて登録された暗号資産による献金を受け取ったとされるが、具体的な金額は公表されていない。
また、昨年末に選挙管理委員会の資料から、リフォームUKがタイ在住の暗号資産投資家クリストファー・ハーバンから900万ポンド(約1200万米ドル)の巨額献金を受けた事実が明らかとなり、論争はさらに拡大した。この献金は法定通貨で提供されたが、ハーバンの資産の相当部分が暗号資産に由来すると伝えられると、労働党と自由民主党は利益相反の可能性に関する調査の必要性を提起した。
英国政界では、今回の書簡を契機に、暗号資産と選挙資金の関係を巡る制度整備の議論が一段と加速すると見込まれている。





