米・イラン停戦協議が1日で決裂 次回日程は発表されず【イ・サンウンのワシントン・ナウ】

出典
Korea Economic Daily

概要

  • 米国とイランの停戦協議は、核兵器放棄の意思や制裁解除を巡る対立で、わずか1日で決裂した。
  • 米国はイランに核兵器開発の放棄と凍結資産に関する条件を提示し、最終的かつ最善の提案を盛り込んだ合意案を残して離れたと明らかにした。
  • イランは凍結資産の解除制裁解除ホルムズ海峡の統制権限通行料の賦課などを求め、次回協議の可能性を残したと伝えられた。

期間別予測トレンドレポート

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再交渉の余地は残る

米「イランの非核化の意思を確認できず」

米代表団「最終提案を残して離れる」

タスニム通信「米国の過大要求で決裂」と主張

要求の隔たり大きく、難航を予告

J・D・バンス米副大統領が6月11日(現地時間)、パキスタン・イスラマバードで行われたイランとの協議後、交渉決裂について説明している。写真:ホワイトハウスYouTubeキャプチャー
J・D・バンス米副大統領が6月11日(現地時間)、パキスタン・イスラマバードで行われたイランとの協議後、交渉決裂について説明している。写真:ホワイトハウスYouTubeキャプチャー

米国とイラン、パキスタンは6月11日(現地時間)、パキスタンの首都イスラマバードで、イラン戦争の和平協定締結に向けた停戦協議を始めたが、わずか1日で決裂した。会合は同日午前から夜まで15時間超に及んだものの、双方の隔たりが大きく進展しなかった。

米代表団を率いるJ・D・バンス副大統領は6月11日、記者団に「イラン側が我々の条件を受け入れる意思を示す段階には、最後まで到達しなかった」と語った。そのうえで「我々はここを離れる」と述べ、協議決裂を明らかにした。

バンス副大統領は、米国側の「レッドライン(越えてはならない一線)」と、イラン側の要求のうち受け入れられる範囲、受け入れられない項目を明確に伝えたとも説明した。「可能な限り最も明確な言葉で伝えたが、イラン側は我々の条件を受け入れない選択をした」と強調した。

「核兵器を開発しない意思を確認できず」

バンス副大統領は、イランに対し、核兵器を追求せず、核兵器を迅速に製造できる手段も求めないという確固たる約束を示すよう求めていると明らかにした。争点は、イランが核兵器を開発しないという根本的かつ長期的な意思を持っているかどうかだとし、「我々はまだその意思を確認できていない。今後は確認できることを望む」と話した。

同氏は、イランの凍結資産に対する制裁解除問題など、幅広い論点を協議したとも説明した。トランプ大統領とは「継続的に連絡を取っていた」としたうえで、「誠実な姿勢で交渉に臨んだ」と主張した。

さらに「この場を離れるにあたり、我々は非常に簡潔な提案、すなわち『最終的かつ最善の提案(final and best offer)』を盛り込んだ合意案を残していく」と述べ、交渉の扉は開かれているとの考えを示した。バンス副大統領は、イランがこれを受け入れなければ攻撃する、といった趣旨の発言はしなかった。

一方、ドナルド・トランプ米大統領は前日の6月10日、「イラン側は、国際水路を使って世界に短期的な脅しをかける以外に、自らに交渉カードが残っていないことを十分認識していないようだ」と発言した。さらに「彼らがきょう生きている唯一の理由は、まさに交渉のためだ」と語った。交渉に協力しない指導部は排除する意向をにじませた発言と読める。

双方とも追加協議の意思は維持か

6月11日の協議には、米国側からスティーブ・ウィトコフ中東特使、ジャレッド・クシュナー氏(トランプ大統領の長女婿)らが参加した。イラン側からは、モハンマド・バゲル・ガリバフ国会議長をはじめ約70人が出席した。

イラン側の主要メンバーには、アッバス・アラグチ外相、アリ・アクバル・アフマディアン最高国家安全保障会議(SNSC)議長、アブドルナセル・ヘンマティ中央銀行総裁らが名を連ねた。ほぼすべての首脳部がそろった。イランメディアも交渉会場の内外から現地の動きを随時伝えた。

イランの半官営メディア、タスニム通信によると、本格協議の前日の6月10日午後1時から、シェバズ・シャリフ・パキスタン首相とイラン代表団の会談が始まった。その数時間後に米国との対話が始まり、主要代表団同士の協議、専門家チーム同士の協議という順で進んだという。タスニム通信は「イランは何度も新たな提案を示し、米国側に現実的な姿勢を促したが、米国の過大な要求がそのたびに合意の枠組みづくりを妨げた」と主張した。

さらに「パキスタンの仲介と、6月11日の追加対話および合意文書の交換の試みにもかかわらず、米国側は従来の姿勢を維持し、協議は成果なく終わった」と伝えた。次回の協議日程と開催地は、まだ発表されていないという。イラン側が次回協議に言及し、米国側も合意文書を残して離れた点からは、双方に追加交渉の意思が残っていることがうかがえる。協議中にはニューヨーク・タイムズ(NYT)などが、交渉がすぐに打ち切られず長時間続いたこと自体を前向きに評価した。

もっとも、双方の要求には当初から大きな隔たりがあった。ガリバフ国会議長は6月10日、Xに「双方が相互に合意した措置のうち2つ、すなわちレバノンでの停戦と、交渉開始前のイラン凍結資産の解除措置が、なお履行されていない。この2つは交渉開始前に必ず実行されるべきだ」と投稿した。

このほかイランは、ホルムズ海峡に対する統制権限(通行料の賦課)、ウラン濃縮の権限維持、イランに対する1次・2次制裁の解除、戦争賠償金の支払いなどを求めてきた。米国がこのうち受け入れ得るのは、核兵器放棄と引き換えにした制裁解除程度にとどまる。

イラン側の賠償要求は、通行料の容認で代替される可能性がある。トランプ大統領も、イランと共同事業(ジョイントベンチャー)形式で通行料を徴収する案に言及した。ただ、国際社会がこうした方式を認めるのは容易ではない。航行の自由を認めなければ、世界各地でそれぞれが通行税を取り始める可能性があるためだ。

パキスタンのイスラマバードで6月11日(現地時間)に開かれた米・イラン協議が決裂した後、J・D・バンス副大統領が記者会見する様子を各メディアが撮影している。会場内での報道陣の立ち入りは認められず、報道陣は外部の別スペースで待機した。

トランプ氏「ホルムズ海峡の整理を開始」

トランプ大統領は、協議に先立ちソーシャルメディアで、日本や中国、韓国を含む世界のためにホルムズ海峡の整理作業を始めていると主張した。「我々は中国、日本、韓国、フランス、ドイツ、その他多くの国を含む世界各国のために、ホルムズ海峡の整理作業をいま始めている」と書き込んだ。

これは、米中央軍(CENTCOM)が同日、海軍の誘導ミサイル駆逐艦2隻を海峡に投入し、機雷除去に向けた事前準備を進めたことを指すとみられる。

トランプ大統領は「驚くべきことに、彼らにはこの作業を自力でやり遂げる勇気も意思もない」とも投稿した。さらに「だが非常に興味深いことに、多くの国から空のタンカーが石油を積むため米国に向かっている」と付け加えた。

トランプ大統領は、イランは惨敗しているとしたうえで、「彼らに唯一残っているのは、船舶が機雷にぶつかるかもしれないという脅しだけだが、彼らの機雷敷設艦28隻はすべて海に沈んでいる」と強調した。

ワシントン=イ・サンウン特派員 selee@hankyung.com

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