概要
- AMDとメタによる最大6GWのAIインフラ供給契約と、メタに付与した最大10%の新株引受権が、エヌビディア依存を下げる同盟と解釈されると伝えた。
- 今回の契約により、推論中心のMI450チップを軸とするサプライチェーン多角化と、メタの交渉力向上が見込まれ、エヌビディアとの価格交渉構図が変化する可能性が提起されたと明らかにした。
- 中国メディアはこれをAMDのエヌビディア追撃戦と評価する一方、TSMCの生産能力によるマージン変動要因や、AMDの自前需要創出が難航する可能性への懸念も出ていると伝えた。
AMD・メタ、AIインフラ供給契約
サプライチェーン多角化・エヌビディア依存↓
AI競争構図、「学習」から「推論」へ
エヌビディア相手の交渉力向上に注目
中国メディア、契約締結を「注視」

AMDとメタが最大6ギガワット(GW)規模の人工知能(AI)インフラ供給契約を締結した。これによりAMDは、MI450アーキテクチャに基づくカスタムInstinctグラフィックス処理装置(GPU)と第6世代EPYC中央処理装置(CPU)、Heliosラックスケールアーキテクチャを軸とする初回1GW分を今年下半期から出荷する。このプラットフォームにはROCmソフトウェアスタックが適用される。
業界内外では、AMDがメタに最大1億6000万株規模の新株引受権を付与した点に注目が集まっている。これはAMDの発行済み株式全体の約10%に相当する。メタの実際の製品購入量や株価などの条件に応じて、AMD株を1株当たり0.01ドルで購入できる新株引受権を段階的に付与し、協業関係を「同盟」水準へ引き上げたとの見方が出ている。米ビッグテック企業同士の協力が強まるなか、中国など競争国ではAIインフラ覇権争いで自国企業が不利な環境に置かれることを懸念する空気も感じられる。
AMD・メタ、AIインフラ協力…推論中心でサプライチェーン多角化
AMDは24日(現地時間)、メタと6GW規模のAIインフラ供給契約を結んだと発表した。関連業界ではこのニュースが伝わると、エヌビディア依存が分散し始めたとの声が相次いだ。マーク・ザッカーバーグメタ最高経営責任者(CEO)は同日、「これはメタが計算資源を多角化するうえで重要な段階だ」とし、「AMDが今後数年間にわたり重要なパートナーになることを期待している」と述べた。
メタは先月17日、エヌビディアから数百万枚規模のGPU・CPUの供給を受ける契約を締結した。グーグルとはAIチップであるテンソル処理装置(TPU)の供給案も協議し、自社チップも開発中と伝えられている。AMDとの契約締結と同時に出たザッカーバーグCEOの発言は、特定企業への集中を意図的に抑えるという意味合いだと解釈された。
マット・ブリッツマン(Hargreaves Lansdown)のシニア株式アナリストは「メタは供給を確保し、単一サプライヤーへの依存を減らすことで、チップ不足によってAI事業の拡大が滞らないよう必要なあらゆる措置を講じている」と分析した。
メタがAMDに接近したもう一つの理由は、今回の契約が「推論」に焦点を当てている点にある。近年の競争構図は、単にAIモデルを学習させる「GPU戦争」にとどまらない。世界中のユーザーに提供される推論インフラが、データセンター投資の中核として浮上した。推論に最適化されたMI450チップは、エヌビディアの次世代プラットフォーム「Vera Rubin」との競争を予告している。
ザッカーバーグCEOは「効率的な推論コンピューティングを展開し、パーソナル・スーパーインテリジェンスを提供するため、AMDと長期的パートナーシップを結んだ」と強調もした。メタはパートナー企業から供給を受けたハードウェアを「メタ学習・推論アクセラレータ(MTIA)」プログラムと組み合わせている。
中国、「エヌビディア追撃戦」に注目…交渉構図への影響観測も
中国メディアは今回の契約を「AMDのエヌビディア追撃戦」と表現した。智通財経網は「このパートナーシップは、AMDが業界リーダーのエヌビディアと正面から競争することを意味する」とし、「一部投資家がAI投資バブルを懸念しているにもかかわらず、世界のハードウェア支出が加速していることを示している」と診断した。
業界の一部では、今回の契約を「追撃戦」と描く中国メディアの報道姿勢について、「自国企業がAIインフラ競争で後れを取る可能性があるという警鐘を鳴らす意図」との解釈も出ている。
メタにとっては交渉力を高める足掛かりになる。オープンAIの場合、グーグルとのTPU契約締結だけでエヌビディアGPUの価格を30%低く交渉できたと伝えられている。メタもAMDとの契約後、エヌビディアとの価格交渉で有利な立場を占められるとの見方が成り立つ。
「チップ+持分」結合に「自前需要創出が難航する可能性」懸念も
今回の契約により、AIアクセラレータを巡る競争構図はチップ性能を超え、顧客別に最適化した「システム供給能力+ソフトウェア生態系+金融」という構造へ拡張したとの評価だ。技術面では、競争の軸が学習から大規模推論へと一段と高度化したとの分析である。
一方で、「チップ供給+持分」を結び付けた供給方式が懸念を呼び得るとの指摘も提起された。ブリッツマンは「AMDにとって今回の買収は次世代AIハードウェアへの信頼を示すものだが、10%の持分を手放さなければならないという事実は、AMDが自前の需要創出に苦戦している可能性を示唆する」とみた。
台湾TSMCの生産能力次第でマージンが左右され得るとの観測も出ている。ITメディアのテックジンは「AMDもエヌビディアもTSMCでチップを製造しているため、台湾のチップメーカーの生産能力が決定的な要素だ」とし、「供給が制約されるならマージンは引き続き高いだろう」と見通した。
メタは自社試算に基づき、今年のAIインフラ投資など資本支出(CAPEX)が最大1350億ドルに達するとの見通しを示した。リサ・スーAMD CEOは「Instinct GPU、EPYC CPU、そしてラック規模のAIシステムを網羅する今回の複数年にわたる世代間協力は、メタのワークロードに最適化された高性能でエネルギー効率の高いインフラを提供するためのロードマップを整合させ、業界最大規模のAI構築を加速させるとともに、AMDをグローバルAI構築の中心に位置付けるだろう」と述べた。
キム・デヨン 韓経ドットコム記者 kdy@hankyung.com

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