分裂したFRB…「来年は1回のみ利下げ」を示唆

出典
Korea Economic Daily

概要

  • 米連邦準備制度理事会(Fed)が基準金利を0.25%%ポイント引き下げ、当面は金利据え置きと来年わずか1回の利下げの可能性を示唆したと伝えた。
  • FRB内部では利下げの必要性を巡り、委員19人のうち7人が利下げは不要と述べるなど金融政策決定に分裂があると伝えた。
  • ジェローム・パウエル議長は成長率見通しを上方修正したがインフレが依然高いとして、追加利下げの時期と幅に慎重であると述べた。

FRBの『タカ派的利下げ』…当面据え置きを示唆

0.25%ポイント下げ…追加利下げに線を引く

「市場の予想よりもややタカ派的でない」との評価も

写真=Shutterstock
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米連邦準備制度理事会(Fed)は10日(現地時間)、予想通り基準金利を0.25%ポイント引き下げて年3.5~3.75%に引き下げた。しかし当面は金利を据え置くことを示唆し、来年の利下げ回数も1回にとどまると予告したため、「タカ派的利下げ」(hawkish cut)という分析が多い。

FRBは利下げの背景として「雇用市場の下振れリスクの増加」を挙げた。ただし「インフレ率も依然やや高い水準にある」として警戒感を緩めなかった。ジェローム・パウエルFRB議長は「(今回の利下げにより)今後の経済状況の変化を待って見守るのに良い位置にある」と述べ、当面金利を据え置くことを示唆した。FRB委員の利率見通しを示すドットチャートでは、来年の基準金利の中央値が年3.4%と示された。

ただしパウエル議長は「次の措置が利上げになると見る人はほとんどいない」と述べ、利上げには線を引いた。量的緩和(QE)ではないとしつつも、市場への資金供給効果がある短期国債の買い入れ方針を明らかにした。市場ではパウエル議長について「予想よりもややタカ派的でない」との評価も出た。

FRB委員19人中7人は「来年の利下げは不要」

パウエル「金融政策は満場一致ではない」…インフレ水準は依然やや高い

「皆が(金融政策の)方向や措置に全面的に同意している通常の状況とは異なる点は認める。」

ジェローム・パウエル米連邦準備制度理事会(Fed)議長が10日(現地時間)、連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の記者会見で、内部で意見が割れていたかと問われて答えた言葉だ。9月以降3回連続で基準金利を引き下げたが、利率決定を巡ってFRB委員の意見は鋭く分かれた。

7人は「利下げ不要」

この日の経済見通し要約(SEP)でFRBは来年末の基準金利の中央値を3.4%と示した。9月見通しと同じ水準で、来年は1回の利下げを示唆した形だ。

FOMCが会議直後に出した声明で、今後の利率決定に関して「追加調整の幅と時点を考慮すると」という表現を用いた点も注目される。従来の「追加調整を考慮すると」に比べ「幅と時期」という表現を付け加えたもので、将来の利下げの時期を遅らせるか、あるいは中止する可能性を示したと市場は見ている。「幅と時期」は昨年の今ごろにも入っていたが、当時FRBはしばらく金利を据え置き、今年9月になってようやく利下げに踏み切った。

ただし委員の意見を無記名で示したドットチャートを見ると、金融政策決定が容易でないことが予想される。意見が反映される19人のうち7人は来年に利下げは不要との立場を示した。4人は1回の利下げ、8人は少なくとも2回の利下げが必要だと答えた。いずれか一方向に金融政策の方向性を定めるのが難しい構図だ。特にこの日の利下げの議決では、ドナルド・トランプ米大統領の側近であるスティーブン・マイロンFRB理事がビッグカット(基準金利0.5%ポイントの引き下げ)を主張した。一方でジェフ・シュミッド カンザスシティ連邦準備銀行総裁とオースタン・グールズビー シカゴ連邦準備銀行総裁は金利据え置きの立場を維持した。FOMCで3人が異なる意見を示したのは6年ぶりだ。

成長率は上げ、物価は下げる見通し

FRBはインフレについて「依然やや高い水準」と評価した。また「経済見通しに対する不確実性も依然高い水準にある」とした。ただし来年は成長率が上がり、物価は下がると見込んだ。

まず経済成長率は2.3%と見通した。9月の見通しで示した1.8%よりも引き上げた。今期の成長率予想1.7%よりも高い。パウエル議長は成長率見通しの上方修正は生産性向上によるもので、その一部は人工知能(AI)によるものかもしれないと述べた。パウエル議長は「一部には消費が堅調に維持されている点があり、もう一部はデータセンターやAI関連の支出、すなわちAIに関連する投資が企業の設備投資を支えている」とし、「基本的な見通しは『来年も堅調な成長』だと言える」と述べた。

来年の失業率は9月と同じく4.4%と予想した。インフレ指標である個人消費支出(PCE)上昇率は今年2.9%から来年2.4%に下がると見込んだ。成長率が上がり物価が下がれば利下げ圧力も低下する可能性がある。

しかしこの日のFOMCの利下げ発表後、トランプ大統領はホワイトハウスの行事で「頑固なFRB」だとして「(パウエル)議長は凝り固まった人物だ」と非難した。そして「(今日のFRBは利率を)少なくとも2倍は下げるべきだった」と述べた。0.5%ポイントの利下げを主張した形だ。

投資家らはトランプ大統領が来年5月に任期が終了するパウエル議長の後任に誰を指名するかに注目している。ケビン・ハセット(ホワイトハウス国家経済会議(NEC)委員長)が有力候補として挙げられている中、早ければ今月にも最終候補者が発表される可能性がある。ハセット委員長はこの日FOMCの決定を前にFOXニュースとのインタビューで「確かに0.5%ポイントあるいはそれ以上下げる可能性がある」と語った。

ニューヨーク=パク・シニョン特派員 nyusos@hankyung.com

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