概要
- 市場では、原油ショックの持続期間とFRBの政策対応が今後の金融市場の方向性を左右する主要変数だとした。
- 原油高によりFRBの追加利下げ余地が小さくなり、利上げの可能性まで取り沙汰されるなか、景気後退懸念が浮上していると伝えた。
- 過去事例では、原油と金価格は上昇し、世界株式は弱含み、S&P500指数は相対的に底堅い動きを示したとした。
期間別予測トレンドレポート


「地政学的ショックは金融市場では短期間で収束」
「FRBの利上げの可能性も排除できず」
1970年代のように利上げすれば
景気後退につながる可能性も

米国とイスラエルによるイラン攻撃で国際原油価格が急騰し、世界の金融市場が大きく揺れるなか、市場の方向性を左右する主要変数は原油ショックの持続期間と米連邦準備制度理事会(FRB)の政策対応だとの分析が出た。
9日(現地時間)、マーケットウォッチによると、米国とイスラエルの軍事作戦後、国際原油価格は記録的な速さで上昇した。この余波で、過去1週間にわたり世界の金融市場のほぼすべての主要資産クラスでボラティリティが拡大した。
ウォール街では、地政学的ショックが金融市場に与える影響は歴史的に比較的短期間にとどまるケースが多い点に注目している。ソシエテ・ジェネラルの米国株ストラテジー責任者マニシュ・カブラ氏は、過去50年間の原油急騰局面を分析した。対象には、2022年のロシアによるウクライナ侵攻、2003年のイラク戦争、1990年の湾岸戦争、1979年のイラン革命、1973年のヨム・キプール戦争後のOPECによる石油禁輸が含まれる。
同氏は、現時点で市場にとって最も重要な変数は、原油ショックの持続期間と中央銀行の対応だと説明した。
カブラ氏は「世界市場にとって重要な変数は二つに要約される」とし、「第一に原油ショックがどれほど長く続くか、第二にFRBをはじめとする中央銀行がそれにどう対応するかだ」と述べた。とりわけ1970年代のオイルショックが景気後退につながったのは、FRBの引き締め政策がショックを増幅させたためだと説明した。
足元の金利先物市場では、原油高によりFRBの追加利下げ余地が小さくなるとの見方が広がっている。一部の投資家は、高い原油価格がインフレを刺激する場合、FRBが利上げに動く可能性も否定できないとみている。
ただ、市場ベースの長期インフレ期待はまだ大きな変化を示していない。これは投資家が、今回の原油上昇が長期的なインフレ圧力につながるというより、一時的ショックにとどまる可能性が高いと判断していることを意味する。
代表的な長期インフレ期待指標である「5年先5年期待インフレ率」は米国債市場から派生した指標で、5年後から始まるその後5年間の平均インフレ期待を示す。この指標は昨年夏以降、低下基調を示してきた。
カブラ氏は「結局、中央銀行が今回の原油急騰を一時的な価格上昇としてやり過ごすかどうかが、市場の方向性を決める」と語った。
追加の変数としては、ドナルド・トランプ大統領がいつ軍事介入を縮小するかが挙げられる。トランプ大統領はこの日、フロリダ州ドラルで記者会見を開く予定で、CBSニュースのインタビューで今回の戦争について「ほぼ終わったようだ」と言及したと伝えられた。ただBCAリサーチは、今回の衝突はイスラエルとイランが直接関与する構図であるため、トランプ大統領が独断で軍事戦略を引き戻すのは容易ではない可能性があると分析した。
株式市場に関しては、原油が急騰する局面では米国株が他地域の株式より相対的に堅調なパフォーマンスを示す傾向がみられた。同時に、ドルと金価格も上昇するケースが多かった。
実際に過去事例を見ると、原油はショック発生後1週間で平均9.9%上昇し、3カ月後には33.2%、6カ月後には30.9%上昇する流れを示した。金価格も1週間後に平均2%、3カ月後に5.2%、6カ月後に22.6%上昇する傾向がみられた。
一方、世界株式は短期的に弱含んだ。世界株式指数は1週間後に平均–0.9%、3カ月後に–2.7%、6カ月後に–1.6%のリターンを記録した。ただしS&P500指数は相対的に底堅く、1週間後に平均0.3%、6カ月後も0.3%上昇する動きを見せた。
ニューヨーク=パク・シンヨン特派員 nyusos@hankyung.com

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