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イラン停戦交渉が再び暗礁 バンス米副大統領がパキスタン入り、進展は不透明

出典
Korea Economic Daily

概要

  • 米国は、ホルムズ海峡を巡る海上封鎖やイラン船の拿捕などを通じ、対イラン圧力を最大水準まで引き上げていると明らかにした。
  • 米国は、ホルムズ海峡での商船の航行再開、少なくとも20年間のウラン濃縮停止、既存の濃縮ウラン在庫の除去を求めていると伝えた。
  • イランは、ホルムズ海峡の統制権維持、全面的な制裁解除、より短い濃縮停止期間を要求しており、交渉妥結の行方はなお不透明だと伝えた。

期間別予測トレンドレポート

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米、ホルムズ通過を試みたイラン船を拿捕

イランは即座に反発、ドローン攻撃を予告

ホルムズの統制権とウラン濃縮期間で隔たり埋まらず

写真:Joshua Sukoff/Shutterstock
写真:Joshua Sukoff/Shutterstock

米国とイランの停戦交渉が再び暗礁に乗り上げた。イランがホルムズ海峡の統制権確保に強い意欲を示すなか、米国はイラン船を拿捕するなど圧力を強めている。核開発計画を巡る両国の溝も埋まっていない。

米交渉団トップのJD・バンス副大統領は4月20日夜(現地時間)、パキスタンに到着し、翌4月21日に協議に臨む予定だ。ただ、イランは米国の要求が過大だと反発し、交渉を欠席する可能性を示唆している。パキスタンが仲介した両国の2週間の休戦は4月21日夜に終了する。

対イラン圧力を最大水準に

写真:Shutterstock
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トランプ大統領は、イランとの2回目の停戦交渉を前に、対イラン圧力を最大水準まで引き上げている。4月19日(現地時間)には自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、イランが合意に応じなければ発電所や橋梁を破壊する空爆を加えると警告した。イランがホルムズ海峡を通過しようとする船舶を攻撃し、当初の休戦に違反したとも主張した。

さらに、オマーン湾で米国の海上封鎖を突破しようとしたイラン船籍の船舶を拿捕したと明らかにした。米国はこれまで20隻超のイラン関連船舶を阻止してきたが、武力を行使したのは今回が初めてだという。

トランプ氏はトゥルース・ソーシャルで、全長約900フィート(約275メートル)で、空母並みの重量を持つ「トゥスカ」というイラン貨物船が海上封鎖の突破を試みたが失敗したと説明した。

そのうえで、米海軍のミサイル駆逐艦スプルーアンスがオマーン湾で同船に停止を求める正当な警告を発したものの、イラン人船員が応じなかったため、米海軍艦が機関室に穴を開けて航行を止めたと付け加えた。現在は米海兵隊が船を確保し、積み荷を調べているとも明らかにした。当該のイラン貨物船が違法活動の前歴を理由に米財務省の制裁対象になっている点にも触れた。

イランも譲っていない。国営通信は、米国が「過度で非現実的な要求」を繰り返し、立場を変え続けていると批判した。生産的な協議を見通せる状況にはないとも訴えた。

船舶拿捕を巡っては、イラン軍を統合指揮するハタム・アルアンビヤ中央軍事本部の報道官が国営メディアを通じ、米軍の発砲は休戦合意違反だとして、近く対抗措置と報復に出ると表明した。米軍艦艇に無人航空機(UAV)攻撃を加えたとも主張した。

米・イラン交渉は平行線

根本的には、ホルムズ海峡の航行再開とウラン濃縮を巡る主張がかみ合っていない。米国は短期的な要求として、ホルムズ海峡における商船の航行再開、少なくとも20年間のウラン濃縮停止、既存の濃縮ウラン在庫の除去を求めている。長期的にはミサイル開発の制限や中東の代理勢力への支援停止も目標に据えるが、現時点では交渉の中核議題には入っていない。

これに対しイランは、ホルムズ海峡の統制権維持、全面的な制裁解除、より短い濃縮停止期間を求めている。このため、交渉妥結の行方はなお不透明だ。

米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、このなかでも最大の争点は依然としてウラン濃縮だと報じた。米国は当初、恒久的な停止を求めていたが、最近は20年間の停止であれば受け入れ可能だとの立場にやや軟化した。2015年のイラン核合意(JCPOA)で濃縮停止期間が10〜15年だったのと近い内容に映る事態を避けたいという政治的な判断がにじむ。

最近は折衷案も議論されている。イランが10年間は濃縮を停止し、その後の10年間は低濃縮ウランの限定的な生産を認める案だ。

両国はまず、基本合意の枠組みにあたる了解覚書(MOU)をまとめ、その後数週間から数カ月かけて詳細な協定を詰める構えだ。

双方に混線も

最近は交渉の進捗を巡る食い違いも続いている。トランプ大統領は4月17日、ホルムズ海峡は完全に開放され、イランが要求の大半を受け入れたと主張した。だがイランはこれを否定し、翌4月18日に船舶攻撃に踏み切った。

イラン国内でも、民政政府と革命防衛隊の温度差が表面化している。革命防衛隊は、外相が海峡開放に言及した直後にこれを打ち消した。ただ、交渉関係者はこうした対立には誇張された面もあり、イランはなお交渉意思を保っているとみる。

もっとも、停戦交渉が前進する可能性は残る。WSJは、イランが過去の交渉でも強硬発言のあとに協議へ加わった前例があると伝えた。トランプ大統領も4月20日、米ニュースサイトのアクシオスのインタビューで交渉結果に楽観的な見方を示した。「感触は悪くない。合意の基本的な枠組みはできている。妥結を完了できる可能性は非常に大きい」と語った。

ニューヨーク=パク・シニョン特派員 nyusos@hankyung.com

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