"米、関税がなければ第三世界の国"…最高裁判決を促したトランプ

裁判所が適法性にブレーキをかけると反発

保守優位の最高裁で覆すことを狙う

ドナルド・トランプ米大統領は連邦最高裁に関税課税の適法性について迅速な審理を求めた。控訴裁判所がトランプ政権の関税政策にブレーキをかけたため、保守優位の最高裁で「覆す判決」を引き出そうとしているとみられる。

トランプ大統領は2日（現地時間）、ホワイトハウスで「この問題は今や最高裁に行く」と述べ、「明日、最高裁に早期の審理開始を要請し、迅速な判決を求める」と明らかにした。彼は「関税を撤廃すれば米国は第三世界の国に転落する可能性がある」として、「それだけこの判決は重要で、我々が迅速な判決を求める理由だ」と強調した。続けて「（関税政策で）すでに多くの金が入ってきている」とし、「これらの国（日本・韓国・欧州連合）は我々に8,500億ドル（約1,180兆ウォン）を支払うだろう」と述べた。

トランプ大統領は「最高裁は優れた人々で構成されており、これまで賢明な決定を下してきた」と述べ、最終判決に期待を示した。連邦最高裁は保守的な判事が優勢を占めている。

法曹界では、大統領が「関税撤回時に米国が没落する可能性がある」という最悪のシナリオを掲げて最高裁を圧迫する行為自体も異例だと指摘している。法律事務所シドリー・オースティンの共同代表テッド・マーフィーは「トランプ大統領側は結果が手段を正当化するという理屈で、法的な合憲性より結果の重要性を強調している」と批判した。

先月29日、ワシントンD.C.連邦巡回控訴裁判所は、トランプ大統領が貿易相手国に課した相互関税について「法的権限がない」としてブレーキをかけた。

裁判所は、トランプ大統領が行政命令の根拠とした国際緊急経済権限法(IEEPA)について「国家の非常事態に対応して様々な措置を取ることができる幅広い権限を大統領に与える」と認めつつも「いかなる条項も関税や関税の課金、それに類する税金を明示的に課す権限を含まない」と判断した。

イム・ダヨン記者 allopen@hankyung.com