概要
- アーベ(Aave)の総預かり資産(TVL)が約80億ドル急減し、DeFiの流動性リスクが浮き彫りになった。
- ケルプDAOのハッキングで約1億9500万ドルの不良債権が発生し、USDT・USDCプールの利用率は100%%に達した。約51億ドルのステーブルコインも新たな流動性の流入か返済があるまで引き出しにくい状態となった。
- MEXCやアブラクサス・キャピタルなどのクジラによる数億ドル規模の資金流出に加え、AAVE価格が20%%下落し、システムリスクへの警戒感が強まった。
期間別予測トレンドレポート



分散型金融(DeFi)融資プロトコルのアーベ(Aave)で総預かり資産(TVL)が急減し、市場全体の流動性リスクが浮き彫りになった。ケルプDAOのハッキングで流出した資金がアーベでの借り入れに使われたことが響いた。
コインテレグラフによると、アーベのTVLは4月20日までの週末に約264億ドルから186億ドルへ縮小し、約80億ドルが流出した。これに伴い、アーベはDeFi最大プロトコルの地位も失った。
TVL減少の発端は、ケルプDAOから流出した資金の流用だった。ハッカーは約2億9300万ドル相当のrsETHを奪った後、これを担保にAave v3でwETHを借り入れた。この過程で約1億9500万ドルの不良債権(bad debt)が発生した。
その後は投資家の資金引き揚げが相次ぎ、流動性の逼迫が深まった。Aave v3のテザー(USDT)とUSDCの貸出プールの利用率は100%に達し、約51億ドルのステーブルコインは新たな流動性の流入か返済があるまで引き出しにくい状態となった。
オンチェーン分析プラットフォームのルックオンチェーンによると、MEXC取引所とアブラクサス・キャピタル(Abraxas Capital)などの主要なクジラ投資家が、それぞれ4億3100万ドル、3億9200万ドル規模の資金を引き出した。この影響で、アーベのトークンAAVEの価格も約20%下落した。
事態の拡大を防ぐため、アーベはrsETH関連市場を凍結した。wETH市場もイーサリアム(ETH)、アービトラム(ARB)、ベース(BASE)、マントル(MNT)、リネア(LINEA)など主要ネットワークで一時停止した。カーブ・ファイナンス、エテナ(ENA)、BitGo WBTCなど関連プロトコルも一部機能を止めて対応した。
今回の事例は、DeFiプロトコル間の高い接続性がリスク拡散の速度を高めうることを示した。単一のハッキング事故が融資市場全体に素早く波及し、システムリスクにつながりかねない構図が鮮明になった。
一方、今回の事件は、アーベが2025年に導入した「アンブレラ(Umbrella)」セキュリティーモデルにとって初の主要な試金石ともなった。同モデルは自動化された仕組みで不良債権を保護する構造だが、実際の危機局面での対応力にはなお検証の余地がある。

Suehyeon Lee
shlee@bloomingbit.ioI'm reporter Suehyeon Lee, your Web3 Moderator.





