概要
- トランプ大統領は、イラン戦争の終結と合意成立の可能性が極めて高いと強調し、濃縮ウランの搬出とホルムズ海峡を巡る問題で米国の立場が通るとの見方を示した。
- イラン革命防衛隊の発言を受けて原油価格の急落と株式相場の急騰が起きたが、パキスタンの高官は、交渉団が合意成立に期待をかけつつも、双方の立場の隔たりはなお残ると述べた。
- トランプ大統領の「解放プロジェクト」の一時停止の背景には、サウジアラビアなど湾岸同盟国の反発と、サウジの基地・領空の使用を認めないとの通告があったと、米当局者とNBCが伝えた。
期間別予測トレンドレポート


「解放プロジェクト」停止、湾岸同盟国の反発が背景と報道

トランプ米大統領はイラン戦争の終結が近いとして、5月14〜15日に予定する中国訪問前にも合意をまとめられる可能性があるとの見方を示した。5月6日のPBSニュースとの電話インタビューで「戦争が終わる可能性は非常に高い。もし終わらなければ、われわれは再び戻って彼らを激しく爆撃しなければならない」と語った。
来週の訪中前に事態が収束すると思うかとの問いには「可能性はある」と答えた。「そうでなければならないわけではないが、理想的ではある」と付け加えた。記者団に対しても、この24時間でイランと「非常に良い対話」を交わしており、「合意に至る可能性は非常に高い」と強調した。
トランプ大統領は、核協議や濃縮ウランの搬出、ホルムズ海峡を巡る問題で米国側の立場が受け入れられると期待を示した。米国とイランの間で了解覚書(MOU)の取りまとめが近いとアクシオスが5月6日に報じるなか、PBSが濃縮ウランを米国が持ち出すとの報道について尋ねると、「『おそらく』ではない。米国に持ってくることになる」と言い切った。
イランは地下核施設を「長期間稼働させない」とも説明し、「われわれは目標地点にほぼ到達した」と訴えた。
来週の米中首脳会談ではイラン問題が議題に上る可能性がある。戦争が収束せず、ホルムズ海峡の再開放も実現しなければ、トランプ大統領は中国の習近平国家主席にイラン問題での協力を求める可能性がある。中国の対イラン間接支援に触れるのかとPBSに聞かれると、「言及はするだろうが、今回の事態が終結すれば、特に取り上げることもなくなる」と述べた。
イラン産原油の購入代金を決済する中国の銀行を制裁対象に加えるかとの質問には、「合意が成立すれば対イラン制裁を緩和するので、懸念する必要はなくなる」と応じた。
ただ、トランプ大統領の発言が先走っていることをうかがわせる材料も少なくない。ロイター通信は、米国が提示しイランが検討している提案に、核計画の中止やホルムズ海峡の再開放といった核心的な要求が明確に盛り込まれていないと、関係筋の話として報じた。
イラン側の反応も割れている。これに先立ち、イラン革命防衛隊(IRGC)は「侵略者の脅威が終わり、新たな手続きが整備されることで、ホルムズ海峡の安全で安定した航行が保証される」と表明した。これを受け、市場では原油価格が急落し、株式相場が急騰した。
一方、交渉団を率いるモハンマド・バゲル・ガリバフ国会議長はX(旧ツイッター)に「『私を信じてくれ』作戦は失敗した。今度は偽アクシオス作戦に戻る」と投稿し、やゆする姿勢を示した。
イランは5月7日中にも、米国側提案への立場を仲介国パキスタンを通じて示す予定だ。パキスタンの高官はロイター通信に対し、交渉団は合意成立に期待をつないでいるものの、双方の隔たりはなお残っていると明らかにした。
一方、トランプ大統領が5月3日に自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で突然打ち出した「解放プロジェクト(Project Freedom)」を、開始からわずか36時間で一時停止すると表明した背景には、サウジアラビアなど湾岸地域の同盟国の反発があったことが分かった。トランプ大統領は同投稿で、イランとの合意が近いことを理由に挙げていた。
NBCは5月6日、匿名の米当局者2人の話として、サウジ当局者がトランプ大統領の突然の発表に驚きと怒りを示したと報じた。特に、在サウジ米軍機がサウジ国内の基地を離陸し、サウジ領空を通過することを認めないとワシントンに伝えたという。
米国が軍艦を投入してホルムズ海峡の開放を強行すれば、イランはサウジなど周辺国への報復に出ると警告しており、実際に今回の作戦開始後、一部の国への攻撃も試みた。ただ、NBCによると、米国はトランプ大統領のSNS投稿後になって初めて、オマーンやカタールなど主要国に連絡を取った。
ワシントン=イ・サンウン特派員 selee@hankyung.com

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