概要
- トランプ大統領がイランとの戦争は「すぐ終わる」と述べたことで、原油価格が急落し、世界の株式市場が上昇基調に転じたと伝えた。
- 市場では、トランプ大統領の性向を狙った「タコ(TACO)トレード」が再現される可能性に期待がかかっていると伝えた。
- トランプ大統領は原油安のため、ホルムズ海峡の航行維持、ロシア産石油制裁の猶予、戦略備蓄放出の検討といったメッセージを相次いで打ち出したと明らかにした。
期間別予測トレンドレポート


戦争の長期化に線引き
原油価格、1日で90ドル台へ「急落」
「十分ではない」と攻撃余地を残す
「石油の流れを止めれば、さらに強い打撃」

ドナルド・トランプ米大統領が9日(現地時間)、イランとの戦争を近く終わらせる意向を示したことで、原油価格が急落し、世界の株式市場は上昇基調に転じた。
トランプ大統領は同日、フロリダ州マイアミで開かれた共和党の行事後の記者会見で、戦争は「すぐ終わる」と述べた。「今週終わるのか」との質問には否定しつつも、「すぐ終わる」と繰り返した。
追加攻撃の余地も残した。トランプ大統領は共和党行事の演説で「多くの面で勝利したが、十分には勝っていない」と述べた。「どれほど勝てば十分なのか」との記者会見での質問には、「彼らが翌日に核兵器開発を始められない状態にならなければならない」と答えた。
トランプ大統領はその後、SNSで「イランがホルムズ海峡で原油の流れを遮断する措置を取れば、これまでより20倍も強い打撃を受ける」と投稿した。
ピート・ヘグセス米戦争省(国防総省)長官は、8日に公開されたCBSインタビューで「(イランと)戦いを始めたばかりだ」と表現した。ヘグセス長官の見通しと相反するとの指摘に、トランプ大統領は「どちらも正しいと言える」と曖昧に答えた。
トランプ大統領が戦争から手を引くシグナルを送ると、市場では「タコ(TACO・トランプはいつも一歩引く)トレード」が広がった。前日に一時1バレル=119ドルまで急騰したWTI(米国産原油)先物の4月限は、この日90ドルを割り込んだ。
株式市場も好感した。米ニューヨーク証券取引所では、ダウ平均が0.50%、S&P500種が0.83%、ナスダック総合が1.38%上昇して取引を終えた。
オイルショックで再び登場したトランプの「TACO」…原油120ドル→90ドルへ急落
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ドナルド・トランプ米大統領は9日(現地時間)、イラン戦争が「ほぼ完了した」と述べた。先月28日に始まった戦争が10日目に入り、原油価格が急騰して市場不安が強まるなか、一歩引く構えを見せた格好だ。市場は、別の「タコ(TACO・トランプはいつも一歩引く)トレード」が再現される可能性に期待を寄せている。
◇市場安定への意思を確認
投資家は、トランプ大統領がこの日1日で相次いで発した対イラン戦争関連の発言のうち、「すぐ終わる」という言葉に注目した。トランプ大統領はCBSインタビューで「彼ら(イラン軍)には海軍もなく、通信もなく、空軍もない」とし、「当初の計画よりはるかに先行している」と述べた。記者会見でも「軍事目標の達成に大きな進展を見せている」とし、「ほぼ完了したと言うこともできる」と付け加えた。
予定になかった記者会見も開き、終戦を強く示唆した。8日に原油価格が一時1バレル=120ドルに迫ると、市場を安心させる狙いとみられた。
ただ、株式市場の引け後に行われた共和党議員の行事と記者会見では、より強硬な発言も出た。「敵を決定的に敗北させるまで決して退かない」「多方面で勝利したが、まだ十分ではない」といったものだ。こうした発言が出た頃、原油価格は一時上昇に転じたものの、その後すぐ下落に向かった。
◇支持率・株式・原油に反応
トランプ大統領は以前から、重要課題を巡って支持率が落ちたり株式市場が急落したりすると一歩引き、勝利を一方的に宣言する行動を繰り返してきた。そうした性向を突いたタコ・トレードも盛んだった。株価が急落した局面で買い集めれば、トランプ大統領が従来政策から後退し、相場が再び上昇基調に戻るという経験則に基づく。
今回は支持率と株式以外に、原油価格が追加の変数として作用した。8日にNBCニュースが発表した世論調査によると、トランプ大統領の国政運営に概ね否定的だと答えた割合は54%と、昨年末より高まった。特に物価対応について否定的と回答した割合は62%に達した。トランプ大統領は「短期的な原油高は『ごく小さな代償』に過ぎない」と切り捨てたが、中間選挙を控え、有権者の物価上昇への懸念を意識せざるを得なかったとの見方が出ている。
◇「原油安のため制裁猶予」
この日のトランプ大統領の発言はすべて、原油価格を引き下げるメッセージを含んでいた。トランプ大統領はホルムズ海峡の航行を維持するため、「(必要な)時が来れば米海軍と同盟国は(石油を積んだ)タンカーが海峡を通過できるよう護衛する」と述べた。国際原油輸送路であるホルムズ海峡の問題は「米国には大きな影響がない」とし、「中国のような国を含む世界の他の地域のためにやっている」と強調した。CBSとのインタビューでは「それ(海峡)を掌握することも考えている」と語った。
さらに「原油安のため」、ロシア産石油を輸入する国に対する制裁措置を猶予すると明らかにした。トランプ大統領は「平和な状況になれば、おそらく制裁を再び課す必要がないかもしれない」と述べた。ロシア産原油は、米国とイスラエルによるイラン空爆前まではブレント原油比で1バレル=10ドル以上安い水準で取引されていたが、ホルムズ海峡が封鎖されたことで価格が急騰し、逆にプレミアムを付けて取引されている。
一方、ブルームバーグ通信は、トランプ政権が戦略備蓄石油(SPR)の放出を検討していると報じた。米エネルギー省によると、先週時点の米備蓄は4億1500万バレル超。20日以上持ちこたえられる水準だという。
ワシントン=イ・サンウン特派員 selee@hankyung.com

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