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運用資産35億ドルの米VCパンテラ「韓国でWeb3投資拡大」
概要
- パンテラ・キャピタルはブロックチェーン資産35億ドルを運用し、韓国を米国に次ぐ重要なWeb3市場と位置づけている。今後は韓国に特化した投資を拡大する方針だと明らかにした。
- マウンダー氏は、韓国のトークン証券法がトークン化事業の道筋を明確にし、機関のWeb3サービス参入と市場開放を促すとの見方を示した。
- パンテラ・キャピタルは、伝統的な金融機関、DeFi、ステーブルコインなどWeb3と接点を持つ幅広い分野を投資対象とし、グローバルネットワークを軸に韓国パートナーとの協力を強化する考えを示した。
期間別予測トレンドレポート


ニハル・マウンダー氏、パンテラ・キャピタルのパートナーに聞く
米国初のブロックチェーン特化ファンドを組成
ポピュラス出資で韓国展開を本格化
「トークン証券法など韓国の制度整備に期待」
「投資先にグローバルネットワークを提供する」

「韓国は米国に次いで重要なWeb3市場だ。パンテラ・キャピタル(Pantera Capital)は今後、韓国市場に特化した投資を拡大する方針だ」
米ベンチャーキャピタル(VC)のパンテラ・キャピタルでパートナーを務めるニハル・マウンダー(Nihal Maunder)氏は4月29日、ブルーミングビットの取材にこう語った。韓国はWeb3の将来にとって極めて重要な役割を担う国になるとも指摘した。
同社はこのほど、企業価値300億ウォン(約31億円)で韓国のWeb3リサーチ会社ポピュラスに出資した。マウンダー氏は、韓国市場の文脈を理解することが投資理由の一つだと説明した。韓国のWeb3エコシステムがどのようにプロダクトを生み出しているのか、深く見ていく考えも示した。
パンテラ・キャピタルは2003年設立の米大手VCだ。2013年には米国初のブロックチェーン特化ファンド「パンテラ・ベンチャー・ファンド(Pantera Venture Fund)」を組成し、暗号資産分野の専門VCとして存在感を高めた。ブロックチェーン関連の運用資産は4月時点で35億ドルにのぼる。初期投資先は約260社あり、このうち25社はユニコーン企業に成長した。ここでいうユニコーンは、企業価値1兆ウォン(約1030億円)以上の未上場企業を指す。
「韓国のトークン証券法案はWeb3市場開放の節目」
マウンダー氏は、韓国向け投資はWeb3企業に限らないと語った。投資対象は伝統的な金融機関から分散型金融(DeFi)まで幅広く見ていくという。
パンテラ・キャピタルはこれまで、多様な業種と規模の企業に投資してきた。ステーブルコインなど、どのような形であれWeb3産業との接点があれば投資対象になり得ると説明した。
韓国のデジタル資産制度化への期待も示した。とくに1月に国会を通過したトークン証券(STO)関連法案に注目しているという。マウンダー氏は、トークン証券法がトークン化事業を進める道筋を明確に示したと評価した。規制とガイドラインが明確になったことで、機関投資家がWeb3に慣れた利用者向けのサービスやプロダクトをつくれるようになったとの認識も示した。
同氏は、これは市場開放に大きな効果をもたらすとみる。トークン証券法については、大きな前進であり重要な節目だと強調した。
韓国市場での強みとして挙げたのはグローバルネットワークだ。2013年から業界で築いてきたネットワークこそ、韓国市場に提供できる最大の価値だと強調した。ネットワークは容易にまねできない資産だとも語った。
あわせて、10年以上にわたり世界のWeb3産業を見てきた経験から、各国の規制変化に対応する戦略的な視点も持つと説明した。事業ごとに適したパートナーやインフラへのアクセスも提供できると付け加えた。
「韓国支社の設立も検討対象」
初期投資で最も重視する要素には創業者を挙げた。パンテラ・キャピタルは、ドル連動型ステーブルコインUSDCの発行元サークル、XRPの発行元リップル、ブロックチェーン基盤の融資会社フィギュアなどへの初期投資家だ。
マウンダー氏は、同社の投資原則は変わらないと述べた。重要なのは、市場で起こり得るさまざまな浮き沈みや変動を乗り越えられる創業者に投資することだという。
そのうえで、優れた創業者を形づくる要素は地域によって異なる可能性があると指摘した。国ごとに信頼できる現地パートナーを確保することが重要だと話した。
暗号資産市場が今後1〜2年で上昇の勢いを取り戻す可能性にも言及した。マウンダー氏は、欧米でもアジアでも世界中のあらゆる機関がWeb3産業に参入していると説明した。一方で、市場にはまだこうした流れが織り込まれていないとの見方を示した。
戦争や人工知能(AI)など、市場の関心を集めるマクロ要因が一定の均衡を取り正常化すれば、機関投資家による採用の流れが市場に反映されると見通した。
韓国支社の設立可能性については、ロードマップ上で検討に値する案件だと答えた。現時点で具体的な計画はないが、可能性は排除していないという。今後は韓国のパートナーとともに複数の案を検討していく考えを示した。

JOON HYOUNG LEE
gilson@bloomingbit.ioCrypto Journalist based in Seoul





