'脱法定通貨' 金・イーサリアム・株取引が注目される理由 [ハン・サンチュンの国際経済を読む]

ソース
Korea Economic Daily

概要

  • 最近、法定通貨への信頼の低下により、金、イーサリアム、株式など実質的価値と通貨機能を持つ資産への投資志向が高まっていると伝えた。
  • 米連邦準備制度理事会(Fed)など中央銀行の独立性が損なわれることが続けば、物価安定が困難になり、法定通貨に代わる代替資産の取引がさらに活発になる可能性が高いと述べた。
  • こうした環境ではインフレーションヘッジと安全資産として、イーサリアムは拡張性の面で、株式は最近の収益率の面でそれぞれ投資の代替として浮上していると伝えた。

法定通貨への信頼が低下


実質価値・通貨機能を持つ

投資対象の嗜好が高まる

中央銀行の独立性が侵害されれば

物価安定は遠のく

今後 脱法定通貨の取引は

より活発になる可能性も

約1年前、米大統領選の過程でドナルド・トランプ氏(当時共和党候補)の当選可能性が高まると『トランプ・トレード』が流行した。テスラ、ビットコインなど親トランプ傾向の投資対象に資金が集中した。少なくとも今年上半期までは投資成果も良好だった。

最近では『脱(脫)法定通貨取引(debasement trade)』が活発だ。法定通貨への信頼が低下し、実質的価値と通貨機能を同時に持つ投資対象が好まれるトレンドを指す。200年以上続いてきた法定通貨が消えれば各国中央銀行の金融政策や国民の通貨生活に大きな変化をもたらすと予想される。

名目上紙に過ぎない法定通貨がその本来の機能を果たすには、国家が付与した信用力への信頼が損なわれてはならない。法定通貨の信用力は二つの要件に左右される。一つは独占的な鋳造権、もう一つは物価安定である。両条件とも中央銀行の独立性に関連する。

トランプ政権の第1期から懸念されていた米中央銀行(Fed)の独立性は第2期に入り急速に損なわれている。金融政策目標の修正、基準金利の変更、連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの改編、予告のないFed訪問などにより揺さぶられてきたためだ。Fed設立以降、大統領とFed議長間の対立指数を追うと、トランプ大統領とジェローム・パウエル議長の時が最高水準である。

ミラン報告書とともにトランプノミクス2.0の基盤である『プロジェクト2025』のシナリオ通りに進むなら、Fedは独立性の喪失を越えてトランプ大統領の従属機関に転落する可能性がある。改編にとどまらず最終的には廃止する案まで含まれているためだ。中央銀行の独占的な鋳造権もコインなど民間が発行する代替通貨を通じて分散化する計画である。

中央銀行の独立性が損なわれれば第一目標である物価安定は遠のく。最近のように成長率(g)が利子率(r)より高ければ、借金をしてさらに使ってもよいという現代貨幣理論に基づく財政支出が流行する。このようなときに中央銀行が拮抗役割を果たせなければ物価は上昇するほかない。トランプ大統領の要求どおり金利まで引き下げれば物価が馬が駆けるように上昇する『ギャロッピング・ハイパーインフレーション』局面も訪れる可能性がある。

二つの条件が乱れて法定通貨への信頼が落ちると、退場していた通貨が急速に制度圏に入り得る。最近、景気が回復しない状況で通貨流通速度や通貨乗数のような経済活力指標が高まったのはこのためだ。実体経済は低迷しているのに株価やソウルの江南など一部不動産価格が急騰した韓国がその代表例である。

脱法定通貨取引の最適な代替として、通貨とインフレーションヘッジ機能を同時に果たせる金が急浮上している。ドルと米国債の信頼が低下し、安全資産の選択肢が限られたことも金価格上昇の要因だ。基軸通貨をドルの代わりに金に戻すべきではないかという金本位制の議論が久しぶりに頭をもたげている。

金ほどではないがステーブルコインも脱法定通貨取引の対象である。価値の面で法定通貨より有利で、ジニアス法の成立後は通貨機能まで公式に付与されたためだ。同じコインの中でも生産量が限定されたビットコインより、アルトコインの象徴であるイーサリアムの拡張性が高い。

伝統的な資産形成対象である株式と債券だけを見れば、株式の方が有利だ。金融が実物を主導する時代にはリスク資産と安全資産の反比例関係が弱まっている。昨年9月以降Fedが金利を引き下げる環境で株式の収益率が国債より高かったのもそのためだ。Fedをはじめとする中央銀行の独立性が回復しない限り、脱法定通貨取引はさらに活発化するだろう。

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