概要
- 暗号資産など仮想資産所得課税制度は、海外資産の情報把握に限界があり、事実上の実施が難しいとの指摘が出ている。
- CARF非参加国の取引所と分散型金融(DeFi)を巡る課税の空白により、課税の公平性を損ない資金流出を招く懸念が大きいとした。
- ステーキング、レンディング、エアドロップ、ハードフォーク、NFTなど主要な収益類型の課税基準が固まっていないなか、宋院内代表は仮想資産所得税の全面的な再検討と廃止を求めた。
期間別予測トレンドレポート


宋彦錫・国民の力院内代表が国税庁資料を公開
海外課税は困難 中国やロシアに加え米国も現時点で不可能
国内投資家だけが負担 課税の公平性が崩れる懸念

政府は暗号資産など仮想資産の所得課税制度を導入したが、海外資産の情報把握に大きな穴があり、事実上の実施は難しいとの指摘が出ている。
宋彦錫(ソン・オンソク)・国民の力院内代表は7月10日、「国税庁資料によると、暗号資産情報交換規定(CARF)に参加する56カ国以外の国の取引所で発生した収益は把握が難しいことが分かった」と明らかにした。課税の公平性を損ない、資金流出を招く懸念が大きいとも指摘した。2026年1月に施行予定の仮想資産所得税を巡っては、主要な収益類型に対する課税基準もなお定まっておらず、不確実性を高めていると問題視した。
国税庁は、海外取引所を通じた所得への課税でも実効性に限界を抱える。暗号資産情報交換の枠組みであるCARFへの参加国は、日本やドイツなど56カ国にとどまる。中国(香港は含む)やロシアなどが加わっておらず、課税の空白は避けられない。アップビット(Upbit)、ビッサム(Bithumb)、コインワン(Coinone)などの取引所を通じた中央集権型金融(CeFi)と異なり、取引所を介さない分散型金融(DeFi)には課税基準がないことも分かった。宋氏は、DeFiが事実上の課税の死角にとどまる可能性が大きいとみる。
こうした状況で仮想資産所得税の徴収が始まれば、国内取引所の利用者だけが対象になりかねない。海外取引所やDeFiに移った投資家は課税を回避する可能性が高く、税負担の公平性を損なう恐れがある。国内取引所の利用者が課税の及ばない領域に移る可能性もある。暗号資産市場分析プラットフォームのディファイラマ(DefiLlama)によると、4月9日時点の世界のDeFi預かり資産は949億3200万ドルだった。
細部の課税基準もなお固まっていない。ステーキング(預け入れ報酬)、レンディング(貸与)、エアドロップ(無償配布)、ハードフォーク(ソフトウエア更新)、NFT(非代替性トークン)など主な仮想資産収益の類型について、課税基準と範囲、取得価額、原価算定方式を巡り、当局は海外の立法例や専門家の意見を集約している段階だ。
宋院内代表は「5年の猶予期間があったにもかかわらず、課税基準すら整えられなかったのは、そもそも制度の実現可能性自体が乏しかったことを傍証するものだ」と強調した。「金融投資所得税がすでに廃止された状況で、仮想資産にだけ課税を維持するのは公平性に反する」とも語った。政府に対し、1300万人の投資家と国内の仮想資産市場を守るため、仮想資産所得税を全面的に再検討し、廃止すべきだと求めた。
イ・ヒョンイル記者 hiuneal@hankyung.com

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