米ビッグテック4社、6740億ドル投資の行方に市場の視線 サムスン電子・SKハイニックスに追い風か

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Korea Economic Daily

期間別予測トレンドレポート

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写真:Samuel Boivin/Shutterstock
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グーグル親会社のアルファベット、マイクロソフト(Microsoft)、メタ・プラットフォームズ(Meta Platforms)、アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)の米ビッグテック4社の決算発表を前に、韓国の半導体業界が神経をとがらせている。各社が年初に打ち出した人工知能(AI)インフラへの積極投資を維持すれば、サムスン電子とSKハイニックスの高帯域幅メモリー(HBM)やサーバー向けDRAMの需要を押し上げる可能性があるためだ。

AI投資は続くか 焦点は設備投資ガイダンス

AIベースの投資情報サービスを手がけるエピックAIによると、アルファベット、マイクロソフト、メタ、アマゾンは4月29日の取引終了後、1〜3月期決算を発表する。市場が最も注目するのは、AIデータセンター整備に向けた設備投資(CAPEX)のガイダンスだ。今回の決算は四半期業績の確認にとどまらず、AIインフラ投資サイクルが続くかを見極める重要な機会になる。

海外メディアの報道を総合すると、4社の2026年の設備投資計画の合計は約6740億ドルに達する。グーグルは1750億〜1850億ドル、マイクロソフトは1400億ドル、メタは1150億〜1350億ドル、アマゾンは2000億ドル超をAIインフラに投じる方針を示している。前年の合計4100億ドルと比べると、6割超増える計算だ。

業界では、ビッグテックが短期間で投資ペースを急減速させるのは容易ではないとの見方が強い。AIサービスを巡る競争が、すでにデータセンターや電力、半導体の確保競争へ移っているためだ。シンハン投資証券は「ハイパースケーラーがAI投資を減らせば、将来の成長性に基づく企業価値が損なわれかねない。設備投資の縮小は経営陣が容易に選べる選択肢ではない」と分析した。

グーグル、クラウド成長と検索広告の鈍化が焦点

エピックAIが4社の市場予想を集計したところ、アルファベットの1〜3月期コンセンサスは1株利益(EPS)が2.63ドル、売上高が1010億〜1069億ドルとなった。直前の2025年10〜12月期はEPSが2.82ドル、売上高が1138億ドルで、市場予想をそれぞれ7.63%、8.65%上回った。今回も市場は上振れを期待している。

注目点はグーグル・クラウド(GCP)の成長だ。一部アナリストは2026年のGCP売上高見通しを848億ドルに引き上げた。前年に比べ44%増える。AIサービスの拡大でクラウド利用が増え、企業顧客のAIワークロード(モデル学習や推論などの計算処理)が本格的にクラウド基盤へ移り始めたと判断しているためだ。

一方、グーグルの伝統的な収益源である検索広告には懸念材料もある。AI検索機能の普及で、利用者が検索結果ページ上で直接答えを得る「ゼロクリック」が増え、広告表示の機会が減る恐れがあるためだ。広告調査会社eMarketerは、グーグルの2026年の広告部門成長率を11.9%と予測した。メタの予想成長率24.1%との差は大きい。グーグルがクラウドとAIインフラ投資で成長力を示しつつ、検索広告の鈍化懸念をどこまで抑えられるかが見どころになる。

マイクロソフト、Azure成長率が投資評価を左右

マイクロソフトの1〜3月期市場予想は、EPSが4.07ドル、売上高が728億ドルだ。前年同期比ではそれぞれ17.6%、15.5%増となる。最大の注目点はクラウドサービス「Azure」の成長率で、会社側は固定為替ベースで37〜38%伸びるとの見通しを示していた。

マイクロソフトはオープンAIとの協業を土台に、ビッグテックのなかでいち早くAIサービスを商用化した。生成AI機能をOffice、クラウド、開発者向けツールに素早く組み込み、企業向けAI市場を先行してきた。ただ、AIインフラ投資の負担も膨らんでいる。1月の決算発表時には純利益が前年同期比60%増えたにもかかわらず、株価は5%超下落した。業績の強さより、投資ペースの速さへの警戒感が市場で強く意識されたためだ。

今四半期のAzure成長率が会社計画に沿うか上回れば、市場の見方は変わる可能性がある。巨額のAIサーバー投資が実際にクラウド売上高の拡大につながっていると受け止められるためだ。逆に成長率が期待に届かなければ、AIインフラ投資の回収時期を巡る疑念が再び強まる公算が大きい。

メタ、広告効率の改善で成長 インフラ投資負担は重荷

メタの1〜3月期市場コンセンサスは、売上高が554億ドル、調整後EPSが6.72ドルだ。前年同期比ではそれぞれ33.91%、27.33%増となる。バンク・オブ・アメリカは、メタの1〜3月期売上高を560億ドル、EPSを7.44ドルと予想し、市場予想を上回るとみている。4〜6月期の売上高ガイダンスは575億〜605億ドルを見込む。

メタの成長を支えるのは広告効率の改善だ。インスタグラムの「Reels」における短尺動画広告の収益化は安定しつつあり、AIベースの推薦・ターゲティング技術が広告転換率を押し上げている。AI推薦システムの導入後、米国内でReelsの視聴時間は3割超増えたとされる。滞在時間が伸びれば広告在庫が増え、最適化広告の効率も高まる好循環が期待できる。

もっとも、メタもAIインフラ投資の負担から自由ではない。2026年の設備投資は1150億〜1350億ドルに達する見込みだ。推薦アルゴリズムの高度化、自社AIモデルの開発、データセンター拡張に必要なサーバー投資が増え続けているためである。広告事業のキャッシュ創出力は厚く、短期的な負担を吸収する余地はあるが、市場は投資拡大のペースと収益性を同時に点検する構えだ。

アマゾン、AWSと広告が二つの成長軸

アマゾンの1〜3月期市場予想は、売上高が1772億ドル、調整後EPSが1.63ドルだ。売上高は前年同期比で13〜14%増が見込まれる。直前の2025年10〜12月期には、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の売上高が前年同期比24%増の356億ドル、広告事業の売上高が23%増の213億ドルとなり、いずれも市場予想を上回った。

アマゾンの中核はなおAWSだ。企業がAIモデルの学習や推論をクラウドへ移す動きが広がり、AWS向けサーバー需要も増している。モルガン・スタンレーは、企業のAI計算需要がAWSへ急速に移っていると分析した。AIサービスの導入を急ぐ企業の間で、自前のデータセンターを建てるより、AWSのようなクラウド基盤を活用する流れが強まっていることを示す。

広告事業もアマゾンのもう一つの成長軸として定着した。電子商取引プラットフォームで蓄積した購買データを生かす広告商品は採算性が高い。ゴールドマン・サックスは、広告マージンの改善がAWSと並ぶアマゾンの「二重の推進力」になっていると評価した。

アマゾンは2026年の設備投資を前年より60%増の2000億ドル規模と示した。過去最大である。物流自動化とデータセンター投資の双方を含むが、市場の関心はAIインフラの比重がどこまで大きいかに集まっている。

サムスン電子・SKハイニックス、メモリー受注は続くか

韓国の半導体業界が今回の決算発表を注視するのは、ビッグテックの投資計画が最終的にメモリー受注につながるためだ。AIデータセンターにはエヌビディア製GPUのようなAIアクセラレーターだけでなく、HBM、大容量サーバーDRAM、企業向けSSDが大量に使われる。いずれもサムスン電子とSKハイニックスの供給分野だ。

とりわけHBMはAIサーバーの中核部品として定着した。GPUと一体でパッケージ化され、大規模演算処理に使われる。AIモデルが大型化し、推論需要が増えるほど、より高い帯域幅と大容量を備えたメモリーが必要になる。ビッグテックがAIデータセンター投資を続ければ、韓国メモリーメーカーの中長期需要見通しも改善しやすい。

サムスン電子は1〜3月期の暫定業績で、売上高133兆ウォン(約13兆9000億円)、営業利益57兆2000億ウォン(約6兆円)を記録し、創業来最高業績となった。DRAMの契約価格は前四半期比90〜112%急騰し、NAND価格も80〜93%上昇した。ビッグテックの決算でAIインフラ投資計画が市場期待に沿うか上回れば、4〜6月期以降もメモリー需要が簡単には失速しないとの見方が強まりそうだ。

SKハイニックスはHBM効果を最も直接的に受ける企業に挙げられる。1〜3月期の営業利益率は72%と、サムスン電子の43%、エヌビディアの65%、TSMCの58.1%を上回った。HBM市場のシェアも約59%で首位を維持している。収益構造がビッグテックのAIアクセラレーター需要と密接に連動しているためだ。

業界関係者は「今回のビッグテック決算は、AI投資熱が実際の産業需要につながっているかを確かめる場になる」と語った。エピックAIは「今回の決算がAIバリューチェーン全体の構造的成長シナリオを再確認する契機になるのか、それとも短期調整の材料を与えるのか、綿密に見守る必要がある」と指摘した。

ホン・ミンソン 韓経ドットコム(Hankyung.com)記者 mshong@hankyung.com

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