概要
- 米上院で「GENIUS法案」が可決され、ステーブルコイン発行時に100%準備金保有と会計監査義務が導入されたと報じています。
- 今回の法案でステーブルコインが正式な金融手段と認められ、投資家の安定性確保が期待できると示唆しています。
- 米国債を担保とするステーブルコイン需要増大が、米国債価値上昇の重要な要素となりうると伝えています。
100%準備金の保有を義務付け
法的枠組みを整備…安定性が向上
銀行・一般企業もコイン発行が可能
需要が増えるほど米国債の価値が上昇

ステーブルコインを規制する、いわゆる「GENIUS(ジーニアス)」法案がアメリカ上院本会議を17日(現地時間)に通過しました。ステーブルコインの制度的基盤を整備するだけでなく、その担保として利用される米国債の価値向上にもつながるとの期待が高まっています。
GENIUS法案はBill Hagerty共和党上院議員が発議し、一部の民主党議員も共同提出者として参加した超党派法案です。本法案は当日上院本会議で賛成68票、反対30票で可決され、今後は下院へと送られました。
GENIUS法案は「Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins(アメリカのステーブルコインのための国家的イノベーションの指針と整備)」の頭文字をとったものです。法案によると、ステーブルコインを発行するには100%の準備金保有が義務付けられ、毎月の会計監査も受けなければなりません。またマネーロンダリング防止(AML)要件も順守する必要があります。
この法案は規制法案であると同時に、ステーブルコインを法的な枠組みの中で正当な金融手段として認めるものです。これにより、ステーブルコイン投資家はより安心して投資できるようになります。
市場では何より今回の法案が米国債の価値を高める点に注目が集まっています。ステーブルコインは価値担保のためにほとんどの場合、米国債を担保資産としています。ステーブルコインの需要が増加すれば発行体による国債買い増し規模も大きくなり得ます。これまでDonald Trump政権は国債金利引き下げを通じて市場に流動性供給を図ると公言してきました。
Scott Besant米国財務長官も、11日に上院予算小委員会で「米国債に裏付けされたステーブルコインに関する立法は、ステーブルコインを通じたドル利用を世界中に拡大させる」とし、「(今後のステーブルコイン時価総額予想として)2兆ドルはとても現実的な数値で、それを大きく超えることもあり得る」と述べました。
この法案では、議員とその家族によるステーブルコインでの利益獲得は禁止していますが、大統領およびその家族への制限は盛り込まれていません。これは下院通過時に障壁となる可能性のあるポイントです。Trump大統領の家族が暗号資産へ多大な投資をしていることもあり、利益相反の論争も生じています。Trump大統領の長男Trump Jr.と次男Ericは昨年9月、仮想資産プラットフォームWorld Liberty Financial(WLF)を設立し、Trumpミームコインを発行。また独自のステーブルコインUSD1もローンチしました。民主党所属のElizabeth Warren連邦上院議員(Massachusetts)は「本法案はTrump大統領の腐敗のための“スーパーハイウェイ”だ」と指摘しています。
また、規制当局の管理が可能かどうか疑問も指摘されています。本法案は連邦預金保険が適用される銀行や一般企業にもステーブルコインの発行を認めています。発行規模が100億ドル未満であれば州規制、それ以上は連邦当局の監督となります。このためステーブルコインが過剰発行されれば規制当局の行政力が追いつかなくなる懸念もあります。The New York Times(NYT)は「当局が(Silicon Valley Bankのような)預金保険付き銀行さえ十分管理できていないのに、数百・数千ものステーブルコインが発行されたらどんな問題が起きるか懸念される」と批判しました。
ニューヨーク=パク・シニョン特派員 nyusos@hankyung.com

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