概要
- アメリカ政府がイランに2週間の協議期限を示し、最大圧力戦略を続けていると伝えられました。
- アメリカとイランが核プログラム協議を進めているが、トランプ大統領の要求が受け入れられるかは不透明とされました。
- 協議が失敗した場合、中東地域の地政学的リスクやイランの核兵器開発可能性が高まる恐れがあると伝えられました。

アメリカ政府はイランに2週間の協議期限を設定しました。イランが自発的に核プログラムを放棄し、アメリカの要求通り「降伏」することをドナルド・トランプ大統領は望んでいます。イラン国内の反応は二つに分かれています。表向きには決死抗戦を主張しながらも、アメリカと交渉を模索する動きも見られます。しかしトランプ大統領の意向通り、イランが即座にアメリカの要求を受け入れるかは保証できません。むしろイランの核兵器開発決断を促す可能性も指摘されています。
○「協議の可能性は高い」
キャロライン・レビット ホワイトハウス報道官は19日(現地時間)、定例記者会見でトランプ大統領が「近い将来に起こるかもしれないし、起こらないかもしれないが、イランとの協議の可能性が高いと考え、今後2週間以内に攻撃に踏み切るかどうかを決定する」と述べたと伝えました。
アメリカはイランの主要な戦争インフラと軍指導部が無力化された今がイラン核問題解決のチャンスだと見ています。リンジー・グラハム上院議員などトランプ大統領周辺の強硬派はバンカーバスター投下を決断するよう大統領に求めています。ニール・ファーガソン スタンフォード大学フーバー研究所研究員は、ヨアヴ・ガラント元イスラエル国防相と共同でフリープレスに寄稿した記事の中で「アメリカの介入は中東の新たな均衡を生み、アメリカのリーダーシップを再確立し、世界経済の安定にも寄与する」とし、トランプ大統領の決断を後押ししました。
ただ、トランプ大統領は17日に攻撃承認まで行いましたが、最終決断を留保しています。中東でアメリカが一方的に政権交代や戦争介入をして毎回問題解決に失敗した経験のためです。「第二のアフガン戦争」「第二のイラク戦争」になることを憂慮する声も大きいです。
地下深くに隠れているフォルドウの核燃料濃縮施設をバンカーバスターで攻撃できるとされていますが、完全な核武装能力の除去には失敗するかもしれません。参戦して最重要目標を達成できなかった場合、余波に耐えきれません。トランプ大統領の中核支持層であるMAGA(アメリカを再び偉大に)勢力が中東紛争への介入に大きく反対していることも重荷です。
○「外交的解決の機会は開かれている」
イスラエルに空爆されて反撃に出ているアヤトラ・アリ・ハメネイ 最高指導者は「戦闘が始まった」とし「容赦はない」と発言しています。同時にイランはアメリカやヨーロッパとそれぞれ核問題について協議も進めています。
20日にはイギリス・ドイツ・フランスの3カ国と核協議を行います。ロイター通信によると、アメリカの調整のもとで行われるこの協議で、欧州外相らはイランの核プログラムが軍事目的でなく民生目的のみで使われるという確かな保証を得ることを協議目標としています。マルコ・ルビオ アメリカ国務長官、スティーブ・ウィットコフ 中東特使に会ったデイビッド・ラミー イギリス外相はこの日「今後2週間は外交的解決を実現できる機会が開かれている」とSNSに記しました。
アメリカとイランの間では非公開対話も続いています。13日のイスラエル空爆後、ウィットコフ アメリカ中東特使とアッバス・アラクチ イラン外相は外交的解決を探るため何度か電話会談を行ったとされています。アラクチ外相は「イスラエルが攻撃を中止すれば報復も止める」とも述べました。
アメリカはイランが自らフォルドウ核施設を使用不能にすることを望んでいます。関係筋はアメリカCBSに「(トランプ大統領にとって)任務を完遂するとはフォルドウを破壊することを意味する」と語りました。
問題は協議でアメリカが望む水準の回答を得られなかった場合、後戻りできないことです。トランプ大統領は以前にもウラジーミル・プーチン ロシア大統領に2週間の期限を与えましたが、ロシアが応じなかったため追加の措置はありませんでした。トランプ大統領の最大圧力戦略が口先介入で止まるケースが増え、信頼性も大きく低下しています。
過度な圧力が続くと逆にイランが核兵器の製造を決断する可能性も浮上しています。ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、アメリカ情報当局はイランがフォルドウ核施設を攻撃されたりアヤトラ・アリ・ハメネイ最高指導者が暗殺された場合、核兵器製造を決断すると見ています。
○イラン、「悪魔の兵器」クラスター弾使用か
イスラエルとイランの武力衝突は日々激化しています。イスラエル軍報道官はこの日、イランのイラク重水炉核施設、ナタンツ核施設、ロシアと共同建設したブシェール原発も攻撃したと発表。続いてブシェール原発への言及は誤りだったと訂正しましたが、実際の攻撃があったかについては肯定も否定もしませんでした。
イスラエルによるミサイル施設への集中的な攻撃で追い詰められたイランは、クラスター弾頭を搭載した弾道ミサイルを発射したと伝えられました。イスラエル軍はこの日午前、イスラエル中部に落下したイランの弾道ミサイルのうち少なくとも1発はクラスター弾ミサイルだったと確認しました。クラスター弾は1つの弾頭内に数十~数百個の小型爆弾が入っており、爆発と同時に四方に拡散する兵器です。民間人・軍人を問わず無差別に殺傷することから「悪魔の兵器」と呼ばれています。非人道兵器と分類されます。
今回の紛争による死傷者は増加しています。イスラエル政府によると前日までにイランの攻撃によるイスラエル国内の死者は少なくとも24人。アメリカ・ワシントンのイラン人権団体によるとイランでは民間人263人を含む少なくとも639人が死亡、1300人以上が負傷したと推定されています。
ワシントン=イ・サンウン特派員/キム・ジュワン記者

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