概要
- 日本の超長期国債利回りが過去最高を記録し、国債価格の急落と財政規律への懸念が強まっていると伝えた。
- 与野党が食品の消費税ゼロなど消費税減税を競うように掲げ、年5兆円の税収減が見込まれるとした。
- 財政規律の弱まりで国債利回り上昇、円安、インフレ長期化の可能性が高まり、債券投資の売りが続いていると伝えた。
日本政界、財源策なき「消費税減税」競争
食品の消費税「ゼロ」で年5兆円の税収減
財政悪化懸念…超長期金利が過去最高

20日の日本債券市場で超長期国債の利回りが急騰(価格は急落)した。30年国債利回りは一時年3.88%、40年国債は年4.215%を記録し、いずれも過去最高を更新した。日本国債利回りが1日で0.2%ポイント以上上昇するのは極めて異例だ。
背景には財政拡張リスクがある。衆議院(下院)選挙を控え、高市早苗首相は19日、食品の消費税率を2年間ゼロにするとし、「行き過ぎた緊縮志向を終わらせる」と述べた。野党の立憲民主党と公明党がつくった新党「中道改革連合」も基本政策に「食品消費税ゼロ」を盛り込んだ。
与野党ともに消費税減税を公約に掲げるなか、財政規律が崩れるとの懸念が強まっている。日本経済新聞は「財源策が不十分な減税政策はポピュリズム的だ」とし、「20日の債券市場の動きは、減税政策に対する市場の懸念が極めて高まったことを示す」と指摘した。
日本政府が発行する国債のうち、償還までの期間が長い20年、30年、40年物を超長期債と呼ぶ。発行額は20年物が月8000億円、30年物が月7000億円。2カ月に1回発行する40年物は1回当たり4000億円だ。
通常、資金を借りる際は借入期間が長いほど金利は上昇する。貸し出す期間が長いほど、返済されないリスクが高まるためだ。日本債券市場で長期金利指標である10年国債利回りが年2%台であるのに対し、40年物は年4%を超えた。
債券は利回りと価格が逆に動く。市場価格が変わっても、満期時に国債購入者が政府から受け取れる金額は変わらないためだ。20日の債券市場では30年物や40年物を買おうとする人がほとんど現れず、価格が急落して利回りが上昇した。
国債価格の急落は財政規律への懸念が背景にある。食品の消費税減税による減収は年5兆円程度だ。高市首相は2年間の時限措置として実施するとしたが、市場参加者の多くは、徐々に恒久減税へとつながる可能性を懸念している。
中道改革連合も新たな政府系ファンドなどを財源として活用する方針だが、安定的な財源となるかは不透明だ。国の資金繰りが悪化すれば、それだけ投資家が国債購入の見返りに求める利回りは高くなる。
インフレ懸念も国債売りにつながった。財政規律が弱まれば通貨価値も下落し、円安とインフレの長期化への懸念が強まる。消費税減税という財政拡張政策はインフレをあおる可能性がある。債券投資は株式などに比べ、通貨価値が下がるインフレに弱い。
東京=キム・イルギュ特派員 black0419@hankyung.com





