「反対意見に備えよ」 ケビン・ウォーシュ氏に突き付けられた課題【Fedウォッチ】

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Korea Economic Daily

期間別予測トレンドレポート

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トランプ大統領の圧力にどう向き合うか

中央銀行の独立性を守れるかが焦点

FRB内での支持固めが鍵

写真:Steve Travelguide/Shutterstock
写真:Steve Travelguide/Shutterstock

ジェローム・パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が主宰する最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)が4月29日(現地時間)に開かれた。市場の関心は、次期議長候補のケビン・ウォーシュ氏が率いる体制へ移った場合、金融市場にどのような影響が及ぶかに集まっている。

今回のFOMCでは、12人の委員のうち4人が声明文の内容に反対した。4人が異論を唱えるのは極めて異例で、1992年以降で初めてだ。

反対の理由は割れた。スティーブン・ミラン委員は据え置きではなく、25ベーシスポイントの利下げを主張した。政治的立場が鮮明なハト派といえる。

一方、別の3人は、この日の声明で利下げを示唆するような文言を修正しなかった点に反対した。こちらは「タカ派トリオ」と呼べる。

JPモルガンは、この異例の反対票をウォーシュ氏へのメッセージと受け止めた。「我々は反対意見を出すこともある。備えておけ」という意味合いだという。

パウエル議長の任期は5月15日までだ。パウエル氏は4月29日の記者会見の冒頭、これが最後の記者会見だと述べたうえで、次期議長となるウォーシュ氏に祝意を示した。ウォーシュ氏が5月からFOMCと記者会見を主宰するのは確実な情勢だ。

ウォーシュ氏は4月29日午前、上院銀行委員会で13対11の支持を得た。5月15日までに本会議を通過すれば、議長就任そのものに大きな支障はない見通しだ。ただ、同氏が向き合う課題は、パウエル氏以上に複雑かもしれない。

マクロ経済の環境が入り組んでいることもあるが、最大の論点はトランプ大統領への対応だ。英誌エコノミストは、インフレ率が目標を5年間上回る局面でも大統領が利下げを求め続けている現状について、FRBがこの50年で最大の危機に直面していることを意味すると評価した。

当面の焦点は5月の金利判断だ。イラン戦争を受けた原油高は、利下げが難しい状況を生み、場合によっては利上げの検討すら必要になる。それでもトランプ大統領は意に介さない。トランプ氏の事実上の代理人とされるミラン委員が利下げに1票を投じたことも、大統領が利下げを望んでいることを示している。

もっとも、FRB議長でも持ち票は1票にすぎない。12票のうちの1票を持つだけだ。説得はできても、自由に統制できるわけではない。4人の反対票が示した通り、ウォーシュ体制では内部の分裂がさらに深まる可能性がある。

パウエル議長が理事職を続ける意向を示したことも、4月29日の記者会見で大きな論点になった。ウォーシュ次期議長は、前任者が見守るなかでFOMCを主宰し、結論を導かなければならない。かなり難しい立場に置かれそうだ。

5月の初陣を見極める必要はあるが、エコノミストは、ウォーシュ氏が成功するかどうかは中央銀行の独立性を守る姿勢をどこまで示せるかにかかっていると分析した。そうした姿勢を示し、FRB内で味方を固めることができれば、自ら主張してきたバランスシート縮小の実行にも道が開けるという。

ワシントン=イ・サンウン特派員 selee@hankyung.com

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