概要
- 日本政府は関税交渉で「特別待遇」に固執し、戦略不足から関税率が逆に上昇したと伝えた。
- 石破首相がトランプ大統領と深い対話をできず、トランプ大統領の真意を読み切れなかったことが最大の失因とされた。
- 自動車産業保護など既存戦略が通用せず、選挙など国内要因で交渉余地が狭まったとの批判が出たと伝えた。
日本で「関税交渉失敗」の自省論が広がる
トランプ大統領、第1期とは異なる交渉スタイル…安倍政権時の経験で交渉カード提示
「同盟特権」に頼り、戦略なしで関税撤廃を固執…関税率が逆に上昇

ドナルド・トランプ米国大統領から25%の「関税通告書」を受け取った日本は衝撃に包まれた。関税交渉の失敗という「自省論」が強まっている。今年4月から7回もの交渉を重ねたにもかかわらず、関税率が4月発表時よりもさらに1%ポイント上昇したためである。特に石破茂首相(写真)が米国との首脳会談で首脳間の深い対話ができず、トランプ大統領の真意を読み切れなかったことが最大の失因だという声が上がっている。日本メディアが指摘する失敗要因を挙げる。
(1) 「特別待遇」に固執した日本
日本が日米同盟を前提とした「特別待遇」に固執したことが第一の失策となった。石破首相がトランプ大統領と初めて会談したのは今年2月、ワシントンD.C.で行われた首脳会談であった。トランプ大統領はその際、関税問題を持ち出さず、日本政府内では「米国から特別待遇を受けている」という錯覚が広がった。最初の判断が誤っていたという指摘だ。日本経済新聞は「特別待遇への執着が誤算となり、交渉の停滞につながったという声が政府内から出ている」と伝えた。
(2) トランプ第2期への誤認
日本はトランプ第2期政権の力学も正しく読めていなかった。トランプ大統領は第1期では政治経験に乏しく、日本との貿易交渉も一部を閣僚に委ねていた。しかし、第2期の政権ではトランプ大統領の発言力が急激に強まった。
赤沢亮正経済再生担当大臣は7回米国を訪問し、財務・商務両長官および米通商代表部(USTR)の代表ら3者と交渉したが、成果には結び付かなかった。閣僚級交渉の内容がトランプ大統領に十分伝わっていなかった、というのが後になっての評価だ。外務省幹部は「トランプ大統領は政治経験がなかった頃、安倍晋三元首相に依存していた時代とは全く別人だ」と述べた。
(3) トランプ大統領の真意を読めず
石破首相も黙っていたわけではない。彼はトランプ大統領と4度電話で会談し、6月にカナダで行われた首脳会談では、対米投資や経済安全保障協力策を再度提示した。しかしトランプ大統領は「もっとシンプルな案を出してほしい、これは不可だ」と一刀両断した。
当時、両国側の同席者間で農産物に関する議論を繰り広げていたが、トランプ大統領は目を閉じてほとんど話さなかったという。「眠そうだった」と日本政府関係者は伝えている。読売新聞は「最大の失敗は、首脳間で深い対話を持てなかったためにトランプ大統領の真意を読み切れなかったこと」と指摘した。日本政府内では「貿易赤字をゼロにする」といったもっと分かりやすいカードが必要なのかもしれないという声も上がっている。交渉手法の見直しが必要だとしている。
(4) 関税全面撤廃主張が裏目に
石破首相は今月8日の関税対策会議で交渉継続を指示したが、この間頻繁に使っていた「関税撤廃」という表現は用いなかった。日本は交渉初期から自動車および鉄鋼・アルミ関税を含む相互関税の完全撤廃を「可能だ」と見ていた。
日本三大経済団体の一つ経済同友会の新浪剛史会長は8日、フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューで「関税全面免除に固執したことで、トランプ大統領に『裏切られた』と感じさせた可能性がある」と述べた。交渉団はより柔軟さを見せるべきだったという指摘だ。また新浪会長は「日本は今月、参議院(上院)選挙を控え、取引をまとめる余地が狭まっている」と診断した。さらに「自動車産業を守るために米を犠牲にしないという日本側の固執が、トランプ大統領と温かい関係を保っていた安倍元首相の遺産を損なった」と批判した。
(5) 第1期の成功体験が生きず
トランプ大統領の第1期における交渉成功体験を踏襲しようとした試みも失敗に終わった。当時、米国は環太平洋経済連携協定(TPP)離脱を宣言した直後だった。日本は米国産牛肉・豚肉の関税をTPP水準に引き下げるカードを切るなどし、自動車関税を回避した。
今回は対米投資や造船など経済安全保障の協力案、トウモロコシや大豆など農産物の輸入カードを示したが、相互関税など複数項目が絡み合い難航している。米国の狙いはコメ市場の開放だが、日本は選挙を控えているためコメを交渉カードにしにくい。
東京=金イルギュ特派員 black0419@hankyung.com

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