概要
- 上海協力機構(SCO)首脳会議で 米国の覇権主義をけん制する 共同声明が出るか注目されると伝えた。
- プーチン大統領は エネルギー同盟 の強化を強調し、中国とインドにロシア産エネルギーの取引を説得していると明らかにした。
- 各国の利害関係が異なるため、共同行動の実質的成果については慎重に見守る必要があると伝えた。
上海協力機構首脳会議が31日に開催…中・露・印の首脳が一堂に
習近平、戦勝節・SCOで勢を誇示
米国の覇権主義をけん制するため勢力を結集
トランプ批判の声明が出るか注目
資金繰りが厳しいプーチン、エネルギー同盟を強調
ウクライナ侵攻後、欧州への輸出ルートが閉ざされた
中国・インドにエネルギー取引を説得
モディ、米関税の直撃を受け中国に接近する動き
会議出席のため7年ぶりに中国へ
戦勝節の行事を欠席し中立外交

「アメリカ・ファースト」を押し進めるドナルド・トランプの第2期政権が発足して以降、初めて中国、ロシア、インドの首脳が一堂に会する。31日から2日間、中国の天津で開かれる上海協力機構(SCO)首脳会議である。SCO首脳会議が中国主導の行事であることから、3国の首脳が米国主導の世界秩序に反対の声を上げるか注目される。しかし各国の利害関係が異なるとの指摘もある。習近平国家主席は『反米連帯』に焦点を当てているが、ウラジーミル・プーチン大統領は自国の立場を拡大しつつ原油・ガスの販売ルート確保に関心を注ぐと見られる。ナレンドラ・モディ首相はトランプ政権の関税圧力をけん制する意図がある一方で、米国主導のクアッド(米・日・豪・印の安全保障協議体)にも参加しており、中国に傾く可能性は低い。
◇ 中国 "一方主義は深刻な害をもたらす"
SCOは中国とロシアが主導する政治・経済・安全保障の協議体だ。2001年に発足した。中国・ロシア・カザフスタン・ウズベキスタン・タジキスタン・キルギス・インド・パキスタン・イラン・ベラルーシなど10か国が加盟国だ。オブザーバー2か国、対話パートナー14か国まで含めると26か国が関与している。反西側の色彩も鮮明になっている。
特に習主席が9月3日に北京で行われる戦勝節と閲兵式の前にSCOを盛大に執り行い、西側陣営に対抗する新たな世界秩序の構築を宣言するだろうと専門家は見ている。中国の国営メディア新華社は29日「一方主義と覇権、横暴、いじめは深刻な害をもたらす」と述べ、米国を直接批判した。
中国とロシア、インドはSCO首脳会議期間中それぞれ首脳会談も行う。3国の首脳が一堂に会するのは昨年10月、ロシア・カザンで開かれたBRICS(ブリックス)首脳会議以来10か月ぶりだ。中国と参加国はトランプ大統領のアメリカ・ファースト主義および覇権主義をけん制する共同声明、いわゆる「天津宣言」を出す可能性が高い。ジェレミー・チャン(ユーラシア・グループ中国・北東アジアチーム主任分析員)は「声明に米国を直接批判する内容が含まれ、インドまで共同声明に参加するならば、インドが中国・ロシア側へ方向転換していることを示す重要なシグナルになるだろう」と述べた。
習主席は今回のSCO首脳会議を通じて、トランプ大統領の外交戦略が効果を上げなかったことを強調する可能性が高い。
◇ ウクライナ戦争のさなかに中国を訪れるプーチン
プーチン大統領はエネルギー協力により重点を置くと見られる。2023年初めからロシアのエネルギー輸出のうち半分以上を中国とインドが占めている。トランプ第2期政権はロシア産原油を購入しているとして、インド製品に50%の高率関税を課した。米国が中国とインドを強く圧迫する中で、プーチン大統領はインドがロシア産原油の輸入を続け、中国がロシア産天然ガスの輸入を増やすことを望んでいる。ウクライナ侵攻で欧州諸国がロシア産天然ガスの輸入を停止し損害が拡大しているためだ。ただし容易ではない。インドは依然として中国を警戒しており、中国はロシアのエネルギーに過度に依存することを懸念している。
中国のウクライナ戦争への支持と、米中中心で展開される覇権競争の中でロシアの立場を確保することもプーチン大統領の課題とされる。特にプーチン大統領は米国と欧州からウクライナ戦争を終わらせるよう圧力を受けている。こうした状況で中国と提携を強化し外交の余地を確保しようという構想も含まれていると分析されている。
◇ モディ、微妙な綱渡り
モディ首相の今回の中国訪問は7年ぶりだ。インドはこれまで中国と国境紛争を繰り広げてきたが、最近は米国の関税圧力により中国と急速に接近している。5年ぶりに国境貿易や直行便の再開に合意した。当日1泊2日の予定で日本を訪れ、石破茂首相と首脳会談を行ったモディ首相は読売新聞のインタビューで「世界経済が不安定な状態を考慮すると、主要経済国であるインドと中国が協力して世界経済秩序の安定化を図ることが重要だ」と述べた。モディ首相はその後31日のSCO首脳会議に出席する。
ただしインドが明確に中国側に傾くのは容易ではない。モディ首相はSCO首脳会議には出席するが、プーチン大統領とは異なり中国の戦勝節の行事には欠席する。モディ首相が中国訪問前に石破首相と会談し、日本との経済協力を強化することにしたのも、米国など西側と中国のいずれにも偏らない中立外交の一環と見ることができる。北京の外交筋の関係者は「SCO首脳会議は現時点では米国を念頭に置いた同盟組織的性格が浮き彫りになっているが、共同協力体として実際の行動に結びつくかはもう少し見守る必要がある」とし、「共同行動の手段が多くなく、各国の利害関係が大きく異なり、インドは大国の間で均衡を保つ必要性が高いため成果を保証するのは難しい」と語った。
北京=キム・ウンジョン/東京=キム・イルギュ特派員/イ・ヘイン記者 kej@hankyung.com

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