概要
- トランプ大統領はイランと 「非常に前向きな対話」 を交わし、経済制裁の解除 の可能性に言及した。これを受けて 原油価格の急落 と ナスダックの最高値更新 が起きたと伝えた。
- イランが核開発放棄とホルムズ海峡開放を条件に、米国の 経済制裁の解除 を検討していることで合意の可能性は高まったが、実際の 協議進展 を示す兆候は乏しいと伝えた。
- トランプ大統領の軍事オプションの現実味低下、米国の 経済的圧力 の継続、イスラエルの軍事的変数などから、協議は長期化する可能性がある。戦争リスク と 原油価格の変動性 はなお残ると伝えた。
期間別予測トレンドレポート



ドナルド・トランプ米大統領は5月6日(現地時間)、記者団に対し、過去24時間にイラン側と「非常に前向きな対話」を交わしたと明らかにした。原油価格は急落し、ナスダック総合株価指数は再び最高値を更新した。
もっとも、市場の好反応とは別に、ワシントン全体にはなお様子見の空気が漂う。協議進展への期待はあるものの、最後まで見極める必要があるとの受け止めが強い。
米ニュースサイトのアクシオスが報じた内容は、イランが同意した案というより、米国が望む枠組みに近い。ただ、当初案と比べれば、イランが受け入れられない条件はかなり減った。実際に合意へ進む余地が大きく広がったのは確かだ。
米国の初期提案には、レバノンの武装組織ヒズボラのようなイランの代理勢力への支援停止、弾道ミサイル開発の中止、ウランの即時搬出などが盛り込まれていた。ほぼ全面降伏の要求に近く、イランには受け入れが難しかった。一方、当時のイラン案も極端で、米国が受け入れられる内容ではなかった。
足元では、交渉の柱となる項目はかなり絞られている。骨格は、イランが核開発を放棄し、ホルムズ海峡を開放することだ。米国はその見返りに経済制裁を解除し、イランの国際社会復帰を後押しする。これは戦争前からあった合意の枠組みでもあり、現実的な案といえる。
イランが5月6日、米国側の提案を検討していると表明したこと自体も前向きな材料だ。イランメディアは、核問題が協議されているとの見方を否定し、アクシオスの報道は米国の宣伝だと切り捨てた。ただ、戦争終結を巡る問題は協議していると評価した。
もっとも、事態の急速な進展を妨げる要因もある。米国はイランに対する封鎖作戦を解除していない。5月6日も、イラン発とみられるタンカーを米軍艦が阻止したとの報道があった。最終的に双方が封鎖解除を目標として共有していても、駆け引きが続けば交渉は長引く可能性がある。
両国間で実際の進展を示す具体的な兆候が見えない点も、不安を誘う。5月5日のマルコ・ルビオ米国務長官の記者会見でも、こうした合意進展への言及はなかった。ルビオ長官は、こうした動きを把握していないようにも映った。国家安全保障担当の要職にあるルビオ長官が十分につかんでいない交渉が、どこまで具体的に進んでいるのかとの疑問は残る。
米国の対イラン圧力の手段が細っている点も焦点だ。トランプ大統領は、合意に至らなければ爆撃が始まると発言してきたが、その可能性は次第に低下している。今後は軍事的圧力よりも、経済的圧力に軸足を置く局面が続きそうだ。イラン国内で物価が急騰し、経済情勢が悪化しているのは事実だが、5月6日には一部メディアが、国内の原油貯蔵施設にはなお追加余力があると報じた。
また5月6日、イスラエルのネタニヤフ首相は声明で、イスラエルと米国はイラン国内の濃縮ウランを除去するという目標を共有していると表明した。トランプ大統領も、その目標は何らかの形で達成できると考えているとした。これは、軍事的に対イラン攻撃を再開する余地をにじませる。戦争を容易に終わらせたくないイスラエルの意思が、変数として残っていることを示す。
こうした状況を総合すると、「終わるまで終わりではない」という言葉が浮かぶ。ただ、事態の収拾を急ぐ米国の意思は強い。イランにとっても、国際社会を人質に取る形でホルムズ海峡の封鎖を永遠に続けることは難しい。すべてを敵に回せば、イランが目指す国際社会への復帰は実現できない。時間の長期化に伴う負担は双方にある。現実的な妥協点をどう見いだすかが焦点となる。
ワシントン=イ・サンウン特派員 selee@hankyung.com

Korea Economic Daily
hankyung@bloomingbit.ioThe Korea Economic Daily Global is a digital media where latest news on Korean companies, industries, and financial markets.





