米、ホルムズ海峡を「逆封鎖」 未承認船は拿捕対象

出典
Korea Economic Daily

概要

  • 米国はホルムズ海峡封鎖とイラン港湾への拿捕警告を通じ、イランの原油輸出と戦費調達を断つ方針を示した。
  • この措置により、日量185万バレルのイラン産原油の供給に支障が出るとの懸念が強まり、国際原油相場は再び1バレル100ドルを上回った。
  • 封鎖が長期化すれば、原油の供給難世界経済への悪影響、イランの報復攻撃の可能性が高まり、高リスクの消耗戦になりかねないとの懸念がある。

期間別予測トレンドレポート

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イランの資金源遮断で圧力

トランプ氏、次の協議で主導権狙う

写真:Shutterstock
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米国は4月13日、イランの港湾封鎖に踏み切った。イランの資金源を断ち、次の平和協議で主導権を握る狙いとみられる。

中東地域の米軍を管轄する米中央軍は4月12日、ホルムズ海峡とペルシャ湾一帯を航行する船舶に対し、「承認なく封鎖区域に進入するすべての船舶は、阻止、回航、拿捕の対象になる」と警告した。「イランと無関係の船舶には自由な通航を認める」としたものの、結果として海峡の通航は全面的に止まる格好となった。開戦後はイランが許可した船舶に限って通航できたが、今後はそれも拿捕などで阻止されるためだ。

これに対しイランは、「ペルシャ湾とオマーン湾のいかなる港も安全ではない」として、湾岸地域の米同盟国を威嚇した。報復手段として「まだ使っていない別のカードを切ることもできる」とも表明したが、実際の攻撃には踏み込まなかった。次の平和協議をにらんだ主導権争いの色彩が濃い。

トルコとエジプトの外相は、米ホワイトハウスの中東担当特使スティーブ・ウィトコフ氏と、イランのアッバス・アラグチ外相に相次いで電話し、仲介に動いている。海峡の封鎖が続いて原油の供給難が長引けば、世界経済への打撃は大きい。このため米国の封鎖措置は長期化しにくいとの見方もある。イランの港湾封鎖自体が、相手を土壇場まで追い込むドナルド・トランプ米大統領特有の交渉術との受け止めも広がる。

中国などに日量185万バレルの原油を輸出してきたイランは苦境に立たされた。原油販売で賄ってきた戦費の調達も難しくなった。

両国の交渉は岐路に立った。交渉期限を前に劇的な妥協が成立しなければ、先行きを見通せない破局を迎える可能性もある。

供給不安の強まりを受け、国際原油相場は上昇した。4月13日の米WTI先物5月限は約8%高の1バレル104.20ドル、北海ブレント先物6月限は約7%高の101.86ドルとなり、再び100ドル台に乗せた。

「二重封鎖」のホルムズ 米、イラン圧迫で世界経済にも重圧

米、ホルムズを「逆封鎖」 原油再び100ドル台へ

「封鎖解除のための封鎖」と言える。

4月13日の米軍によるイラン港湾封鎖には、複数の狙いがある。海上交通を遮断してイランに経済的打撃を与える一方、事実上ホルムズ海峡を封鎖してきたイランの統制力も弱める意図があるためだ。21時間に及んだ対イラン和平協議で成果を得られなかった米国が、今後の協定交渉で主導権を握ろうとする思惑もうかがえる。

問題は、今回もイランが強く反発し、事態が米国の思惑とは異なる方向に進む恐れがあることだ。イランのモハンマド・バゲル・ガリバフ国会議長は「米国が戦いを仕掛けるなら、われわれも戦う。米国が論理を持ってくるなら、われわれも論理で応じる」と語り、抗戦の意思を示した。

今後の展開次第では、世界経済への悪影響が一段と大きくなる懸念がある。4月7日に宣言された2週間の停戦が崩れる可能性もある。

<自らをイエスになぞらえたトランプ氏> ドナルド・トランプ米大統領は4月12日、自身をイエスとして描いた人工知能(AI)生成画像をSNSに投稿した。/トランプ大統領のSNSより
<自らをイエスになぞらえたトランプ氏> ドナルド・トランプ米大統領は4月12日、自身をイエスとして描いた人工知能(AI)生成画像をSNSに投稿した。/トランプ大統領のSNSより

米、イラン経済の息の根止める構え

米国とイランの戦争後、ホルムズ海峡を通る船舶の往来は大半が止まったが、イランは海峡を自由に利用してきた。エネルギー情報会社ケプラー(Kpler)によると、イランの原油輸出は3月まで日量平均185万バレルに達した。戦争前の3カ月平均より10万バレル多い水準だ。

戦時下でも原油市場の不安をできるだけ抑えたい米政権が、イラン産原油を積んだタンカーの海峡通過を黙認してきたためだ。先月、国際原油相場が一時1バレル110ドルを上回ると、米国は洋上にあるイラン産原油に限って時限的に販売を認める制裁緩和措置を取った。

こうした措置は、イランが原油販売を通じて戦費を確保する結果につながった。関係者によると、イランはブレント原油に対しても上乗せ価格で、中国やインドなどに原油を販売したという。

今回の措置には、イランにより大きな経済的打撃を与えようとするトランプ大統領の意向がにじむ。停戦期間中の交渉で、より多くの譲歩を引き出すためだ。

長期化なら経済への打撃膨らむ

懸念されるのは、イラン産原油の封鎖が国際エネルギー市場の需給をさらに悪化させかねない点だ。イランが輸出する日量185万バレルは、戦争によって国際市場に供給できなくなっている原油日量1300万バレルの約14%にあたる。供給減が広がれば、原油相場の上昇圧力が強まる。

米軍が本格的な封鎖作戦に入れば、戦争目的がイランの核能力除去から、ホルムズ海峡の統制権掌握へと移る可能性がある。海峡沿岸に築かれたイランの陣地の約60%は健在で、米海軍との消耗戦が終わりなく続く恐れがある。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は「今回の封鎖によって、6週間の紛争は海峡掌握を目的とした期限のない作戦に変わる」と指摘した。そのうえで、「イランと世界市場のどちらがより大きな痛みに耐えられるかを試す、高リスクの消耗戦を誘発しかねない」と報じた。

米軍の海峡封鎖は、周辺国に対するイランの報復拡大につながる恐れもある。最も警戒されるのは、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)のパイプラインだ。サウジは、イランの攻撃で被害を受けた送油管について、原油輸送能力が日量約700万バレルまで完全に回復したと最近明らかにした。このパイプラインは、サウジ東部の油田地帯と紅海の間の1200キロメートルを結ぶ。送油施設が再びイランの攻撃を受ければ、ホルムズ海峡を迂回する原油輸送の取り組みも頓挫せざるを得ない。米情報当局者によると、イランは依然として数千発の弾道ミサイルを保有し、地下貯蔵施設内の発射台もかなりの数が使用可能だ。

こうした状況を踏まえ、トランプ大統領はイランの橋や発電所、水処理施設への攻撃を再開し得ると威嚇した。封鎖後の推移によっては、停戦が維持されるかどうかも左右される見通しだ。

ニューヨーク=パク・シンヨン特派員 nyusos@hankyung.com

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