概要
- ビタリック・ブテリンは、現在のDAO構造が脆弱で少数に影響されやすい形へと変質したとして、根本的に異なる形態の設計が必要だと明らかにした。
- 同氏は、オラクル、オンチェーンの紛争解決、信頼できるリスト管理、短期・長期プロジェクトの遂行などで、DAOが依然として不可欠だと強調したと伝えた。
- ブテリンは、ゼロ知識証明(ZK)に基づくプライバシー、人工知能(AI)、コミュニケーションツールを組み合わせて新たなオラクルとガバナンスを設計することで、イーサリアムの分散性と堅牢性を拡張できると明らかにした。

ビタリック・ブテリン氏(イーサリアム〈ETH〉共同創設者)は、現行の分散型自律組織(DAO)の構造を批判し、根本的に異なる形態のDAO設計が必要だと主張した。
ブテリン氏は19日、X(旧ツイッター)で「DAOは本来、人間の政治や中央集権構造の弱点を補うためのシステムだったが、いまは脆弱で少数に影響されやすい形へと変質した」と指摘した。それでも同氏は、オラクル、オンチェーンの紛争解決、信頼できるリスト管理、短期プロジェクトの実行、長期プロジェクトの維持といった分野で、DAOは依然として不可欠だと強調した。
とりわけオラクルの問題に関連して、同氏はトークンベースの構造がクジラによって操作され得るほか、分散型ステーブルコインやDeFiの中核インフラ全般の信頼性を制約していると指摘した。
ブテリン氏は、DAOが解決しようとする問題の性格に応じてアプローチを変えるべきだとの見方を示した。これを可能にする中核条件として、同氏はプライバシーと意思決定負担の軽減を挙げた。プライバシーが不足すればガバナンスが社会的圧力の構造へ転化し、頻繁な投票は長期的な参加の継続性を損ない得るという。
技術的な解決策としては、ゼロ知識証明(ZK)に基づくプライバシー、人的判断を補助する人工知能(AI)、合意形成に特化したコミュニケーションツールの組み合わせを提示した。ただし、AIがDAOを代替すべきではなく、人間の意図を拡張する役割にとどまるべきだと線を引いた。
ブテリン氏は「新たなオラクルやガバナンスを作ろうとするプロジェクトであれば、技術だけでなくコミュニケーションの構造も中核課題として扱うべきだ」としたうえで、「そうしてこそ、イーサリアムの分散性と堅牢性が、その上に構築される世界へと拡張され得る」と述べた。





