概要
- 米国通商代表部(USTR)は、トランプ政権の関税および製造業保護を中心とした貿易政策が、既存のWTO体制に代わる新しい世界貿易秩序として定着しつつあると伝えた。
- トランプ政権の高関税政策が、相手国市場の開放などアメリカの貿易赤字解消に寄与していると明らかにした。
- トランプ政権は、トランプ・ラウンドを通じてWTO体制より多くの海外市場アクセス権を確保したと評価した。

米国の官僚が「ドナルド・トランプ米大統領の関税政策が、より公正な世界貿易体制を構築している」と述べ、新たな貿易体制の始まりを告げた。
ジェイミソン・グリアー米国通商代表部(USTR)代表は、7日(現地時間)のニューヨーク・タイムズ寄稿で、トランプ政権の関税・製造業保護を中心とした貿易政策を、既存の世界貿易機関(WTO)体制に代わる「新しい世界貿易秩序」と位置づけた。彼は「第二次世界大戦中に導入されたブレトン・ウッズ体制や、その後のWTO設立へとつながったウルグアイ・ラウンドなどは、アメリカには不利に、中国などには有利に働いた」と主張した。
続けて「私たちは今、トランプ・ラウンドを目の当たりにしている」とし、「これによってアメリカが新たな世界貿易秩序の基盤を築いた」と評価した。トランプ大統領が4月2日に相互関税を発表した後、世界各国と進めた貿易交渉を、過去の多国間貿易交渉になぞらえて「ラウンド」と名付けたのだ。彼はトランプ・ラウンドを通じ、WTO体制よりも多くの海外市場へのアクセス権を確保したと強調した。
ブレトン・ウッズ体制は、アメリカの覇権確立期である1944年に作られた。第二次世界大戦終結前後、アメリカ主導でドルを基軸通貨とする国際通貨・貿易秩序が確立された。1948年には貿易自由化の枠組みであるGATT体制が作られ、多国間主義の基盤が整えられた。ケネディ・ラウンド(アンチダンピング規定の策定)、東京ラウンド(非関税障壁の本格議論)、最恵国待遇の原則などが代表例である。
特に1986年のウルグアイ・ラウンドは、農産物・サービス・知的財産権などを包括する大規模な多国間貿易交渉で、1995年のWTO発足の基盤となった。WTOは加盟国間の紛争解決と貿易規範の策定を通じて、自由貿易を促進する役割を果たした。2001年の中国のWTO加盟により、自由貿易体制は頂点に達した。
しかし2010年前後、中国の急成長とアメリカの製造業衰退、大規模な貿易赤字が重なり、アメリカはWTO体制に疑念を持つようになった。その結果、トランプ政権が高関税政策を打ち出し、これが相手国市場の開放など、アメリカの貿易赤字解消策として成果を上げているというのが、トランプ政権主流の見方である。
キム・リアン記者 knra@hankyung.com

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