概要
- キム・ヒョンウ トラベルウォレット代表は、ステーブルコインの導入によって既存の金融システムが大きく変わるだろうと伝えた。
- トラベルウォレットは、デジタルウォレットやビザ決済網との連携を通じて、日常生活や旅行でコインを便利に活用する方法を模索していると述べた。
- ウォンベースのステーブルコイン導入や関連法整備にはまだ課題が残るものの、いずれ新たな市場が開かれるだろうと見込んでいる。
Zoom In - 『第2の起業』を宣言したキム・ヒョンウ トラベルウォレット代表
レッドオーシャンとなった旅行カード市場
コンビニ即時発行などで対応
「食事やお茶を楽しむ日常の消費
ステーブルコインが状況を一変させるだろう」

海外に行く際、現地通貨をたくさん用意して行くという『旅行の法則』が、数年前から崩れ始めている。フィンテックスタートアップのトラベルウォレットが初めて出したプリペイド型外貨チャージカードの登場によるものだ。旅行用カードは大手金融会社まで参入したレッドオーシャンになった。トラベルウォレットは、ステーブルコイン時代に備えた『第2の起業』を準備している。
キム・ヒョンウ トラベルウォレット代表は20日、「ステーブルコインによって金融システムの根幹が変わる可能性が大きい」とし、「私たちの社会を支えている銀行口座ベースの送金網、決済網が大きく揺らぐだろう」と展望した。銀行口座に依存しないコインを入れて決済まで便利にできる『デジタルウォレット』を開発するというのがキム代表の構想だ。彼は「海外で手数料なしで便利に決済できるのは私たちが最も得意とする分野だ」とし、「コインを日常生活や旅行で便利に使えるよう、ビザ(VISA)決済網との連携方法を検討している」と語った。
海外ではビザやマスターカード、ペイパルなどグローバル決済事業者がこぞってステーブルコインを導入している。韓国でステーブルコインで食事代やコーヒー代を支払うには、まだ道のりが遠い。電子金融取引法などの関連法が整備されておらず、ドルではなくウォンベースのステーブルコインもまだ黎明期だ。しかし「いつかは必ず訪れる未来」だというのがキム代表の揺るがぬ信念だ。
彼は高麗大学経済学科を卒業後、サムスン資産運用、国際金融センターなどで為替運用の専門家として働き、海外決済の非効率を解決するために2017年にトラベルウォレットを創業した。手数料ゼロのプリペイドカードで旅行者の両替方法を変革した。キム代表は「旅行から帰った後、余った現地の紙幣や硬貨の処理に困っていた経験から始めたサービス」だとし、「デジタルで残った小銭をすぐに次の旅行先の通貨に換えられるという点が注目された」と説明した。
複数の銀行が参入してパイオニアとしてのアドバンテージは薄れたが、トラベルウォレットはまた違った方法で競争力を高めている。キム代表と社員が旅行をする中で感じた不便さや顧客の不満点などが技術開発へとつながった。代表的なのは昨年の夏休みシーズンに初めて始めた『コンビニカード即時発行サービス』だ。専用モバイルアプリでカードを申請し、GS25コンビニでの受け取りを指定すると、2分ほどで実物カードを受け取ることができる。顧客からの問い合わせの半数以上が「カードはいつ配送されますか」だったことに着目したサービスである。関連技術は特許登録した。
キム代表は「カード即時発行技術を開発し実用化するまでに骨の折れる努力が必要だった」と語った。最近ではひとり旅をする消費者向けに、モバイルアプリで旅仲間を探すコミュニティ『ソーシャル』や、友人同士で食事代などを割り勘にする『N分決済』のようなサービスも提供している。海外出張が多いキム代表が、一人で食事を解決することが多いため思いついたアイデアだ。
彼は「テクノロジー企業は手のひらに氷を握っているようなものだ」と改めて強調した。何もせずにいれば、握っていた氷が溶けてしまうように、成功の後すぐに次の収益源を探さなければ淘汰されるというのが彼の持論だ。キム代表は「紙幣や硬貨を財布から取り出すことのない世界、銀行口座がなくてもお金がやりとりできる世界に備えている」と語った。
パク・ジョンピル記者 jp@hankyung.com

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