期間別予測トレンドレポート


勝訴の戦略
ビッサムの上場廃止判断を代理
発行体の仮処分申請、裁判所が棄却
構造的なセキュリティー脆弱性を迅速に立証

韓国の法律事務所ユルチョンが、暗号資産交換所ビッサムのFコイン上場廃止決定を巡る仮処分訴訟で勝訴した。コイン発行体の構造的なセキュリティー脆弱性を集中的に突く一方、難解なブロックチェーン技術の争点を短期間で解きほぐした戦略が奏功した。
法曹界によると、ソウル中央地裁民事50部(裁判長、イ・サンフン部長判事)は3月、コイン発行体A財団がビッサムコリアを相手取り申し立てた取引支援終了決定の効力停止に関する仮処分を棄却した。ビッサムは2025年12月、ハッキングで既存流通量の54倍にあたる約879億枚の偽造Fコインが発行されたことを受け、2026年2月の審査を経て上場廃止を通知した。発行体側は仮処分で対抗したが、裁判所はビッサムの判断を支持した。
ビッサム側を代理したユルチョン(イム・ヒョンジュ、チョ・ヒウ、ソ・イェリムの各弁護士)の戦略は大きく二つだった。まず、発行体が独自開発したプログラミング言語の設計上の欠陥を掘り下げ、大量の偽造コインの複製と無断発行が構造的な脆弱性に起因すると立証した。発行体側は、10億枚超の偽造コインが流入した後、市場でコインを買い入れて焼却し、被害拡大を防いだと主張した。これに対しユルチョンは、約5000万枚は回収されないままだったと反論した。事後対応も相場急落後に実施されており、実質的に投資家被害を回復したとはいえないと退けた。
仮処分事件特有の時間との戦いへの対応も勝訴を後押しした。効力発生まで2〜3週間しかない厳しい日程のなか、ユルチョンは2〜3日おきに来る書面提出期限に対応し、膨大な技術立証の書面を相次ぎ提出した。1回しか開かれなかった審問では、ブロックチェーンシステムの弱点とビッサムの措置の妥当性を明確に説明し、裁判部の心証形成を固めた。
裁判部は「ハッキング発生前から構造的脆弱性が存在していたとみる余地があり、相場が大幅に下落した状況で被害が補填されたとみるのは難しい」と指摘し、ユルチョン側の主張の大半を受け入れた。ビッサムが事前に複数回の疎明機会を与えていたため、手続き上の瑕疵もないと判断した。
ユルチョンのチョ・ヒウ弁護士(弁護士試験8回)は「セキュリティー事故によるコイン価格下落に伴う投資家被害も、トークン運営主体が賠償すべき損害にあたると確認した判断だ」と述べた。そのうえで「投資家保護に向けた交換所の自主的な上場廃止審査権限を確認した意義もある」と強調した。
チョン・ヒウォン記者 tophee@hankyung.com

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