中・ロシアを封じ、ゴールデンドームから鉱業権まで…取り分はすべて押さえたトランプ

ソース
Korea Economic Daily

概要

  • トランプ大統領は、欧州8カ国に対する追加関税の賦課計画を撤回し、「米国にとっての素晴らしい取引」を得たと述べた。
  • 関税撤回の報を受け、NY株式市場のダウS&P500ナスダックなど主要3指数が一斉に上昇したと伝えた。
  • リスク資産選好が戻り、ビットコインイーサリアムの価格も急騰したと伝えた。

グリーンランドの主権は移転せず

米が「永久賃借」する可能性も

「ロシア・中国の軍事的影響力を遮断」

NY株式市場も「TACOトレード」

関税撤回を受け指数は一斉に反発

Photo=Shutterstock
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ドナルド・トランプ米大統領が、米国のグリーンランド派兵に反対する欧州諸国に課すとしていた関税を撤回したのは、望むものを相当程度得たためだとの見方が出ている。トランプ大統領自身も「われわれは欲しいものをすべて得た」と述べた。

急転したトランプ

グリーンランドを巡る対立に関し、トランプ大統領の欧州に対する姿勢は21日(現地時間)だけで極端から極端へと変わった。同日午後、スイスのダボス会議で90分間演説した際には、欧州への攻撃的な姿勢を隠さなかった。第二次世界大戦当時の米国の役割を強調し、グリーンランドを信託統治してから欧州に返したという無理筋の主張を展開した。NATOにおける同盟の役割も否定した。

しかし、演説終了からわずか4時間で状況は劇的に変わった。マルク・ルッテNATO事務総長と会談した後、NATO側から「フレームワーク(合意の枠組み)」の提案を受け、大いに満足したという。直ちにSNSで、欧州8カ国に対する追加関税の賦課計画を撤回すると明らかにした。トランプ大統領は同日夜、記者団に「米国にとって素晴らしい取引だ」と満足感を示した。

どのような合意か

米欧間の合意内容は詳細には公表されていないが、海外メディアの報道を総合すると、基本的には1951年に締結された既存のグリーンランド防衛協定を現代化するものだ。欧州としては、グリーンランドの主権を米国に移転しないという「形式」を取り、米国は主権を有するかのようにグリーンランドを完全に自由に利用できる「実利」との間で妥協する内容が盛り込まれたとみられる。

アクシオスは、合意の核心は、NATOが必要と判断した場合に米国がグリーンランドに軍事基地を建設し、防衛区域を設定できるよう認める構想だと報じた。トランプ大統領は同日の合意で推進する内容の有効期間について「永遠に」と述べた。

そのため、デンマーク自治領のグリーンランドの一部を米国が恒久的に賃借するなどの形式を取る可能性もある。米国の次世代ミサイル防衛体制「ゴールデンドーム」について米欧が協力し、グリーンランドの鉱物開発を共同で進める内容も含まれると、トランプ大統領は明らかにした。

ニューヨーク・タイムズ(NYT)によれば、NATO内では、地中海のキプロスにある英国の「主権基地」のように、グリーンランド内の米軍基地に部分的な主権を付与する可能性まで議論されたもようだ。ただし、こうした内容が最終的なフレームワークに含まれたかどうかは不明だとNYTは伝えた。英国は、キプロスが独立する前に英軍の継続駐留を確保するため、1960年に同地に主権基地を置く協定を締結した。

アリソン・ハートNATO報道官は会談後の声明で、「デンマーク・グリーンランド・米国の間で協議が進められる」とし、「ロシアと中国がグリーンランドで経済的・軍事的足場を築けないようにすることが目標だ」と述べた。さらに「(NATOはグリーンランドの)主権についていかなる妥協もしていない」とした。今回の議論と合意内容について、当事者であるグリーンランドがどの程度参加し、同意したのかは不明だ。

市場は歓迎

同盟間で武力行使にまで言及されるほど緊張が高まり、冷え込んでいた市場は、トランプ大統領が報復関税を撤回したとの報を受け急騰した。ダウ、S&P500、ナスダックなどニューヨーク株式市場の主要3指数は同日、一斉に上昇した。

債券市場も落ち着きを取り戻した。トランプ大統領の対外政策に警戒シグナルを発してきた10年物米国債利回りは年4.25%と、0.048%ポイント低下した。20年物国債入札にも需要が殺到したとブルームバーグ通信は伝えた。リスク資産選好が戻り、ビットコインとイーサリアムの価格も急騰した。

欧州は依然として警戒感を解いていない。トランプ大統領が「使用権契約や賃貸契約を守りたがる人が誰かいるのか」と述べ、所有権への執着を強く示した以上、グリーンランドでの活動を拡大する程度では満足しない可能性も排除できないという。

ロシアがトランプ大統領のグリーンランド確保構想を積極的に支持し、NATOの分裂をあおることも、欧州にとって不安要因だ。

ワシントン=イ・サンウン特派員 selee@hankyung.com

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