米下院、「カナダ関税撤廃」決議…暴走するトランプ氏に歯止め[李相恩のワシントン・ナウ]

出典
Korea Economic Daily

概要

  • 米下院が、共和党の離反票を伴いカナダに対する25%関税賦課の撤回決議案を可決したと伝えた。
  • 決議案が上下両院を通過しても、トランプ大統領が拒否権を行使することが確実視され、議会がこれを無効化するのは現状の構図では不可能に近いとした。
  • 共和党内で関税政策への不満が強まる中、追加でブラジルを対象とする関税撤回決議案の採決も予告されていると伝えた。

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Photo=Shutterstock
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ドナルド・トランプ米大統領のトレードマークである関税政策を巡り、米議会内で反発の動きが広がっている。関税政策による物価上昇への懸念や、同盟国に対する過度な圧力が招く反発への懸念などを背景に、共和党内の離反票が増加し、関税政策の撤回を求める決議案が議会で相次いで可決されている。中間選挙を控え、世論に敏感な議員が、トランプ大統領の追認役を務めることを次第に拒む空気が鮮明になっている。

決議案が上下両院を通過しても、トランプ大統領が拒否権を行使して無力化できるが、トランプ大統領の指導力はすでに政権発足当初より弱まったとの評価も少なくない。

トランプ氏「深刻な代償」示唆

米下院は11日(現地時間)、トランプ大統領によるカナダへの25%関税賦課を撤回するための決議案を可決した。民主党議員が提出した決議案に共和党議員6人が加わり、賛成219票、反対211票で可決された。現在の下院の構成は共和党218人、民主党214人だ。

これに先立ちトランプ大統領は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の締結国であるカナダに対し、フェンタニルと国境安全保障を理由に25%の関税を課した。USMCA適用品目を除外したことで実効税率はやや低下したが、トランプ大統領は随時、さまざまな理由を挙げてカナダにより高い関税を課すと脅している。

トランプ大統領に公然と何度も異を唱えてきたトーマス・マッシー(ケンタッキー)議員をはじめ、ケビン・カイリー(カリフォルニア)、ドン・ベーコン(ネブラスカ)、ダン・ニューハウス(ワシントン)、ブライアン・フィッツパトリック(ペンシルベニア)、ジェフ・ハード(コロラド)議員が党方針から離反した。一方、民主党のジャレッド・ゴールデン(メイン)議員はこの決議案に反対票を投じた。

トランプ大統領は直ちに反発した。SNSで「下院であれ上院であれ、関税に反対する共和党議員は選挙シーズンになれば深刻な代償を払うことになる」とし、「予備選も含まれる」と書き込んだ。自分の支持がなければ当選は難しいという趣旨だ。

大統領拒否権行使の可能性

下院通過だけで決議案が効力を持つわけではない。上院と下院の双方を通過し、大統領が署名して初めて法的効力が生じる。しかし上院はすでに昨年、類似の決議案を複数回可決した経緯がある。特に昨年10月には、カナダとブラジルに対する関税、普遍的な基本関税などの撤回決議が相次いで可決された。

関税を巡る上院の批判的な流れをこれまで防いできたのは、トランプ大統領の忠実な支持者であるマイク・ジョンソン議長が率いる下院だった。上院の決議案を採決に付さず棚上げし、時間稼ぎをしてきた。

しかし共和党内でトランプ大統領の関税政策への不満が次第に強まり、離反者が6人に達すると、こうした持久戦は不可能になった。共和党指導部はトランプ大統領の関税政策を守るため、関税決議案の採決を数カ月にわたり全面的に遮断する法案を採決に付したが、3人の離反が出て過半数確保に失敗した。

決議案が上下両院を通過した場合、最後の関門は大統領の署名となる。トランプ大統領が署名すれば決議案が実施され、カナダに対する関税措置は根拠を失う。しかしトランプ大統領がこうした決議案に拒否権を行使することは確実視されている。ジョンソン議長は決議案可決後、トランプ大統領が「現状を理解している」とした上で、「(関税)政策は変更されず影響も受けず、大統領が拒否権を行使する」と述べた。議会はこの場合、上下両院それぞれ3分の2の賛成で拒否権を無効化できるが、下院290票および上院67票を確保するのは現状の構図では不可能に近い。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、ベーコン議員は同日、記者団に「原則に基づいて投票した」とし、「ネブラスカにとって甘い提案(懐柔の試み)もあったが、これはネブラスカの問題ではないと答えた」と明らかにした。

民主党は今後数週間にわたり、ブラジルを対象とする関税などの撤回を求める決議案を追加で採決に付す予定だ。少数党議員は通常、下院本会議での採決を強制できないが、トランプ政権が関税政策のため導入した国際緊急経済権限法(IEEPA)の特別条項のおかげで可能になっているとWSJは説明した。

米議会全体がトランプ大統領に反旗を翻す雰囲気にまで至っているわけではない。下院は同日、有権者名簿の確認を強化し郵便登録を廃止するなど、連邦政府が選挙プロセス全般に介入できるようにする共和党法案(SAVE)を賛成218票で可決した。ただし上院で民主党がフィリバスターを用いれば、法案成立を阻止できる。

ワシントン=李相恩特派員 selee@hankyung.com

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