概要
- トランプ政権がイラン産原油を運ぶタンカーの追加拿捕による原油輸出封じ込めを検討したものの、報復と原油急騰への懸念から見送ったと伝えた。
- イランの報復で中東における石油輸送船の拿捕やホルムズ海峡の危機が起きれば、国際原油価格の急騰と政治的波紋が拡大し得ると述べた。
- それでも3月渡しのWTIは1バレル当たり63.96ドルで、足元も64ドル近辺で横ばいとなり、地政学的緊張にもかかわらず原油価格の変動は限定的だったと伝えた。
イランの報復の可能性が高い
原油急騰なら米国内で政治的波紋を懸念
WTIは64ドル近辺で取引

ドナルド・トランプ米政権がイラン産原油を運ぶタンカーの追加拿捕を検討したものの、イランの報復を懸念して見送ったと伝えられた。今週の国際原油相場は横ばいで推移している。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は10日(現地時間)、関係者の話として、イランの報復の可能性が極めて高く、世界の原油市場への影響を踏まえ、イランのタンカー拿捕計画を実行に移していないと報じた。
これに先立ち米国は、ベネズエラ封鎖措置の一環として、直近2カ月間にイラン産原油を積んだ船舶を押収した。いわゆる「影の船団」と呼ばれるタンカーが対象だ。これらの船舶は、制裁対象国の原油を中国などへ輸送している。
WSJによれば、トランプ政権はイランで原油を積み込む制裁対象船舶の活動を追加で遮断し、イランの主要な収入源である原油輸出を封じ込める案を検討している。昨年12月にベネズエラで実施した戦略を拡大する形だ。
米財務省は今年に入り、イラン産原油を運ぶ船舶20隻を制裁対象に指定した。これらの船舶は、潜在的な拿捕対象となり得る。
イランへの軍事攻撃ではなく経済的孤立を深め、核計画を巡る合意を引き出す狙いとみられる。米政府は、対イラン軍事作戦を実行すればイラン政権に打撃を与え得る一方、政権そのものを替えるのは難しいと判断している。
ただ、ホワイトハウス内部では、この方策がもたらす反動を懸念する声が大きいと伝えられた。イランが報復措置に出る可能性が高いためだ。例えばイランが中東で米同盟国の石油輸送船を拿捕したり、ホルムズ海峡に機雷を敷設したりすれば、原油価格が急騰し得る。WSJは、ホワイトハウスが原油急騰に伴う政治的影響を懸念していると指摘した。
トランプ大統領は外交的解決と軍事介入という2枚のカードを天秤にかけている。この日、トランプ大統領はアクシオスのインタビューで「来週、米国とイランの第2回核協議が開かれる見通しだ」とし、「合意をまとめるか、前回のように非常に強力な措置を取らなければならない」と語った。
イラン周辺での軍事資産の配備を強化する可能性にも言及した。トランプ氏は「艦隊の一つが向かっており、別の艦隊も追加投入され得る」と強調した。交渉が決裂した場合、武力介入に踏み切るとの発言と解釈される。
一方で、外交的解決の可能性も残した。トランプ氏は「我々はイランと素晴らしい合意を結べる」と述べ、イランが「交渉を非常に切望している」と主張した。昨年6月の米国によるイラン核施設攻撃のように、米国が実際に軍事作戦を実行し得ることをイランに示したため、今回は状況が違うという。
この日、3月渡しの米WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は前日比0.4ドル(0.62%)安の1バレル=63.96ドルで取引を終えた。足元のWTIは1バレル=64ドル近辺で推移している。ブルームバーグ通信は「地政学的緊張にもかかわらず原油価格の動きは大きくなかったが、米国の原油在庫増加分を相殺した」と分析した。
ハン・ミョンヒョン記者 wise@hankyung.com

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