概要
- 中東地域の緊張の高まりにより、国際原油価格と金価格が急騰し、ニューヨーク株式市場の主要指標が一斉に下落したと報じた。
- ホルムズ海峡封鎖懸念から原油供給の支障が浮上したが、実際の長期封鎖の可能性は低いとの分析が出た。
- ウォルマートやアマゾンのステーブルコイン発行検討の報道を受け、Visaやマスターカードなどの決済銘柄が大幅下落したと伝えた。

中東地域の緊張の高まりにより、イスラエルによる昨夜の奇襲空爆やイランのミサイル報復などの影響で、国際原油価格と金価格が急騰し、ニューヨーク株式市場で主要3指数が一斉に下落する衝撃が広がった。ロッキード・マーティンやRTXなどの防衛関連企業、およびエクソンモービルやシェールエネルギー企業を除くほとんどの銘柄が下落を免れなかった。
現地時間13日、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)では、S&P500指数が前営業日比68.29ポイント(1.13%)安の5,976.97となり、6000ポイントを再び割り込んだ。技術株中心のナスダックは、アップルやマイクロソフトなどが下落し、前日比256.66ポイント(1.3%)安の19,406.83、ダウ・ジョーンズ工業平均指数は769.83ポイント(1.79%)下落の42,197.79で取引を終えた。
米国債利回りは、消費者指標の回復と原油価格の高騰によるインフレ懸念から一斉に上昇した。米連邦準備制度(Fed)の金融政策に左右される2年債は、前営業日比4.4bp(1bp=0.01%ポイント)上昇の3.95%、10年満期米国債利回りは5bp上昇し4.407%を記録した。イスラエルによるイラン攻撃により、この日西テキサス産原油(WTI)7月物はニューヨーク・マーカンタイル取引所で約8%高の1バレル72.54ドルまで急騰し、北海ブレント原油も7%超上昇してバレル当たり74ドル台で推移した。
● イラン、核交渉中断…イスラエルに大規模報復空爆
イスラエルは昨夜、「ライジング・ライオン」作戦を通じてイラン核施設を含む200カ所以上の目標に対して空爆を実施した。これに応じてイラン側も核交渉を中断し、イスラエルに向けて数百発の弾道ミサイルを発射する大規模報復攻撃を行った。
イラン国営通信は「強硬な報復作戦が開始された」とし、「シオニズム政権の最近の残虐な攻撃に対して強力かつ決定的な対応を開始した」と発表した。イランの最高指導者ハメネイは声明で「シオニズム政権は犯罪の結果から無事で済むことはできないだろう」と述べた。
ドナルド・トランプ大統領は当日、FOXニュースなどで「イランの核は容認できない」と述べ、交渉のテーブルに戻るよう促したが、イスラエルとイランの激しい応酬により、今週日曜に予定されていた第6回核協議は無期限延期となった。
この日イランのミサイルによる報復攻撃で、テルアビブではアイアンドームが作動したものの、一部施設が損傷を受けた。NBCニュースによると、イランの地下核濃縮施設付近でも2度の爆発音が伝えられるなど、緊張が続いている。
イスラエル国防省は、今回の作戦を通じてイラン革命防衛隊司令官であるホセイン・サラミら主要指揮体系の幹部や核科学者6人などを排除したと発表した。米NBCニュースによれば、今回の先制攻撃はイランの核プログラムを標的とするだけでなく、イランの長距離ミサイル能力を低下させる意図もあったとされた。

● ホルムズ海峡封鎖の可能性は…急騰する国際原油価格
イスラエルのイラン空爆後、ホルムズ海峡封鎖への懸念から国際原油価格が約7%急騰し、国際金価格もトロイオンス当たり3,400ドル台を突破した。原油供給への支障への懸念が市場を揺るがしたが、ウォール街のエネルギー専門ストラテジストらは、実際に原油輸送路が完全に遮断される可能性には懐疑的な見解も示している。
ホルムズ海峡はペルシャ湾とアラビア海を結ぶ場所で、1日約2,000万バレル、世界の原油輸送の約5分の1を占める要衝だ。アラビア海とイランの間の距離は33kmにすぎない場所もあるが、UAEやオマーンなどが入り組んだ地形的特徴により、歴史上封鎖されたことは一度もなかった。
ブルームバーグなどによると、エナジーアウトルック・アドバイザーズのアナス・アルハジ・マネージングパートナーは「ホルムズ海峡の大部分はイランが封鎖できないほど十分に広い」とし、「イランの消費財のほとんどが流入するルートも遮断しなければならない場所だ」と説明した。RBCキャピタル・マーケッツのヘリマ・クロフトも「バーレーンに駐留する米第5艦隊の存在により、イランが海峡を長期間封鎖するのは極めて困難」と分析した。
トランスバーサル・コンサルティングのエレン・ウォルド代表は、封鎖による原油価格の急騰がイランの最大の原油顧客である中国の反発を招く可能性があると懸念を示した。米国の制裁措置などにより、イランは中国への原油輸出に4分の3以上を依存している。
こうした中、米国の消費者心理が回復し、インフレへの市場の懸念を高めた。ミシガン大学が集計した消費者信頼感指数の6月速報値は、前月の52.2から60.5へと1か月で16%急騰した。1年先のインフレ期待値は5月の6.6%から6月は5.1%へと低下したものの、この日の中東危機で意味が薄れた。ジョアン・シュー・ミシガン大学調査責任者は「消費者は4月の関税ショックからある程度安定を取り戻したものの、依然として経済全体の下方リスクに備えている」と診断した。ミシガン大学は消費者個人の財政状況や労働市場、株式市場の見通しなど調査項目のほとんどが昨年下半期の楽観論には及ばないと懸念した。
米先物市場などによると、今月18日に開催される6月連邦公開市場委員会(FOMC)後、声明を公表する予定の米連邦準備制度理事会(Fed、FRB)は、政策金利を4.25%~4.50%の範囲で据え置く可能性が高いとみられている。ただし、ウォール街のエコノミストらは、トランプ前大統領の関税以前の在庫一掃やサプライチェーンの迂回などで消費者インフレ刺激が予想より抑えられているとしつつも、6月以降この影響が本格化する可能性を注視している。EYパルテノンのグレゴリー・ダコ主任エコノミストは、FRBの6月会議を前に「最近FRBは経済見通しをめぐる不確実性が高まる中、政策金利調整に急ぐ様子を見せていない」と伝えた。

● テスラ ロボタクシー発売準備...ショーン・ダフィ「認可手続き簡素化」
トランプ政権が自動運転車の配備を容易にする方針を発表し、テスラ株は取引時間中3%近く上昇した。米国の自動車安全基準では、現時点でステアリングホイールやブレーキペダルなど人の操作が可能な装置のない自動運転車は「規格外」の項目に該当する。
ショーン・ダフィ米国運輸長官は声明で「不要な手続きが開発者を縛り、最新技術に追いつくことができなかった」とし、「米国自動運転車企業が競合他社より優位に立てるよう手続きを簡素化した」と強調した。米道路交通安全局(NHTSA)のピーター・シムシャウザー主席顧問も「自動運転車の商業的導入を支援し、イノベーションを促進する」と付け加えた。
今回の措置により、ステアリングホイールやブレーキペダルなしにコンピューティング性能のみで運行するテスラのロボタクシー(Robotaxi)をはじめ、ウェイモなど自動運転車の設計や生産が加速すると見られる。テスラは今月22日から、リモートオペレーターの監督下でモデルY車両を使った自動運転タクシーをテキサス州オースティンで正式サービス開始する予定だ。
ボーイングは241人の死者を出したエアインディア171便墜落事故関連で、インド当局が787ドリームライナーの運行停止を検討しているとの報道を受け、1%超下落した。ボーイングは来週予定されているパリエアショーへの参加も取りやめた。今回の事故に関し米国家運輸安全委員会(NTSB)や英国航空事故調査局などが調査チームを派遣する予定。
個別企業では、オラクルが好決算発表後2日間の上昇を続け、2001年以来週間最大となる24%の上昇を記録し、デルタ航空やユナイテッド航空など米大手航空会社はボーイング事故と地政学リスクで同時下落した。
米大手決済企業はウォルマートやアマゾンが独自のステーブルコイン発行を検討しているとウォール・ストリート・ジャーナルが報じたことで大幅下落した。世界最大の決済企業Visaが約5%、マスターカードは4.6%超下落した。ステーブルコインは既存の銀行や決済システムを迂回できる手段の一つで、カード手数料なしに取引処理が可能とされる。ただし、両大手小売は現在米上院で審議中の仮想通貨関連規制法案GENIUS Actが可決されなければ関連技術導入を進めることができない。
ドナルド・トランプ大統領が行政命令で支援する電動垂直離着陸機(eVTOL)パイロットプログラム関連で、アーチャー・アビエーションが有償増資発表を受けて取引時間中15%超下落した。アーチャー・アビエーションは8億5,000万ドル規模の有償増資で新たなAI航空プラットフォームを構築し、2028年ロサンゼルスオリンピックまでにエアタクシーサービス導入を目指す構えだ。
個別銘柄ではオラクルが好調な決算発表を受けて2日連続でラリーを継続し、2001年以来週間最大の24%上昇となり、デルタ航空とユナイテッド航空など米大手航空会社はボーイング事故や地政学リスクでそろって下落した。
米大手決済事業者は、ウォルマートやアマゾンが独自のステーブルコイン発行を検討中とのウォールストリート・ジャーナル報道で大幅に下落した。世界最大の決済企業Visaは約5%、マスターカードは4.6%超下落した。ステーブルコインは従来の銀行や決済システムを迂回できる手段の一つで、カード手数料を払わずに取引の処理が可能となる。ただし両大手小売は、現在米上院で審議中の暗号資産規制法案「GENIUS Act」が可決されてこそ関連技術の導入が実現できる。
ドナルド・トランプ大統領が大統領令で支援するeVTOLパイロットプログラム関連でアーチャー・アビエーションは有償増資発表を受けて取引時間中に15%超下落した。アーチャー・アビエーションは8億5,000万ドル規模の増資を通じて新しいAI航空プラットフォームを構築し、2028年ロサンゼルスオリンピックまでにエアタクシーサービス導入を加速させる方針だ。
キム・ジョンハク記者 jhkim@wowtv.co.kr

Korea Economic Daily
hankyung@bloomingbit.ioThe Korea Economic Daily Global is a digital media where latest news on Korean companies, industries, and financial markets.



