トランプがレアアース・鉄鋼の支配権を確保…今度は「チップの最高指揮権者」への野心

ソース
Korea Economic Daily

概要

  • トランプ政権がインテル株取得を進め、半導体など主要戦略物資への影響力を強化しようとしていると伝えた。
  • 株式取得のニュースによりインテル株が7.38%急騰し、ファウンドリー事業強化で米国のAIや先端電子分野でのリーダーシップ確保が期待されていると述べた。
  • トランプ政権が鉄鋼・レアアースなど基幹産業に続き半導体まで支配権を拡大する中、経営権介入を巡るウォール・ストリート・ジャーナルの懸念も報じられた。

インテルCEOと会談から1週間で…株式取得を推進


トランプの説得に成功したタンCEO

中国との癒着疑惑など積極的に説明した模様

売却資金はファウンドリー工場に投入


株式取得のニュースでインテル株は7.38%急騰

米国は、戦略産業を育てる中国への対抗策

生産設備の移転・物流供給元など

米政府に決定権を与えると

WSJ「中国式に似てきている」との批判も

ドナルド・トランプ米国政権によるインテル株式取得の動きは、半導体など主要戦略物資への政府の影響力を強めようとする動きと解釈されている。最近、鉄鋼やレアアースなど基幹産業の支配権を確保したのに続き、半導体産業も掌握しようという動きだとされる。「チップの最高指揮権者」(ニューヨーク・タイムズ)との評価が出るほどだ。中国が「見せかけの民間企業」へ莫大な補助金を投入して戦略産業を育成することへの対抗色が濃い。

◇窮地のタン、ディールは成功したか

14日(現地時間)、テック業界によれば、トランプ政権とリップ・ブー・タン最高経営責任者(CEO)の関係はわずか1週間で急変した。トランプ大統領は7日、自身のSNS「トゥルースソーシャル」で「タンCEOは直ちに辞任すべきだ」と圧力をかけた。ベンチャー投資家出身のタンCEOの投資経歴が問題視されたためだ。投資先企業の多くが中国軍と繋がりがあるとの疑惑が浮上したことが背景にある。

タンCEOに対するトランプ大統領の攻勢は、11日のホワイトハウス会談以降、和らいだ。ホワイトハウスでタンCEOに会ったトランプ大統領は「驚くべきサクセスストーリー」と180度変わった態度を示した。そして「タンCEOや政府関係者が来週一緒に時間を過ごし、私に提案を持ってくることになるだろう」とし、取引の可能性を示唆した。

ワシントン政界では、タンCEOがホワイトハウスの会談でトランプ大統領に癒着疑惑を積極的に説明し、追加のディールを提案したのではないかとみられている。インテルのファウンドリーを国益の観点で重視するトランプ大統領を説得することに成功したということだ。

トランプ大統領がタンCEOの辞任を要求した背景には、半導体法などによる多額の政府支援を受けているインテルトップが中国に癒着する可能性への懸念があった。しかし米政府も2022年にファウンドリー再建を宣言したインテルが再びファウンドリー事業を手放すのを黙認しづらい状況だ。AIチップの主要製造拠点であるファウンドリーを台湾(TSMC)や韓国(サムスン電子)など同盟国に全面的に依存することになるためだ。

6日にはシャルリン・バシェフスキーら元インテル取締役が寄稿で「インテルのファウンドリー部門撤退はAIと先端電子機器分野における米国のリーダーシップをTSMCとサムスン電子の両社に委ねることだ」と主張した。トランプ大統領もインテルのファウンドリー強化のため、年初にエヌビディアなど米企業だけでなくTSMCにもインテル投資を促したとされる。

ファウンドリー事業維持を目指すタンCEOも、トランプ大統領とは利害が一致したというのが業界の見方だ。フランク・イエリー取締役会会長は、2022年以降赤字が続くファウンドリー事業部を売却しようとしている。これに対し、タンCEOは「ファウンドリーを立て直す」という立場を公言している。トランプ大統領が地政学的な観点からインテルのファウンドリー事業に力を貸せば、取締役会から圧力を受けているタンCEOの立場が強化される見通しだ。

◇「基幹産業」への影響力を強めるトランプ

トランプ政権は近年、鉄鋼やレアアースなど他の基幹産業にも影響力を拡大している。今年6月、日本製鉄によるUSスチール買収を承認し、米政府が「黄金株」を持つとの前提を付した。本社や生産設備の移転、原材料・サプライチェーンの変更などの決定権を米政府に与える内容だ。

先月10日には、米国防総省が米国内唯一のレアアース採掘企業MPマテリアルズに4億ドル(約5,500億ウォン)を投資し、株式15%を確保した。MPマテリアルズは2028年に完成予定の米カリフォルニア州マウンテンパス鉱山で採掘するレアアース磁石を10年間、国防総省に全量供給することにした。インテル株式取得の方法もMPマテリアルズの前例に倣う可能性が高い。トランプ政権が企業経営に公然と介入しようとしている姿勢に対し、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は「中国型社会主義に似てきている」と批判した。

これまで米政府による企業の経営権取得は「チャプター11」と呼ばれる破産手続きによって行われてきた。グローバル金融危機時の2009年、バラク・オバマ政権は経営危機に陥ったゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの株式を取得したが、いずれも翌年および2011年に全て売却した。

シリコンバレー=キム・インヨプ特派員 inside@hankyung.com

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