"米国の価値に反する勢力"…中国を批判していたトランプの'心変わり' [イ・サンウンのワシントンNOW]

ソース
Korea Economic Daily

概要

  • "国家安全保障戦略(NSS)で 中国 を競争相手かつ経済交流の対象として二重に描写したと伝えた。"
  • "過去のトランプ政権の攻撃的な対中政策とは異なり、現在は中国との決戦の意志が弱まったと述べた。"
  • "米国が 世界経済秩序 維持戦略を修正し、韓米同盟など同盟との協力がより重要になったと伝えた。"

NSSで中国に対して二重の態度

「決着」の意志は消えたがリーダーシップ維持に悩む

解決策の提示の有無が韓米同盟の地位を左右する

写真 = 韓国経済DB
写真 = 韓国経済DB

ドナルド・トランプ米大統領が先月4日夜にひっそりと公表した国家安全保障戦略(NSS)が投げかけた衝撃波は大きい。新しい内容が入っていたからではなく、米政府の公式文書としては驚くほど率直に書かれていたからだ。

米国はこの文書で「力不足だ」という言葉をさまざまに漏らしている。"米国がアトラスのように世界秩序を支えていた時代は終わった"というのだ。前政権への批判は時に過剰に見えるが、従来のNSS文書がほとんどすべての問題を網羅していたことについて「すべてに集中することは何にも集中しないことだ」と指摘した箇所にはうなずかされる。

文書全体を貫く核心キーワードは中国だ。しかし中国に対する記述は明らかに意図的に二面性を帯びている。中国を競争相手、敵国と認識する箇所では「非西側の競争国」「他国」「潜在的敵対勢力」などと変奏しながら中国を指している。

一方で経済交流をしながらうまくやろうというメッセージを含む箇所では中国を「中国」と書いている。"北京との真の相互利益になる経済関係"を作るという文言が代表的だ。中国と良好な関係を維持すれば"現在30兆ドル規模の米国経済を40兆ドルまで成長させられる"という一文はほとんど片思いのようにも見える。2017年のトランプ第1期政権のNSSが中国を"米国の価値と利益に反する世界秩序を構築しようとする勢力"と攻撃的に規定していたのとは対照的だ。

トランプ大統領は第1期政権で中国と一戦を交えてみようと考えていた。そうするべきときで、むしろ遅い感があった。自由貿易に反するとしても対中関税であれ、何らかの形で中国を抑える方法が必要だった。それでも中国への打撃は微小だった。

4年ぶりに戻ったトランプ大統領ははるかに強くなった中国に直面した。彼はもはや中国と"一戦交える"という意気込みはない。事実、法的根拠が弱い国際緊急経済権限法(IEEPA)を関税課税の手段として活用したときにこうした結果はすでに予定されていたのかもしれない。結局は背中をたたきながら"うまくやろう"とまとめるつもりだったという話だ。

キム・フンジョン元対外経済政策研究院(KIEP)院長は先週ワシントンDCのフォーラムに参加し、「(サプライチェーンの)上流部門で中国の圧倒的支配力を抑える方法はない」とし、「中国が輸出規制をすれば終わりだ」と述べた。「どれだけ力のある天下の強者でも酸素が供給されなければ死ぬ」ということだ。今の中国は他国とわざわざ貿易をしようという考えがない。すべてを垂直統合化・内製化し、周辺国を窮乏させる戦略を押し進めている。自由貿易で共同繁栄できるという伝統的経済理論はこの戦略の前に道を失った。

最近ワシントンのランド研究所は米国が中国を容認し、台湾に対する抑止力を活用して中国に肯定的な信号を送るべきだという報告書を公表した。論争が大きくなると報告書は一旦取り下げられたが、現在ワシントン内では中国と決戦を行う時期はすでに過ぎたという懐疑論が強まっている。トランプ政権内の対中タカ派の声も混ざっているため、ただ騒がしく混乱して見えるだけだ。

もちろん米国が世界1位の座を譲るつもりは微塵もない。そうならないようにするために同盟と負担を分かち合いながらインド・太平洋と西半球地域に集中するというのが今年のNSSのメッセージだ。しかしその背景には「今やあまりに大きくなった中国をどう扱うべきかわからない」という悩みが横たわっている。韓国が米国のこの悩みをどれだけ理解し解決策を提示するかが今後の米国との関係を規定するだろう。

ランド研究所が公表して撤回した報告書。現在は原文をダウンロードできない状態だ。/ランド研究所ホームページ
ランド研究所が公表して撤回した報告書。現在は原文をダウンロードできない状態だ。/ランド研究所ホームページ

ワシントン=イ・サンウン特派員 selee@hankyung.com

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