ECB総裁「ステーブルコインは銀行と通貨政策のリスク」

出典
JOON HYOUNG LEE

概要

  • ラガルド総裁は、ユーロのステーブルコインが短期的に資金調達コストを下げ得る一方、その代償は大きいと述べた。
  • ECBは報告書で、ステーブルコインの広範な導入がユーロ圏の銀行通貨主権に重大なリスクをもたらし得ると警告した。
  • ラガルド総裁は、デジタルユーロの導入と資本市場の統合、安全資産の基盤構築が、ユーロの国際的役割を強化する最善策だと説明した。

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写真:Shutterstock
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クリスティーヌ・ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は、ユーロ連動のステーブルコイン導入に否定的な見方を示した。

ブルームバーグが5月8日に報じたところによると、ラガルド総裁は同日の講演で、ユーロのステーブルコインについて「短期的にはユーロ圏の資金調達コストを下げ、ユーロの国際的な影響力を高める可能性がある」と述べた。一方で「その代償は大きい」と警鐘を鳴らした。

ラガルド総裁は、そのコストはユーロのステーブルコインがもたらし得る短期的な金融環境の改善や国際的な拡大効果を上回ると指摘した。ユーロの国際的な魅力を高める手段としても、ステーブルコインは効率的な方法ではないとの認識を示した。

現在のステーブルコインの大半は米ドルに連動している。利用が急増するなか、欧州でも独自のステーブルコインが必要かどうかを巡る議論が続く。ドイツ連邦銀行(ブンデスバンク)のヨアヒム・ナーゲル総裁は2月、ユーロのステーブルコインの必要性に言及していた。

ECBは2026年3月に公表した報告書で、ステーブルコインの広範な導入がユーロ圏の銀行と通貨主権に重大なリスクをもたらし得ると警告した。とりわけ、ドルなど外貨に連動するステーブルコインはリスクがより大きいとの立場だ。

ラガルド総裁は「欧州の課題は、他の地域で開発された手段を単純に複製することではない」と語った。そのうえで、中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタルユーロの導入を急ぐ一方、ホールセール決済インフラの改善も並行して進めていると説明した。

さらに「最善の解決策は依然として同じだ」と述べ、貯蓄・投資同盟を通じた資本市場の統合と、長期的にはユーロの国際的な役割に見合う安全資産の基盤構築が必要だと付け加えた。

JOON HYOUNG LEE

JOON HYOUNG LEE

gilson@bloomingbit.ioCrypto Journalist based in Seoul
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