概要
- 「米国」と「イスラエル」の強い圧力によりイランが停戦に合意したとの分析が示された。
- トランプ大統領はイランに対して核プログラムの完全放棄までを要求すると明言した。
- イランの軍事力の低下と国際社会からの外交的孤立懸念が、投資判断に重要な要因になると伝えられた。
トランプ「イスラエル‐イランの停戦」…12日間の戦争に終止符
米国、「核放棄の『完全な終結』を要求」と圧力
イスラエルはハメネイ暗殺を計画
「ミサイル枯渇」のイラン、反撃能力を喪失
内部反発・外交的孤立から停戦を選択
核プログラムの完全廃棄は不透明

ドナルド・トランプ米国大統領による「イラン体制転換」圧力からわずか1日で、イスラエルとイランが停戦に合意した。米国がバンカーバスターを使用してイランの核施設3カ所を爆撃してから2日後の出来事だ。イランが「米国の力」に屈服したとの分析が出ている。
◇ 25日、正式に停戦開始
トランプ大統領が23日(現地時間)に明らかにした停戦案によると、まずイランが最後の攻撃を終えた後、12時間の停戦が始まる。その後、イスラエルが12時間の停戦を続ける。停戦期間中に攻撃がなければ、両国は同時に停戦に入ることになる。トランプ大統領がSNSで停戦を発信した時点を基準に、両国の停戦が始まる時刻は25日午後1時ごろとみられる。
ベンヤミン・ネタニヤフ イスラエル首相はこの日、「イスラエルはイランとの停戦に同意する」とし、「(停戦案)違反時は強力に対応する」と述べた。イラン国営放送も、イスラエルへの最終空爆後に「停戦が始まった」と伝えた。
重要核兵器施設までもが攻撃を受けたイランが停戦に踏み切ったのは、米国とイスラエルの強い圧力によるものだという分析が支配的だ。トランプ大統領は、今回のイスラエルとイランの衝突初期から「我々は停戦だけでなく、イランが核野望を完全に放棄する『本当の終結』を望んでいる」と明言していた。停戦発表の前日には、イランの体制転換の可能性にも言及した。
◇ 露骨な体制転換の脅威
米国とイスラエルによるこうした脅威は、イラン指導部に体制存亡に関わる危機感を抱かせたとされる。戦争開始直後、首都テヘラン近郊の地下バンカーに隠れていたイランの最高指導者アヤトラ・アリー・ハメネイが暗殺の脅威にさらされた状況も、イランの停戦合意に影響を及ぼしたと分析される。トランプ大統領も「イラン最高指導者がどこに隠れているか知っている」と警告した。
何よりイランの軍事力は大きく低下した。イスラエルが12日間攻撃を重ね、イランの軍事力を大きく無力化したのだ。イスラエル軍は先制攻撃後、モハンマド・バーゲリー参謀総長やホセイン・サラミ革命防衛隊総司令官など軍上層部の大半を標的殺害した。イランのレーダーや防空兵器なども攻撃し、防空システムを無力化して制空権を握った。
イランがイスラエルを攻撃できる中・長距離弾道ミサイルは急速に枯渇した。イスラエル軍の空爆によりミサイル発射台の半分以上が破壊されるなど、反撃能力も大きく損なわれた状況だった。ライアン・クロッカー ランド研究所外交安全保障名誉会長は「イランは交渉か報復か、いずれかを選ばなければならなかったが、報復を選んだ場合は甚大な米国の報復攻撃を招いたはずだ」と語った。
◇ ウランの行方に注目
イラン国内の情勢も停戦に影響した。戦争当初はイラン国民が「祖国防衛」を理由に政府を支持していた。しかし、テヘランなどへの空爆が相次ぎ数百人の民間人犠牲が発生すると、体制への不満と不安が高まった。戦争が長引けば国民の不満が拡大する可能性があり、これは指導層に大きな負担となった。
国際社会からの圧力や外交的孤立の懸念も作用した。「友好国」であるロシアや中国でさえ、今回は露骨にイラン側にはつかなかった。
イスラエルとイランが恒久的な終戦に至るかは不確実だ。イランが核プログラムを完全に廃棄するかも現時点では不明である。一部では、イランが米国による空爆前に濃縮ウランを他の場所に移した可能性もあると分析されている。イスファハン核施設にはもともと400㎏相当の60%濃縮ウランが保管されていた。60%濃縮ウランは準兵器級とされ、数週間で兵器級である90%まで精度を高めることができる。米国による核施設空爆で、濃縮ウランを核兵器に転用可能な装置や施設の多くが破壊され、兵器開発は容易ではないとの分析が多い。
金ジュワン/金ドンヒョン 記者 kjwan@hankyung.com

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