概要
- ブラッド・テネブ氏は、AIが既存の雇用を代替する一方で新たな職種と産業を創出する「雇用の特異点」を引き起こすと述べた。
- 同氏は、AIが個人に大企業並みの能力を提供し、マイクロ企業、1人組織、1人ユニコーン企業の登場を可能にすると伝えた。
- 研究によれば、AIを導入した企業は成長と雇用が増加し、AIの普及により約1億7000万件の新たな雇用が創出されるとした。

ロビンフッドのブラッド・テネブ最高経営責任者(CEO)は、人工知能(AI)が雇用を代替するにとどまらず、新たな職種や産業を大規模に生み出す「雇用の特異点(job singularity)」を引き起こすとの見通しを示した。
15日(現地時間)、ディクリプトによると、テネブCEOは最近行われたTED講演で、AIが個人に対し、これまで大企業だけが享受できた能力を提供することで、労働市場の構造そのものを変えると述べた。テネブCEOは「私たちは雇用創出が急速に加速する曲線上にいる」とし、これを「カンブリア爆発」に例えた。
テネブ氏は「インターネットが世界的な到達範囲を提供したのだとすれば、AIは個人に世界水準のスタッフを提供する」と語った。エンジニアリング、マーケティング、研究、オペレーション、カスタマーサポートなど幅広い領域でAIが役割を担うことで、個人が大規模組織なしでも企業を運営できる環境が整いつつあるという説明だ。
同氏は、こうした変化によりマイクロ企業、1人組織、1人ユニコーン企業が登場する可能性が高まっているとの見方を示した。テネブ氏は「単独の個人が運営するユニコーン企業も、遠からず現実になる」と述べた。
テネブ氏の発言は研究結果とも符合する。2025年10月のMITスローン経営大学院の研究によると、AIを導入した企業は成長ペースが速く、雇用も増やす傾向が見られた。世界経済フォーラム(WEF)は2025年1月の報告書で、AIの普及により約1億7000万件の新たな雇用が創出されると推計した。
ただし、労働市場の不安はなお根強い。2025年2月のピュー・リサーチ・センターの調査では、米国の労働者の過半数が職場におけるAIの影響を懸念しており、約3分の1は長期的に雇用が減ると回答した。
これについてテネブ氏は、技術進歩に伴う職業の消滅と創出は歴史的に繰り返されてきた現象だと説明した。同氏は「狩猟、農業、鍛冶、工場労働など多くの職業が自動化とともに消えたが、人類は常に新たな役割を生み出してきた」と述べた。
テネブ氏は「変化のスピードが過去よりはるかに速いことが不安を増幅させている」としつつ、「人類は不確実な時代にあっても常に意味と目的を見いだしてきた」と述べ、AIの時代も新たな創造の局面になると強調した。





