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FRB“タカ派”理事が突然辞任…トランプ氏による次期議長指名が加速か

ソース
Korea Economic Daily

概要

  • アドリアナ・クーグラーFRB理事の突然の辞任で、トランプ大統領が次期FRB議長指名を早める可能性が出てきた。
  • トランプ大統領が任命する親トランプ派理事が理事会に加われば、FRBの政策決定に影響を及ぼすとの分析がなされた。
  • 米国雇用市場の悪化と共に、市場では9月の政策金利引き下げの可能性が80.3%と大幅に高まっているとされた。

ドナルド・トランプ米大統領がジェローム・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長に対して利下げを圧力をかけている中、トランプ氏が予想よりも早く次期FRB議長を指名できる可能性が出てきた。利下げに慎重な立場を取っていたアドリアナ・クーグラーFRB理事が突然辞任したおかげで、クーグラー理事の任期満了まで待たず新たな親トランプ人事を理事職に就かせることが可能となったためだ。新理事が実質的な“次期FRB議長候補”になるとの見方も出ている。

FRBは、クーグラー理事が今月8日付で理事職から退くことを今月1日に発表した。FRB内でもタカ派(金融引き締め傾向)とされるクーグラー理事は、ジョー・バイデン政権下の2023年9月に理事に任命され、来年1月末の任期満了を前にしていた。辞任の背景は明らかにされていない。

クーグラー理事はこの日、トランプ大統領に辞任の意思を伝える書簡を送り、トランプ大統領は「非常に嬉しく思う」と述べた。また、自身のSNSであるTruth Socialに「彼女(クーグラー)は彼(パウエル)が金利決定で誤った行動を取っていることを知っていた(だから辞任した)」とし、「彼も辞任すべきだ」と主張した。この日の午前にもTruth Socialを通じてFRB理事会にパウエル議長の解任を促した。

クーグラー理事の突然の辞任で、トランプ大統領による“FRB揺さぶり”がさらに強まるとの分析も出ている。クーグラー理事の後任はトランプ大統領が任命でき、それによってFRB7人の理事のうち、トランプ大統領が任命した人物はミシェル・ボウマン副議長とクリストファー・ウォラー理事を含め、合計3人となる。先月のFOMCでFRBが政策金利を据え置いた際、ボウマン副議長とウォラー理事はこれに反対し、約30年ぶりに理事間で意見の亀裂が生じた。

さらに来年5月にパウエル議長の任期が切れるため、トランプ大統領にとっては次期議長候補をあらかじめ理事会に送り込むチャンスとなる。パウエル議長が議長職を辞しても2028年まで理事を続ける可能性があることを考慮し、Wolfe ResearchのTobin Marcus米国政策・政治担当主任は「今回がトランプ氏にとって唯一の機会かもしれない」とBloomberg通信に語った。

米連邦準備制度はトランプ大統領からの圧力のほかにも、金利に関する悩みが深まっている。1日、U.S. Department of Laborが発表した雇用統計で、米国の雇用市場が急速に悪化していることが示された。7月の米国非農業部門雇用者数は前月比7万3,000人増で、ダウ・ジョーンズがまとめたエコノミストの予想(10万人増)を下回った。5~6月の雇用者増加も、従来発表から計25万8,000人下方修正された。これを受けてFederal Reserve Bank of New YorkのJohn Williams総裁は「労働市場は徐々に冷却化しているが、依然として健全な水準だ」とThe Wall Street Journal(WSJ)に語った。

しかし、市場はすでに9月の政策金利引き下げを織り込んでいる。Chicago Mercantile ExchangeのFedWatch Toolによると、現地3日(米国時間)時点でFRBが金利を0.25%ポイント引き下げる確率は80.3%となった。一週間前は61.9%だった。BlackRockのRick Riederグローバル債券部門CIOは1日の投資家向けノートで、「労働市場に遊休労働力が少しでも積み上がったり、月間雇用増加数が10万人を下回り続けるならFRBが利下げを開始するだろうし、今後の指標次第で9月に0.5%ポイントの引き下げもあり得る」と予想した。

ハン・ギョンジェ記者

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