トランプ、関税裁判を「現場で傍聴する考え」…初の事例となるか

11月5日予定

トランプ "敗訴すれば財政はめちゃくちゃ"

ドナルド・トランプ米大統領が、自身の主要政策である関税課税の適法性を審理する連邦最高裁の裁判を来月5日に現場で直接傍聴する考えを示した。もしこれが実現すれば、米現職大統領が連邦最高裁の審理を傍聴する史上初の事例になると米主要メディアは報じた。

トランプ大統領は15日（現地時間）、ホワイトハウスの執務室で記者団に対し「最高裁で大きな事件が予定されている。私が言うに、我が国の歴史で最も重要な事件の一つだ」と述べ、「もし我々がその事件で勝てなければ、今後何年にもわたって弱体化し苦境に陥り、財政はめちゃくちゃになるだろう」と語った。

そして「まさにその理由で私は最高裁に行って見ようとしている」と述べた。

連邦最高裁は来月5日に口頭弁論を開き、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税課税に関する事件を審理する予定だ。トランプ政権はIEEPAを根拠に、ほとんどすべての貿易相手国に対する関税を大幅に引き上げた。しかし米国国際貿易裁判所(CIT)は、大統領がこのような措置を取る根拠はIEEPAにはないとして違法だと判断した。連邦巡回控訴裁判所も先の8月、7対4で一審判決の結論を維持した。

これにトランプ政権が不服として上告し、連邦最高裁での審理が行われることになった。ブルームバーグ・エコノミクス所属の経済アナリスト、クリス・ケネディは、もし連邦最高裁が下級審の判決を維持しトランプ政権の上告を棄却すれば、現在16.3%に上昇している米国の有効関税率は少なくとも半分以下に低下し、米国が数百億ドルの関税を還付しなければならないこともあり得ると予測した。

これまで米現職大統領が連邦最高裁で行われる口頭弁論を傍聴したことはない。

ただし、IEEPAでなくてもトランプ大統領が関税を課す手段は多様だ。特に韓国の対米輸出の主要品目に影響を与える自動車・鉄鋼などに関する関税は、貿易拡張法232条に基づく措置であり、今回の訴訟とは別である。これ以外に、貿易法301条および122条、関税法338条も関税課税の手段として挙げられている。

パク・スリム ハンギョン.com記者 paksr365@hankyung.com