「首都が汚れれば国が汚れる」トランプ、ワシントンD.C.掌握開始

ソース
Korea Economic Daily

概要

  • トランプ大統領がワシントンD.C.に州兵連邦要員を投入し、警察統制権を確保したことは、投資家にとって政治リスクが高まっていることを示唆していると伝えた。
  • ホワイトハウスはワシントンD.C.の高い殺人事件率を「国の恥辱」と強調したが、警察庁は数値が低下したと明らかにし、治安不安を巡る評価が分かれているとした。
  • トランプ大統領がシカゴやニューヨークなど民主党優位地域への連邦政府介入拡大の可能性に言及し、投資家は今後の政策の変動性に注目すべきだと伝えた。

ドナルド・トランプ米大統領はワシントンD.C.の警察統制権を掌握し、同地域に800名の州兵を派遣することを決定した。2024年6月、カリフォルニア州ロサンゼルスの抗議へ対応するため州兵や海兵隊などを投入したトランプ大統領は、連邦政府の関与がより容易なワシントンD.C.で大統領権限を試す形となった。今後、シカゴやニューヨークなど民主党勢力の強い地域へも相次いで介入する可能性が指摘されている。

800人の州兵、500人の連邦要員

トランプ大統領は11日(現地時間)、ホワイトハウスでD.C.地域の自治法(Home Rule Act)第740条を発動し、この地域に「犯罪非常事態」を宣言し、連邦政府がこの地域の警察統制権を持つ内容の大統領令に署名した。彼は「犯罪と流血、無秩序、さらにはそれ以上の状況からわが国の首都を救うための歴史的措置」だとして、「首都が汚れてしまえば国全体が汚れる」と述べた。

法務長官のパム・ボンディは、D.C.地域の警察統制権を即時に確保した。この法に基づき、大統領は特別な状況下でD.C.警察を最長30日間統制できる。この期間が過ぎると、議会が連邦政府による統制期間延長を許可しない限り、地方自治体に管轄が戻る。

トランプ大統領はまた、国防長官ピート・ヘッグセスにD.C.地域へ派遣する州兵の召集を命じた。州兵は主に地元住民で構成され、200人ずつ交替で24時間勤務し、警察支援と犯罪抑止の任務を担う予定だ。

さらに、連邦捜査局(FBI)、麻薬取締局(DEA)、アルコール・タバコ・火器取締局(ATF)、公園警察など約500人の法執行員がワシントンD.C.のパトロール業務に投入される。ホワイトハウスはこの日、ワシントンD.C.の殺人事件発生率(2024年基準で10万人あたり27.3件)が、コロンビアのボゴタやメキシコシティなど世界で最も危険な地域を上回っているとし、「国としての恥辱だ」と主張した。一方、ワシントンD.C.警察庁はパンデミック直後に高かった数値が現在は12件程度に低下したと強調している。

「D.C.は連邦政府が統治すべき」信念

トランプ大統領によるD.C.への連邦要員派遣は初めてではない。米大統領は連邦政府所属で働く数万人に対する統制権を持つ。2020年6月、ホワイトハウス近くのラファイエット・スクエアで「Black Lives Matter(BLM)」デモが開催された際も、トランプ大統領はFBIなど連邦要員を動員しデモ隊を解散させた。

今回は特別な大規模デモがなかったにもかかわらず州兵投入などを決断したのは、トランプ大統領の政治的な動きとの評価が多い。ワシントンD.C.は正式な州ではないものの象徴性が高いため、大統領権限を試すには適切だ。トランプ大統領は長らくD.C.を連邦政府が直接統治すべきだと主張してきた。

そうした中、発生した暴行事件が決断の契機となった。イーロン・マスク率いるテスラの元政府効率部(DOGE)のメンバーで、現在も米国政府で働くエドワード・コリスティン(通称「ビッグ・ボールズ」・19歳)が今月3日未明、ワシントンD.C.のデュポン・サークル付近で10代の若者約10人に襲われた。この地域は昼は治安が良いが、夜になると歓楽街となりやや危険と評価されている。

トランプ大統領は5日、血まみれになった彼の写真を投稿し「ワシントンD.C.は世界から見ても安全できれいな都市でなければならない」と強調した。D.C.の中心部にあるホームレスのテントやグラフィティについても不快感を隠さず、この日「ホームレスキャンプを撤去し、彼らを市外に移動させる」と発表した。

民主党の勢いを削ごうとする措置と解釈できる。トランプ大統領はこの日の会見でシカゴやニューヨークなど民主党優位の都市が「次の順番になる可能性がある」とした。ただし、これらの地域には州兵投入は可能だが警察統制権の確保はできない。

民主党は反発しているが声は小さい。クリス・バン・ホーレン上院議員(民主・メリーランド州)は「露骨な権威主義的権力奪取」だとして、「首都で独裁者の予行練習をしている」と批判した。一部議員は警察を連邦政府が統制できないようにする法案を提出する考えを示したが、既に手遅れとの見方もある。民主党はトランプ大統領が2021年1月6日の選挙結果に異議を唱えて議会議事堂に侵入した自身の支持者らの行動を「軽微なもの」として恩赦した点を強調している。誰が真の法の守護者なのかを見極めるべきだと主張している。

ミュリエル・バウザー ワシントンD.C.市長はトランプ大統領の権限行使を阻止できないとし、「D.C.が州へ格上げされ連邦権力の干渉から守られるべきだ」と主張した。また、州兵の現場投入効果に懐疑的で「人員・予算の増強がより効果的」と述べた。

ワシントン=イ・サンウン特派員 selee@hankyung.com

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